2013年08月18日

‘13年度 第35回 同時履行の抗弁権(533条)

【登場人物】

四分沢直記  街金
銭無田商会  電気店
サトー工務店


【物語】

四分沢:ちわー。今月分の返済を集金に来ました。

銭無田:いや〜、こんな暑い中、わざわざ来ていただか
    なくてよかったのに。

四分沢:こっちが集金に来ないと支払わないでしょ。
    ほな、今月分の支払いよろしく。

銭無田:この頃、異常に暑いよねぇ。
    なんだか熱中症みたいで。医者からも
    無理するなって言われてるんですよ。

四分沢:だ・か・ら!
    今月分を支払ってくれって

銭無田:・・・あいにく、今、手元になくて。。。
    あっ、でも、月末にはサトー工務店さんから
    工具の代金が入ってくるんで、それまで待って
    もらえると…。

四分沢:はぁ〜
    ウチは慈善事業で金を貸してるんやないで。

銭無田:でも、今、この通り金がないんですわ。

四分沢:もうしゃあないなぁ。こうなったら返済の
    代わりにその代金債権を譲渡してもらいましょか。

こうして四分沢は、銭無田商会のサトー工務店に対する
代金債権を譲り受け、その支払期日にサトー工務店を訪ねた。


四分沢:サトー工務店さん。銭無田商会から代金債権を
    譲り受けた四分沢です。
    代金の支払いをお願いします。

サトー:あぁ、銭無田商会さんから聞いてます。
    でもねぇ。工具の納品がまだですから、
    代金だけ先に支払うわけにはいきませんわなぁ。
    同時履行の抗弁権というヤツですわ。

四分沢:納品の件は、銭無田商会さんとの問題でしょ。
    ウチには関係ありませんよ。

【問題】
 同時履行の抗弁権のある債権が他に譲渡されて債権者と反対債務の債務者とが異なることになった場合には、同時履行の抗弁権は消滅する。(司S41−31)


【正解】「×」

四分沢:えっ!?同時履行の抗弁権が消滅しない。。。
    で、俺は代金を支払ってもらえないわけ

さくら:四分沢さんは代金債権を譲り受けたわけですが、
    売買の目的物である工具の納品がまだという
    ことですから、買主であるサトー工務店さんは、
    納品があるまで、代金の支払いを拒むことが
    できます(533条)。
    これを同時履行の抗弁権といいます。

四分沢:それは、そうかもしれないけど、俺にまでそんな
    ことを言われてもなぁ。。。

さくら:債権譲渡は、契約によって債権をそのまま
    移転するものですから、債権譲渡によって
    もともと債権に付着していた同時履行の抗弁権が
    消滅することにはなりません。
    そして、債権の譲渡人が、債務者に対して
    単に債権譲渡の通知をしたにとどまるときは、
    債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に
    対して主張できた事由を、そのまま譲受人
    対しても主張することができます(468条2項)

サトー:私は銭無田商会から、単に通知を受けただけ
    ですから、譲受人である四分沢さんにも、
    銭無田商会から納品があるまでは、代金を
    支払わないと言えるわけですね。

四分沢:くそ〜っ。こうなったら倍返し

さくら:倍返しも何も、よく調べもせずに、そういう
    債権を譲り受けたのですから、仕方ないですよ。
    半沢直樹のようにはいかない半人前って
    ところですね。。。


【条文】
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条 債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

(同時履行の抗弁)
第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

オンライン講義&SLTソフトによる行政書士講座
gokaku_syu_kouza
 
 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
ベリースの行政書士講座
Recent Comments
訪問者数