2012年11月02日

‘12年度 第47回 委任(651条)

更新が遅くなって、ごめんなさい。
それではいつものように、はじまり、はじまり〜。

【登場人物】

委任者:笠乃波
受任者:万理男


【物語】

稀代のプレイボーイ、笠乃波。
最近は、若き青年、万里男に熱を上げている。

笠乃波:万里男。その美しい瞳に僕はどれほど
    魅了されたことか。
    さぁ、今度は僕が君の夢を叶えてあげよう。

万里男:自分で事業を立ち上げたいんです。
    でも、事業資金が足りなくて。。。

笠乃波:なんだそんな簡単なこと。僕が資金提供しよう。

万里男:いえ。タダで資金提供を受けるなんて、
    よくありません。

笠乃波:(なんて可愛いヤツだ。。。) 
    それなら、私の貸家の管理を委任する
    というのはどうだろう。
    賃料の徴収とか諸々の管理をやってくれたら、
    借主の保証金を事業資金に自由に廻して
    もらっていいから。

万里男:それは願ってもありません。
    一生懸命、借家の管理をしますから。

万里男は自由にしてよいと言われた保証金で
事業を立ち上げ、少しずつ軌道に乗せていった。
そして2年の歳月が流れたある日―。


笠乃波:万里男、貸家の管理はもうしなくていいから。
    早いとこ、保証金を返してくれたまえ。

万里男:えっ、僕の管理に落ち度があったと言うのですか

笠乃波:そんなことは、どうでもいいんだよ。
    もう君には心がときめかなくなったから、
    委任契約は終わり
    よって保証金も返してもらうから。

万里男:あまりに一方的ですよ。
    第一、貸家の管理を僕に委任する代わりに、
    保証金を自由に利用していいと言われたのに、
    いきなり返せはないですよ

【問題】
 委任契約において、その契約が受任者の利益のためにもなされた場合であっても、受任者が著しく不誠実な行動に出た等のやむを得ない事情があるときはもちろん、また、そのような事情がないときでも、委任者が解除権自体を放棄したとは解されないときは、委任者は、自己の利益のためになお解除権を行使することができる。(H23−32)


【正解】「○」

【解説】

万理男:委任契約は、いつでも解除できるといっても
    (651条1項)、委任が受任者の利益をも
    目的としていたときは、委任者は、
    やむをえない事由がないのに契約を
    解除することはできないと聞きましたが…。

さくら:大正9年4月24日の判決ですね。
    委任が受任者の利益を目的としていた場合は
    受任者の利益を保護する必要がありますからね。

万理男:あの委任契約は、貸家を無償で管理する代わりに
    保証金を自由に利用していいというもので、
    受任者である僕の利益をも目的としていた
    ことは明らかです。

さくら:でも、その後の判例で、受任者の利益のためにも
    委任がなされた場合でも、委任者が委任契約の
    解除権自体を放棄したものとは解されない事情
    ある場合は、委任者は、やむを得ない事由
    なくても、契約を解除することができると
    されだんですよ(最判S56.1.19)。

    受任者の利益のためにも委任契約が締結されて
    いることを理由に、委任者の意思に反して
    事務処理を継続させることは、委任者の利益を
    阻害し、委任契約の本旨に反するという理由です。

笠乃波:人の心が移ろうように、判例の傾向も変わる。
    万理男。愛は、追うより追われろ。
    これが貴方へのはなむけの言葉です。Adieu


【条文】
(委任の解除)
第651条  委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。


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