2013年07月28日

‘13年度 第33回 相殺(505条)

【登場人物】

四矢誠司 ベンチャー企業社長  A
万里子  ギャラリーのオーナー(お嬢) B


【物語】

《万里子の日記より》

―平成24年7月20日 晴れ
誠司さんが300万円貸してくれた。
返済は1年後でいいの。
君を応援するのが僕の務めだからって言われちゃった。
万里子、ガンバるわっ。


―平成25年6月30日 くもり
今月も売上げがない。
おかしいわ。
私は全然悪くないのに。。。


―平成25年7月10日 晴天
キャーッ。
誠司さんが、な、なんと400万円の絵をご購入
お支払いは8月1日。これで来月はまとまった
お金が入ってくるわ。
万里子、超うれぴー。


―平成25年7月25日 落雷・竜巻
誠司さんに借金の返済について猶予をお願いした。
そしたら、絵の代金と相殺するって言うじゃない。
8月1日に支払ってくれる約束だったのに、
そんなのあり得な〜い!


【問題】
 AがBに対して平成25年7月20日を弁済期とする300万円の貸金債権を有し、BがAに対して平成25年8月1日を弁済期とする400万円の売掛代金債権を有している。
 民法の規定および判例に照らせば、平成25年7月25日にAはBに対して相殺することができる。(H20−34改)


【正解】「○」

万里子:代金は、借金と相殺されちゃうわけ!?
    代金の支払い期日は来月なのよ。。。

さくら:相殺するには、原則として、双方の債権弁済期
    にあることが必要です(505条1項)。
    でも、相殺しようとする者の債権(自働債権)は
    必ず弁済期が到来していなければなりませんが、
    相殺しようとする者の債務(受働債権)は、
    必ずしも弁済期が到来している必要はありません

万里子:自働とか受働とか、ややこしいんだけど。

さくら:相殺する誠司さんの貸金債権が自働債権で、
    代金債務が受働債権ですね。
    そして、代金債務の債務者である誠司さんが
    その期限の利益を放棄するのは自由ですから
    (136条2項)、誠司さんは、代金債務の弁済期が
    到来する前でも、相殺することができるという
    わけです。

誠司:あのまま貸金の返済を猶予しておいて、
   8月1日まで待って絵画の代金を支払ったら、
   借金は回収できないわ、代金は支払わなければ
   ならないわで、俺だけ損するからね。

万里子:そんな打算があったなんて。。。
    万里子、くやしーっ 

誠司:おいおい、これがフツーだぜ。

万里子:代金残額の100万円は現金で払ってくれなきゃ
    嫌よ。

誠司:打算的なのは、お前だ


【条文】
(期限の利益及びその放棄)
第136条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。


(相殺の要件等)
第505条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。


オンライン講義&SLTソフトによる行政書士講座
gokaku_syu_kouza
 
 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
ベリースの行政書士講座
Recent Comments
訪問者数