【登場人物】
マッハ近藤:車好き芸能人
ペーパー子:ペーパードライバー
保険会社

マッハ:あ〜前の車のジーグザクザク運転。
    走りずれ〜。あっ急に止まった!

………キキーッツ。コツン。

ペーパー子:キャー。ぶつけられた〜。

マッハ:(なんだこのピンクのおばさん)
    すみません。バンパーへこんじゃってますね。
    修理したらここに連絡してください。
    すぐに代金をお支払いしますので。
    (名刺を渡す)

ペーパー子:やだー。マッハだわ〜
       写真撮らせて〜。

…………………………………………………………………

数日後マッハの事務所に電話が鳴った。

マッハ:マッハでーす。

保険会社:先日の事故の件ですが…

マッハ:俺にはわからないよ、お前がなぜ〜♪
     事故のこと知ってるの?

保険会社:ペーパー子様という方から
     マッハ様の保険金のご請求がありましたが。

マッハ:えぇーっつ!
    自費でさりげなく、そいつが俺のやり方〜♪
     なんだけど。
    
【過去問】
 自動車事故の被害者Aは、加害者Bに対する損害賠償債権を保全するために、Bの資力がその債務を弁済するに十分であるか否かにかかわらず、Bが保険会社との間で締結していた自動車対人賠償責任保険契約に基づく保険金請求権を代位行使することができる。(H17−27)
【正解】「×」

【解説】

マッハ:答え見せられてもさ、代位行使だとか
    なんとか知らないけど、さっぱりわかんねーよ。

さくら:ペーパー子さんが、マッハさんに損害賠償を請求
    できるというのは、いいですよね。

マッハ:モチ、落とし前はちゃんとつけるよ。

さくら:そして、マッハさんは、自賠責保険に基づいて
    保険会社に保険金を請求できますよね。

ペーパー子――損害賠償請求権―→マッハ
                       |
                       |保険金
                       |請求権
                       | 
                       ↓
                   保険会社


さくら:今回の問題は、ペーパー子さんが損害賠償請求権
    を保全するために、マッハさんに代わって
    マッハさんの保険会社に対する保険金請求権を
    行使できるか、という問題だったわけです。

マッハ:ふ〜ん。でもさ、保険会社に保険金を請求する・
    しないは、俺の自由でしょ。
    それがなんで他人が代わって請求するという
    話になるわけ?

さくら:債務者が誰でも債務を履行できるとは限りません
    からね。
    そこで、債権者がを債権保全するために、
    債務者が持っている権利を、債権者が代わって
    行使することが認められています
    (債権者代位権、423条)。

マッハ:債権を保全するためって?

さくら:簡単にいえば、債権を確保する必要がある場合と
    いうことです。
    今回の損害賠償請求権のように、その履行が債務者の
    資力の有無にかかわる場合は、債務者が弁済する
    ために十分な資力がない場合(無資力)を指します。
    逆にいえば、債務者に十分な資力がある場合は、
    債権者は、債務者の権利を代位行使することは
    できません。
    判例も、自動車事故の被害者が損害賠償請求権を
    保全するため、加害者が保険会社に対して有する
    任意保険の保険金請求権を代位行使する場合には、
    債務者が無資力あることを要するとしています
     (最判S49.11.29)。
    マッハさんには十分な資力がありますから、
    ペーパー子さんは、保険金請求権を
   代位行使できないというわけです。

マッハ:やっぱりそうでしょ。
    俺は怖いもの知らず〜♪
    フェラーリ5台分の保険かけてるから〜
    等級ダウンすることだけ〜怖いのさ♪

【条文】
(債権者代位権)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。