【登場人物】

悟:ダルビッシュのファン
honmadesse@398:ネットオークションの出品者

【物語】

健太はダルビッシュ投手の大ファン
直筆サインボールを手に入れたくて、
ネットオークションをチェックしていた。

悟:おぉ、これすげ〜掘り出し物かも

 「テキサスレンジャース移籍記念!
  ダルビッシェ・有 サインボール
  価格 5,000円」

悟:んっ、待てよ。
  サインでも直筆じゃないと意味ないしなぁ。
  ここはメールで確認しておくか。


「商品説明には「サイン」とありますが、印刷ではなく
 本人の直筆サインということでよろしいでしょうか」

honmadesse@398:
 「このたびはお問い合わせありがとうございます。
 今回の商品は、ダルビッシュ投手、テキサスレンジャース
 移籍記念としまして、特別に出品させていただいたものです。
 間違いなくご本人の直筆です。」

悟:きゃっほ〜、これはもうゲットするしかないぜ!
  ボタンをポチッとクリックしてと。。。

この2日後、待望の商品が悟の手元に届いた。

悟:ありっ?
  このサイン、ダルビッシュのものと違うじゃん。
  げっ、偽物を掴まされた。
  早く、契約を取り消さなくちゃ


 「商品案内には、ダルビッシュのサインボールとあったのに、
 このたび送付された商品はダルビッシュのサインボール
 ではありません。
 詐欺による売買につき契約を取り消します。
 つきましては、売買代金を下記の口座に返金ください…」

honmadesse@398:
 「商品案内をよーくご欄ください。
  「ダルビッシェ・有 サインボール」
  と書いてございます。
  貴殿に詐欺呼ばわりされる筋合いはありません。
  また、「ダルビッシェ・有 サインボール」とあるのに、
  勝手にダルビッシュ・有と思い込まれた貴殿には
  重大な過失があります。
  そのような重大な過失のある者は詐欺を理由に
  契約を取り消すことはできません。
  よって代金は返金致しかねます。」

【問題】
 相手方の詐欺により意思表示をなした者は、重大な過失があると、その意思表示を取り消すことができない。(司S53−33改題)

【正解】×

悟:ふ〜っ、やれやれ。
  重大な過失があっても、詐欺を理由に契約を
  取り消せるってことだね。

さくら:96条1項を見ると「詐欺又は強迫による意思
    表示は、取り消すことができる。」とあります
    からね。
    「表意者に重過失がないこと」なんてどこにも
    書いてありませんから、詐欺で騙された者は
    たとえ重大な過失があっても、その意思表示を
    取り消すことができます。

悟:ついでにさ、騙された俺って錯誤に陥っていた
  わけだから、売買は錯誤で無効だって主張する
  こともできそうだよね。

さくら:確かにそうなんですけど、重過失がある者は、
    錯誤無効を主張できません(95条但書)。

悟:それってなんだか理不尽じゃん。。。

さくら:錯誤に陥るのは詐欺が原因とは限りません
    からね。それなのにすべて錯誤無効を主張
    されては、相手方はたまったものではありません。
    これに対し、詐欺は騙した相手が圧倒的に悪い
    わけですから、騙された者を広く保護する必要が
    あるというわけです。

悟:しょがねぇなぁ、今回は取消しだけで我慢してやるか。

さくら:そんなことより、取引は慎重に。
    被害届けも早く出しましょう!

【条文】
第95条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

(詐欺又は強迫)
第96条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
◆〜蠎衒に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。



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