2013年08月05日

‘13年度 第34回 契約の成立(521条)

【登場人物】
白ヤギ A
黒ヤギ B

【物語】

 ある日のこと、白ヤギさんから、黒ヤギさんに
お手紙が届いた。

黒ヤギ:うわぁ、手紙だ
    おっとっと、まずは読まなきゃ。
    どれどれ。

『黒ヤギくんへ
 前略
 このたび私、白ヤギは、絵画『草原の輝き』を200万円
で売却することにしました。購入される場合には、
1週間以内にご返答ください。
 白ヤギ』

黒ヤギ:へぇ〜。あの絵、前から欲しかったんだよね。

『白ヤギさんへ
 前略
 お手紙をどうもありがとう。とても美味しかったです。
 私、黒ヤギは『草原の輝き』を200万円で買います。
 黒ヤギ』

黒ヤギは、早速、手紙を伝書鳩に託したが、あいにくの
大雨続き。
手紙は通常より1週間遅れで白ヤギのもとに届いた。

白ヤギ:はは〜ん。大雨で遅れたんだな。
    でも、期限は過ぎたし、売る気も失せたし。
    よーし、この際、放っておこう!
    (ムシャムシャ…)


【問題】
 Aが承諾期間を1週間と定めて自己所有の美術品を代金200万円で売却するとBに申し込んだ場合、Bの承諾通知は、郵便事故で承諾期間経過後にAに到達したが、通常であれば承諾期間内に到達すべき時期に発送されたものであった。Aが延着の通知をBに発しない場合、AB間に契約は成立する。(司H9−27)

【正解】「○」

白ヤギ:え〜っ。
    黒ヤギ君の手紙は承諾期間が過ぎてから
    到着したんだよ!

さくら:承諾期間を定めた申込みは、期間内に承諾の通知
    が到達しないと、効力を失うため(521条2項)、
    契約は成立しません。
    でも、その承諾の通知が、通常ならば期間内
    到達すべき時に発送したと知ることができた
    ときは、申込者は、延着の通知を発しなければ
    なりません(522条1項)。
    承諾者が延着を知らずに履行の準備して損害を
    被ることを防ぐ趣旨です。

黒ヤギ:届くのが大雨で遅れたことぐらい、白ヤギさんは
    わかったはずだよ。
    なのに、延着の通知をしてないよ。

さくら:そうでしたか。
    この延着の通知を怠ったときは、承諾の通知が
    期限内に到達したものとみなされます
    (522条2項)。
    その結果、契約は成立しますね。

白ヤギ:でも、黒ヤギ君が、期限内に到着するように
    通知を発送したなんて、証拠がないから。

黒ヤギ:それを言うなら、白ヤギ君が定めた期限の
    証拠だってないから!

【条文】
第521条 承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。
2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。

(承諾の通知の延着)
第522条 前条第1項の申込みに対する承諾の通知が同項の期間の経過後に到達した場合であっても、通常の場合にはその期間内に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、申込者は、遅滞なく、相手方に対してその延着の通知を発しなければならない。ただし、その到達前に遅延の通知を発したときは、この限りでない。
2 申込者が前項本文の延着の通知を怠ったときは、承諾の通知は、前条第1項の期間内に到達したものとみなす。

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