【登場人物】

くず原:行政書士講座の講師
スタジオ・美フォー ポートレート作成の請負人

【物語】

今秋よりベリースの行政書士合格集中講座はドドーンとバージョンアップ。
従来の学習ソフトに、講義の動画配信も加わって、それなら講師紹介の写真も撮らなくちゃってことになったわけ。

くず原:あのー、講師紹介用のポートレートを作って
    いただきたいんですが。
    それで、そのぉ…、できるだけいい感じに
    キレイに仕上げてもらえるかな…って。。。

美フォー:それ、結構、大変そうだなぁ。

くず原:だって、増えた白髪は寝不足の証、額のシワは
    苦労の刺青。
    自然に、でも、精一杯、力の限り、隠して
    欲しいんですっ。

美フォー:わかった、わかったから。
     みーんな、まとめてキレイに仕上げるから。

――――――――――――――――――――――

そして翌日。ポートレートを取りにいくと―。

美フォー:いやぁ、なんとか、うまく仕上げましたよ。
     白髪は、明るい茶髪に修正しときましたわ。

くず原:随分と大胆な修正ですよね。。。

美フォー:それとこけた頬はふっくら、黒目ぱっちりに
     盛っておきましたから。

くず原:……。
    これって、誰も私だってわからないですよ。

美フォー:これぐらいやらないと、隠せないし。

くず原:でも、これじゃあ講師紹介に使えないです。
    請負契約は解除させてもらいますから。

美フォー:ポートレートを作成させておいて契約を
     解除かい。
     第一、解除は、隠れた瑕疵(欠陥)があった
     ときに認められるんじゃないの

【問題】
 売買の買主は瑕疵が隠れたものでなければ瑕疵担保責任を追及して解除権を行使できないが、請負の注文者は、瑕疵が隠れたものでなくても担保責任を追及して解除権を行使できる。(司H8−30)
【正解】「○」

くず原:まず特定物の売買で、売主に瑕疵担保責任を
    追及して契約を解除するには、それが
    「隠れた瑕疵」である必要があるわね(570条)。

さくら:普通に注意を払ったぐらいじゃ、わからない
    瑕疵ってことでしょ。

くず原:もっと短く言うと、買主の「善意無過失」。
    そして、隠れた瑕疵のために、契約の目的を
    達することができない場合は、買主は契約を
    解除できるし、一応契約の目的は達せられる場合
    でも、損害賠償は請求できるわけ(570条、566条)。
    損害賠償請求によって、瑕疵がないものとして
    支払った代金とのバランスをとるの。

さくら:でも、請負契約は、仕事の目的物
    「瑕疵」があれば、担保責任を追及できるよね
    (634条、635条)。

くず原:請負契約の目的は、仕事の完成だから。
    完成された仕事が、注文の通りでなかったとか、
    不完全な点があればよくて、その瑕疵が隠れた
    ものである必要はないのね。

さくら:しかも、今回は仕事の目的物が建物などでは
    ないから、契約の目的を達成できなければ、
    仕事の完成後でも契約を解除できるんだよね。

くず原:そう。あのポートレートじゃ講師の紹介用という
    契約の目的を達成できないでしょ。だから契約を
    解除したの。

さくら:それで、ポートレートは?

くず原:キバンインターナショナルさんの西村社長が
    撮ってくださったの。
    それがこっち。
http://elearning.co.jp/?page_id=6528

さくら:カメラの腕でここまで仕上げるなんて、さすが


【条文】
(売主の瑕疵担保責任)
第570条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。


第566条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

(請負人の担保責任)
第634条 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。

第635条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。