2012年03月22日

‘12年度 第17回 物権変動(177条)

【登場人物】

不動産屋 A
熊のぷぅさん B


【物語】
熊のぷぅが住む100坪の森も、このところ開発の話が
出てきて大騒ぎ。森を守ろうと、ぷぅは仲間達と土地を
少しずつ買うことにしたが―。

ぷぅ:不動産屋さん。ミツバチのいる木の辺りね。
   僕、あそこの土地を買っておきたいんだけど。

不動産屋:あぁ、昔、君が頭から木の穴に突っ込んだ
     ところね。
     あそこなら、ウチのところの物件ですから
     売却できますよ。

ぷぅ:あぁ、よかった。
   僕さぁ、ハチミツが採れなくなったら、
   お腹空いて、困るんだよね。
   とりあえずミツバチの巣がある木のところ
   2坪あれば充分なんだけど。

不動産屋:2坪…ですか。
     まぁ、いいでしょう。
     代金は2坪で5万円になるけど、大丈夫?

ぷぅ:うん。ルビン君がお小遣いを貯めたやつ
   貸してくれることになってるんだ。

不動産屋:じゃ、代金は今月末までに支払うということで。
    登記は、代金の支払いと引き換えにしますから
    契約書を交わしておきましょう。

ぷぅ:オッケー。
   じゃ、僕は、おやつの時間だから、後はよろしくね。

―――――――――――――――――――――

その1週間後、フーは散歩でミツバチの木に寄ったところ
そこには新しい看板が!

 『ロシアの熊。プッチン』

ぷぅ:ロシアの熊って、誰だ!?
   僕の土地に、こんな看板を立てるなんて。

プッチン:俺様だよ。ここは俺がこの間、不動産屋から
   買った土地なの。
   もう登記もしてあるし。

ぷぅ:僕の方が先に買ったんだよ。
   不動産屋さんから聞かなかった?

プッチン:おいおい。そんなの関係ねぇって
     知らないのかい?

【問題】
 Aは、自己所有の土地をBに売却したが、Bは、その旨の登記を行っていない。この場合、判例に照らすと、Bの登記がないことのみをもって、Aから土地の売却を受け、自己名義に登記した者に対して、Bはその所有権の取得を対抗できない。(H8−28)

正解「○」

【解説】

ぷぅ:僕は、プッチンよりも先に不動産屋さんと、
   契約をして、売買契約書もちゃんと交わして
   いたんだよ。
   あそこは僕の所有地なのに…

さくら:ぷぅさんは、売買契約によって、土地の所有権
   取得したわけですが、これを第三者に対抗するには
   登記が必要なんです(177条)。
   所有権などの権利関係は、目に見えませんから、
   不動産については登記によって権利関係を公示して
   取引の安全を図る趣旨です。
   ですから、登記を備えない限り、第三者に所有権の
   取得を対抗できません。

ぷぅ:第三者?

さくら:はい。土地の売買契約をした不動産屋さんは、
    契約の当事者になります。
    これに対し、登記がなければ対抗できない
    「第三者」とは、当事者及びその包括承継人
    (相続人等)以外の者で、登記がないことを
    主張する正当の利益を有する者をいいます。

ぷぅ:プッチンとかいう熊!
   あいつさ、僕が先に土地を買ったって知っていた
   はずなんだよ。そんなヤツに正当の利益なんか
   あるはずないよ。

さくら:登記制度は、権利関係について知っているか否か
   に拘わらず、登記の有無で画一的に権利関係を決め
   ようというものです。
   そのため、二重譲渡における第二の譲受人は、
   悪意であっても、背信的悪意者でない限り、「登記が
   ないことを主張する正当の利益を有する者」に
   あたります(判例)。
   ですから、ぷぅさんは、プッチンに対し、登記がないので
   自分の土地だと主張できません。また、その結果、
   先に登記を備えたプッチンが、土地を確定的に取得して、
   ぷぅさんにこれを対抗できるというわけです。

ぷぅ:あ〜ぁ。しょうがないや。
   ハチミツ食べて、いやなことは忘れよっと。

【条文】
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第177条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

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