2012年07月11日

‘12年度 第32回 連帯債務(434条)

【登場人物】

ミツキ:元夫(甲)
ミミー:元妻(乙)
TDL銀行:債権者

【物語】

人気夫婦漫才コンビを組んでいたミツキとミミーは離婚することになった。
仕事では仕方なくコンビを続ける上、共同で購入した家はそのままミミーが住み続けることに。
住宅ローンの返済は、慰謝料がわりにミツキが全面的に持つことになったが、TDL銀行との契約では、ミミーも連帯債務者になったままである。

ある日、銀行からミミーに連絡が来た

TDL:実はローンの返済が滞っておりましたので、
    そちらの物件を競売にかけます。
    荷物をまとめて期限までに退去してくださいね。

ミミー:なんですってゥリィアリィー?
    夏祭りにサマーアドベンチャーに
    クリスマスの営業に…
    こんなに忙しく働いているのにローンが返せない??
    最近遊んでるみたいだとは思ったけど
    どんだけ使ってるわけ
    しかも、そんな大事なこと私には一言もなし!
    毎日会ってるというのに!
    ほんと信じられない男!離婚してよかった
    いや、結婚しなきゃよかったねえ。

TDL:それは私に言われても…

ミミー:だいたい、返済できないなら私が払ったのに
    最近は私にもピンの仕事多いのよ

TDL:もちろんミミーさんも連帯債務者なので、
    履行していただければこういうことになりませんでした。

ミミー:じゃあ、どうして私には連絡してくれなかったの?
    あなたも意地悪ね

TDL:ミツキ様にだけご連絡すればよろしいかと。

ミミー:どうして!ちゃんと私にも伝えてよ!
    こんなの認めないわ

【過去問】
 甲乙が連帯債務を負うとき、甲に対する履行の請求は、乙に対しても効力を生ずる。(司S42−36)


【正解】「○」

【解説】

sakura04さくら:
連帯債務ということは、
ミツキさんもミミーさんも、
      それぞれTDL銀行に対して
      住宅ローン全額を支払う債務を負い、
      一方が全額支払うと、他方は債務
      免れるということになります。
      連帯債務は、それぞれ独立した債務
      ですから、連帯債務者の1人について
      生じた事由は、他の連帯債務者に対して
      その効力を生じないのが原則です(440条)。
      でも、法律って、原則だけでなく、例外
      確認しないといけないんですよ。

ミミー:わたしはマニュアルが大好きなの
    『例外』なんて認めたくないわ!

さくら:いやいや、そうは行っても現実の世の中は
    夢と魔法のテーマパークではないわけで…
    各連帯債務者が、それぞれ全額について
    支払い義務を負担するのは、弁済を満足させる
    という共同の目的のためです。
    連帯債務者間には、このような主観的な共同目的         がありますから、1人の債務者に生じた事由が、     
    他の債務者に影響を及ぼすことがあります。
    これを絶対効といいます。
    連帯債務において絶対効を生じる事由は、
    履行の請求、更改、相殺、免除、混同、時効の完成
    です。

ミミー:例外だらけじゃないの!

さくら:まあまあ、落ち着いて
    本件の場合は履行の請求ですから
    絶対効が生じます(434条)。
    ですから、TLD銀行がミツキさんに
    履行を請求すれば、連帯債務者であるミミーさん
    にも履行を請求したことになるんですよ。

ミミー:頭きた
    次はすごいホテルでもお城でも
    建ててやるわ。

TDL銀行:あ、でも今後は融資が受けられるかどうか…

【条文】
(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
第434条 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
(連帯債務者の一人との間の更改)
第435条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。
(連帯債務者の一人による相殺等)
第436条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。
2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。
(連帯債務者の一人に対する免除)
第437条 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。
(連帯債務者の一人との間の混同)
第438条 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。
(連帯債務者の一人についての時効の完成)
第439条 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。

(相対的効力の原則)
第440条 第434条から前条までに規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。


オンライン講義&SLTソフトによる行政書士講座
gokaku_syu_kouza
 
 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
ベリースの行政書士講座
Recent Comments
訪問者数