2013年12月05日

‘13年度 第40回 請負(635条)

【登場人物】

凡夫閑閑大臣
政務官
大鹿水竹成組

【物語】

2016年、東京オリンピック開催目前。
神宮の森に巨大な新国立競技場が完成したが―。

政務官:大臣、大変です。
新国立競技場の完了検査の結果、地盤の液状化に
耐えられないことが発覚いたしました!

大臣:えーっ!なんだって
   あれを建設したのは、スーパーゼネコン、
   大鹿水竹成組じゃないか。

政務官:ゼネコンの名前を全部混ぜればいいって
    もんじゃないですよ。

大臣:それしか思いつかなかったんだろ。
   おい、それより担当者を早く呼べ!

――――――――――――――――――――

大臣:この期に及んで新国立競技場が液状化に
   耐えられないなんてことは、困るんだよ。
   なんとかならんのかね!

大鹿水竹成組:もうなんとお詫びしてよいのやら。
   私どもも最善を尽くしたのですが、何しろ
   あまりに建物が巨大過ぎまして。。。

大臣:巨大なことは、最初からわかっていたろうに。
   どうしてくれるんだ。

大鹿水竹成組:収容人数を絞って、静かにそうっと
         やっていただくとか。。。

大臣:そんな馬鹿なことできるか!
   ええい、契約は解除だ 

大鹿水竹成組:今になって、契約を解除だと
   言われましても―。


【問題】
 完成した仕事の目的物である建物に瑕疵があって、契約をした目的が達成できない場合には、注文者は契約を解除することができる。(H14−29)

【正解】「×」

大臣:なにぃ、契約を解除できないのか!?
   液状化に耐えられないような建物では
   オリンピックを開催できないんだよ。

政務官:請負契約では、仕事の目的物に瑕疵があり、
    契約をした目的を達することができないときは、
    契約を解除できたはずですが(635条本文)。

さくら:そうなんですが、目的物が建物その他の土地の
    工作物である場合には、契約を解除することが
    できません(635条但書)。
    欠陥があるとはいえ、完成した建物等を除去
    させるのは請負人に酷ですし、また、社会経済上
    の損失も大きいからです。

大臣:使えない建物をそのままにしておく方が、よっぽど
   社会経済上の損失が大きいじゃないか。

さくら:民法がそのように規定していますから、
    どうしようもないんですよ。

大臣:このワシに泣き寝入りしろというのか!

さくら:まあまあ。
    判例は、建物に重大な瑕疵があるため
    建て替えざるを得ない場合には、注文者から
    請負人に対し、建築費用相当額の損害賠償請求
    認めています(最判H14.9.24)。
    実質的に解除が認められたのと、同じ結果には
    なりますから。

政務官:しかし、肝心のオリンピックに間に合わないと
    なりますと…。

大臣:よし、こうしよう。
   液状化の件は特定秘密に指定だ。
   ついでに俺が指定したことも指定だ!

【条文】
第635条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。

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