2013年06月20日

‘13年度 第29回 保証

【物語】

安川花菱バンク:A
健太:B
健太の母:C


【物語】

お人好しの健太も、社会人3年目
後輩もできて張り切っていたが…。

(ル、ルルルルルル…) 

健太:母ちゃん、オレ、オレだよ。
   大変なことになっちゃったんだよ。

健太の母:ふん。こっちはお見通しだよ。
     オレオレ詐欺なんて引っかからないからね。

健太:いや、本当に、健太だって。
   助けてくれよぉ。

母:はは〜ん。今度は、母さん助けて詐欺だ。

健太:だ・か・ら!
   俺が詐欺にひっかかったの
   母ちゃんも、保証人になってるヤツだよ。

母:なんだって 

健太:おれの借金を安川花菱バンクのローン一本に
   まとめたときに、母ちゃんに保証人になって
   もらったじゃん。

母:あれは、お前がまとめた方が返し易いって言うから―

健太:あの安川花菱バンクって、銀行を装ってたけど
   銀行じゃないんだよ。
   安川花菱バンクの「バンク」は、「万事休す」。
   略して「万」「休」の「BANKU」だって

母:。。。。

健太:でさ、俺、今から取引先との打ち合わせなんだよ。
   悪いんだけど、母ちゃんが保証人として、詐欺を
   理由に安川花菱バンクとのローン契約を
   取り消しておいてくれないかなぁ!?


【問題】
 BがAに騙されてAから金銭を借り入れ、CがBの保証人となった場合、CはAの詐欺を理由としてAB間の金銭消費貸借契約を取り消すことができる。(H23−27)


【正解】「×」

健太:えっ?
   保証人は、詐欺を理由に契約を取り消せないの
   ですか!?

さくら:詐欺によって契約をした者は、その契約を
    取り消すことができますが(96条1項)、保証人が
    主たる債務者が騙されたからといって契約を
    取り消せるかというと別になります。

健太:へぇー。

さくら:詐欺を理由に契約を取り消せるのは、
    騙された本人またはその代理人あるいは相続人
    などの承継人です(96条1項、120条2項)。
    しかし、保証人は、騙された本人でも、代理人
    などでもありませんから、詐欺を理由に
    主たる債務者の契約を取り消すことはできません。

健太:でも、もし主たる債務者の俺が契約を取り消したら
   保証人の債務も消滅するだろ。
   それなのに、俺が契約を取り消さないと、保証人の
   債務はそのまま有効というのも変だよね?

さくら:確かに不合理ですよね。
    そこで、条文にはないのですが、保証人は、
    主たる債務者に取消権があることを理由に
    保証債務の履行を拒むことができる
    解されています。

健太:それならいいや。母ちゃんにそう伝えておくわ。

母:いい加減、自分の始末は自分でつけておくれ 


【条文】
詐欺又は強迫)
第96条  詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。

(取消権者)
第120条  行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2  詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。



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