2013年02月07日

‘13年度 第12回 消滅時効(174条の2)

【登場人物】

フーテンの虎三郎
小春:スナックのママ

【物語】

フーテンの虎三郎。10年ぶりに柴又に帰ってきた。

虎三郎:いやぁ、懐かしいねぇ。
    団子屋のおばちゃんのシワも、しっかり10年分。
    シワ(4×8)32本刻まれて、増えた白髪は、
    禿げより光る白さかなってね。

小春:あら、虎さん、帰ってきたんだね。

虎三郎:いけね。小春のママか…。

小春:久しぶりだっていうのに、随分な挨拶してくれる
   じゃないの。
   あなたがツケを払ってくれるの、アタシはずーっと
   待ってたんだから。

虎三郎:参ったなぁ。
    おねえさん、いつまでも昔のことに
    こだわっちゃあ、新しい恋が逃げちまうぜ。

小春:ちょいと。誤魔化さないで。
   今度という今度は、払ってもらいます

虎三郎:ええぃ。しょうがねぇな。
    飲み屋のツケは1年で消滅時効って言うじゃ
    ねぇか。もう彼是10年経ったんだ。
    ケツの穴まで探しても、ツケは残ってねぇよ。

小春:残念でした。
   虎さんが旅に出かけている間に、こっちは裁判所に
   訴えて勝訴判決もらったのよ。
   だからそこで時効は中断。消滅時効は振り出しに
   戻ったの。

虎三郎:おねえさんも、やるねぇ。
    でも、振り出しに戻ったら、またそこから1年
    経てば、消滅時効が完成するんじゃねぇのかい

【問題】
 確定判決により確定し、かつ確定当時に既に弁済期の到来している債権の消滅時効期間は、その債権が本来は短期消滅時効に係る債権であっても、10年である。(H9−28)


【正解】「○」


虎三郎:飲み屋のツケの消滅時効が1年から10年に
    延びるとは、知らなかったねぇ。
    うどんだって、そこまで伸びねえのになぁ。

さくら:裁判所の確定判決によってその存在が確認された
    権利で、かつ確定当時に既に弁済期が到来した
    ものについては、消滅時効期間が一律に10年
    されます(174条の2)。
    裁判という公の権威によって確定された権利に
    ついて、その後も時効完成を阻止するために
    短期間のうちに権利行使すべきことを求めるのは
    適当ではないからです。

小春:虎さんのツケは、確定判決で確定したし、
   その当時、すでに弁済期は到来していたから、
   ツケの消滅時効は10年になってるわね。

虎三郎:でも、おいらがここに帰ってきたのは10年ぶり
    だから、ギリギリ消滅時効が完成してるんじゃ
    ねぇのかい?

さくら:小春さんが裁判所に訴えを提起したことは、
    裁判上の「請求」(147条1号)にあたり、時効中断
    効果が発生します。
    そして、判決確定までその効果が継続しますから、
    10年は、判決確定の時点からカウントすることに
    なります。

小春:判決確定からは、まだ10年経ってませんから、
    まだ時効は完成してないわ。
    虎さん、きっちり払ってもらいますよ。

虎三郎:この虎三郎、流れ、流れて、流されて。
    宵越しの銭を持たずに45年。
    ここで払える金を持つわけがない。
    小春ねえさん。ちょっくら旅に出て稼いで
    くるから、勘弁しておくんなせぇよ。


【条文】
(判決で確定した権利の消滅時効)
第174条の2  確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。
2  前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

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