【登場人物】

番長:元野球選手(A)
ソフト銀行:名前と裏腹に担保に厳しい銀行(C)
マスミ産業:不動産屋(B)

【物語】

野球選手・番長は引退し、新たにお好み焼き屋を
経営することにした。

土地は、友人の不動産屋マスミ産業から借り、
店舗の建築に当たっては、ソフト銀行より
融資を受けるつもりだったが…

銀行:うーん、この建物の抵当権だけでは
   ご希望の金額は融資できませんね

番長:新築の建物がその建築費用の担保にもならんとは
   どういうことですか

銀行:そりゃそうでしょ。
   建築費がいくらだったのかと、その建物の価値は
   イコールではないですよ
   いくらひざの手術にお金かけても、それ以上稼げ
   るかは別問題でしょ?

番長:ちょっと腹立つけど、そのとおり

銀行:頭金もショートしてますし…   
   連帯保証人立てますか。

番長:頭はこれ以上切れないほど短いですけど…
   ほな、マスミから土地を借りるときに
   地上権ちゅうもんにしておいてもらったから
   これも抵当に入れるっていうのは、どやろか


【過去問】
 Aは、B所有の甲土地について地上権の設定を受けて、同土地上に乙建物を建築した。Aが同建物を建築するについては、そのための資金としてC銀行から融資を受けた。AがC銀行のために抵当権を設定するには、乙建物のみを抵当権の目的とすることができ、Aの甲土地に対する地上権を抵当権の目的とすることはできない。(H18−30)
【正解】「×」

【解説】
さくら:登場人物が3人出てきていますが、
    要は、条文に書いてあるとおりですね。

【条文】
(抵当権の内容)
第369条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

番長:この条文のどこを見ればいいんですか?

さくら:面倒がらず、ちゃんと自分で読んでください!
    369条2項にあるでしょ!地上権も抵当権の目的と
    することができる
って。

番長:じゃあ、建物だけじゃなくて地上権にも抵当権
   つけてもらおうかな

銀行:いやねぇ、建物に抵当権を設定しますよね。
   そうすると、特に断りがない限り、建物に設定した
   抵当権の効力は、建物が建っている土地の
   地上権にも及ぶんですよ。
      
さくら:従物は主物の処分に従うわけですが(87条)、
    他人の土地に建築した建物にとって、土地の利用権は
    建物の経済的効用を発揮させる、従たる権利
    です。
    そこで、建物に設定された抵当権は、
    従たる権利である地上権にも
    及ぶというわけです。

銀行:というわけで、建物の抵当権の評価として、
   地上権の価値もすでに折込み済みなんですヮ。

番長:建物が主物で、地上権は従たる権利やて。
   建物の方が主役なんやな。
   それなら許す

さくら:そこに反応
    で、融資はどうするの


【条文】
(主物及び従物)
第87条 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
2  従物は、主物の処分に従う。