2012年06月14日

‘12年度 第28回 現実的履行の強制(414条)

【登場人物】

三蔵法師
孫悟空
猪八戒
沙悟浄

【物語】

お経をとりに天竺を目指す三蔵の一行
悟空は、三蔵から頼まれ、街に食糧の調達に出かけたが…。

悟浄:悟空のヤツ。いったい何時になったら戻って
   くるんだ。

八戒:お師匠様、オレ、もう腹が減って動けねぇですよ。

三蔵:悟空にも困ったものだ…。

悟浄:お師匠様、オレが悟空の代わりに食糧を調達して
   きましょうか。
   代金は、あとで悟空に請求しますから。

三蔵:ううむ。しかし、行き違いになっては困るしのう。

八戒:では、1時間遅くなるごとに、アイツの飯を
   減らすってどうですかい。。
   その分、オレの飯が増えるなら、我慢して
   待ちますぜ

悟浄:おまえは、自分の飯のことしか考えてねぇだろ。

三蔵:まあまあ。八戒の言うことにも一理ある。
   しかし、他の者が代わって食糧を調達できるのに
   そのような制裁を科してもよいものやら。
   仏の道を外れなければよいのじゃが。。。

【問題】
 契約上の債務の不履行の場合に、代替執行が可能なときには、間接強制を求めることはできない。(新司H19−17)

【正解】「×」

【解説】

八戒:急に小難しい話になっちまいましたが、
   代替執行とか間接強制とか、そういう話だった
   わけですかい?

さくら:はい。
    悟空さんは、食糧を調達してくるという行為
    目的とする債務を負っていたわけですが、
    これを強制する手段として、代替執行と間接強制
    とがあるということです。

悟浄:オレが悟空の代わりに食糧を調達しにいこうと
   したのが、代替執行ですね。

さくら:そうです。今回は、他人が代わって行為をしても
    構わないケースですから、代替執行によることが
    できます。
    この場合に、かかった費用は債務者に請求する
    ことができます。

八戒:じゃ、オレが提案した、1時間ごとにアイツの
   飯を減らすというのは…。

さくら:これも一応、間接強制といえますね。
    もっとも正式には、裁判所が履行しなければ
    損害賠償を支払うように命じ、債務者に
    心理的な圧迫を加えることで履行させるわけです。

三蔵:それで、今回は、どちらの方法でもよいわけですか。

さくら:はい。
    以前は、心理的強制は望ましくないとして
    直接強制や代替執行ができない債務
    (不代替的作為債務・不作為債務)に限って
    間接強制によることできました。
    しかし、平成15年の担保・執行法の改正によって、
    直接強制を許す物の引渡債務や、代替的な作為
    債務についても、間接強制によることができる
    ようになったんですよ。
    したがって、今回は、どちらの方法によることも
    できます。

八戒:お師匠様、それでは間接強制で参りましょうよ。

三蔵:私どもは法律よりも仏の道。
   頭の輪っかを締めることといたしましょう。
―――――――――――――――――――
悟空:痛っ、て、て、ててて…。


(履行の強制)
第414条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
3 不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。
4 前3項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。


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