2012年06月08日

‘12年度 第27回 種類債権(401条2項)

【登場人物】

越後屋 A
米屋米兵衛 B米店
佳代 通りすがりの客

【物語】

米屋:これは、これは、越後屋の旦那。
   今日は、何をご所望で。

越後屋:来週はお代官様の還暦祝いでな。
    ワシも餅を献上させていただくことにしたから、
    ここにあるもち米を50キロほど、用意して
    もらおうか。

米屋:それはお安い御用で。
   では、後ほど準備してお届けしますんで。

越後屋:祝い事じゃでな。
    くれぐれも粗相のないように。

と、そこに佳代が、焼き芋片手に店先にやってきた。

「プ〜ッ」

越後屋:お、お主、なんてことを。
    畏れ多くも、お代官様の献上品に屁を
    かけおって

佳代:へっ!?

越後屋:「へ」じゃない。お前の屁で献上品の
    もち米が穢れたわ。
    そ、損害賠償請求じゃ!

米屋:越後屋の旦那。それは手前どものもち米。
   損害賠償は私が請求いたします。

越後屋:ワシはもう代金を支払っておるぞ。

佳代:もち米は、いったいどちら様のものなのでしょうか。。。

【問題】
 Aが「もち米」を50キロ買う契約をB米店との間で行い、Bによる引渡しの準備がまだ終わっていない場合において、「もち米」50キロの所有権は、目的物が特定される前でも、特約がなければ、A・B間の売買契約をした時に移転する。(H19−31)


【正解】「×」

【解説】

越後屋:「×」ということは、もち米の所有権は
    まだ米屋にあるということか。

さくら:はい。
    目的物の所有権は、特約がない限り、
    売買契約の成立時に移転するのが原則ですが、
    もち米50キロというのは、物の個性を問題に
    せず、種類、数量、品質等に着目して取引する
    不特定物です。
    売主としては、所定の種類、数量、品質のものを
    引き渡せばよく、特定するまで目的物が確定
    しません。
    したがって、売買契約が成立しても、目的物が
    特定しないと所有権は移転しないのです。

越後屋:しかし、代金はもう支払っておるぞ。

さくら:特定したかどうかは、目的物が確定したかどうか
    の問題ですから、代金を支払ったかどうかとは
    関係ないんですよ。

米屋:では、いつ特定するんですかい。

さくら:〆通骸(米屋)が物の給付をするのに必要な行為
    完了するか、または債権者(越後屋)の同意を得て
    その給付すべき物を指定したことが必要です
    (401条2項)。

米屋:今回は、引渡しの準備もしていませんから、
   「物の給付をするのに必要な行為を完了」して
   いません。また、越後屋さんの同意を得て指定した
   わけでもありませんから、まだ特定していないって
   ことですね。

越後屋:ええい、もういいわい。
    お代官様には、餅より、おなごじゃ。
    お前さん、こっちへ来ようぞ。

佳代:そんな御無体な、苦しゅうござりまする。
    「プ〜ッ」

(種類債権)
第401条  債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
2  前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。

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