2013年11月17日

‘13年度 第38回 売買(575条)

【登場人物】
NIKKO:ヘアメークアーチスト
ハッピー:プードルのブリーダー

【物語】

犬が大好きなNIKKO。
今日はテレビの仕事でブリーダーを訪問。
そこで、1匹のメスのプードルと目があった。

NIKKO:この子の目、ウチの子になりたいって言ってるぅ。

ハッピー:あぁ、それですか。売れ残りなんですよ。
     もう大きくなっちゃって。

NIKKO:売れ残りだろうと、なんでも構わないわ。
   私、この子を買うわ。
   ただ、今、一番忙しい時期なのよ。
   お引渡しは2ヵ月後にしていただけないかしら。

ハッピー:それは構いませんよ。じゃ、代金のお支払いも
     その時ということで。

そして2ヵ月後。
NIKKOは購入したプードルを引き取りにハッピーを訪れた。

NIKKO:きゃ〜、カワイイ、仔犬までいるじゃない。
   ひょっとして、この子の赤ちゃん

ハッピー:ええ、一週間前に、産んだばかりなんですよ。

NIKKO:もう最高
    赤ちゃんも一緒におウチに帰りましょうね。

ハッピー:いえいえ。仔犬は置いておいていただきます。

NIKKO:そんなのおかしいでしょ!
   仔犬も一緒にお渡し

【問題】
 特定物の売買では、引渡しの時までに当該特定物から生じた果実があれば、特約のない限り、売主は、代金の支払を受けていないときでも、これを買主に引き渡さなければならない。(H9−30)


【正解】「×」

ハッピー:やれやれ、仔犬は引き渡さなくていいって
    ことですね。

さくら:はい。

NIKKO:この仔犬は、私が購入したこの子が産んだのよぉ

さくら:仔犬は、物の経済的な目的に従って収取される
    産出物ですから、天然果実にあたります
    (88条1項)。

NIKKO:キターッ、いきなり、くだもの扱い〜!

さくら:いえいえ。民法でいう「カジツ」です。
    引渡し前の売買の目的物から果実が生じたときは、
    その果実の所有権は、売主に属します(575条1項)。
    これは、引渡しまで買主が代金の利息を支払う
    必要がないことに対応するものです。

NIKKO:代金の利息と、この仔犬がどう関係あるのよ。

さくら:「果実−目的物の管理費用=代金の利息」と考えて
    いるんですね。
    NIKKOさんは、まだ代金を支払っていませんから、
    本来、その分の利息を支払うべきだということに
    なります。
    しかし、果実(仔犬の価値)から管理費用を控除
    した分は、ちょうど、代金の利息に相当すると
    考えることができます。
    そこで公平の見地から、引渡し前に生じた果実は、
    売主に帰属させる一方で、買主は代金の利息を
    支払わなくてよいとされました。

ハッピー:ということで、仔犬は置いていっていただき
     ますから。

NIKKO:私に利息を支払わせてぇ〜。
    どんだけでもいいわぁ

ハッピー:買主が代金の利息を払うのは、引渡しの日
     からです(575条2項)!



【条文】
(天然果実及び法定果実)
第88条 物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
2 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。

(果実の帰属及び代金の利息の支払)
第575条 まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。
2 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。

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