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前作「St.Anger」から5年ぶり、通算9枚目のオリジナルアルバム。

前作のボーナスDVDでプレイしていたとはいえスタジオ録音のオリジナルとしてはロバート加入後初のアルバム。

まず、驚いたのがそのラフな演奏。
St.Angerもラフでしたが、これを聞いた後に聞くと十分にプロデュースされた作品に聞こえます。

バンドの音的には確かにLOAD・RELOAD、そしてSt.Angerの延長上にあるのですが、曲の構築の仕方や展開などはブラックアルバム以前のMETALLICAに近いので、それがこのアルバムが好意的に受け入れられている理由でしょう。

1曲目「That Was Just Your Life」
この曲のクリーントーンのイントロはもろに80年代を想起させるし、その音使いはENTER SANDMANのスケールと同じ。
そこから続くメインリフと展開はBLACKENEDを彷彿とさせ、サビでは歌メロがしっかりした最近の路線。

2曲目「The End Of The Line」
2006年辺りから披露されていた「Death is Not The End」と呼ばれていた曲を再構築、イントロを残してそのまま作り変えていて、曲的にはCreeping Death辺りを狙ったような雰囲気。

3曲目「Broken, Beat & Scarred」
イントロメロディから変則的なリフへとの切り替わりが印象的なグルーヴィーでありながらも90年代に見られなかったスタイルの曲。

4曲目「The Day That Never Comes」
”METALLICAの4曲目”の肝である、バラード長&へヴィというのにふさわしい楽曲。
「Fade to Black」を意識した仕上がりで、後の展開は「One」にも通じる久々の”途中で速くなるバラード”。
後半の展開はやや強引な印象をうけ、ますが、歌メロ部分は素晴らしい出来。

5曲目「All Nightmare Long」
この曲のためにこのアルバムを買っても良いといえるほどの名曲。
レギュラーチューニングに戻したアルバムの中で唯一1音下げでプレイされている曲で、リフも歌メロも文句なしにカッコいい。
中盤にでてくるリフはこのアルバムで個人的には唯一情緒的な琴線に触れる展開。
1stから前作までを上手く総括した一番”今のメタリカ”たる曲。

6曲目「Cyanide」
ライブでも先行披露されていた曲で、Reload辺りで培ったグルーヴをメタルのフィルターで昇華したような曲。
途中の展開がスーダラ節に聞こえるという日本人ならではの楽しみ方も…

7曲目「The Unforgiven III」
これに関しては、少し期待していたのと違うへヴィーナンバー。過去2作との曲的な繋がりはあまり見えません。
アルバムの中ではこの曲だけが違うカラーを発しています。
ホーンによるイントロが廃され変わりにメタリカとしては珍しく(初?)ピアノによるイントロから始まります。

8曲目「The Judas Kiss」
この曲のメインリフはこのアルバム一番の名リフでしょう。ドラムがあってこそ成り立つリフでかなり痛快でカッコいい。
曲的にはプログレがかっていて若干解りにくいですが、聴けば聴くほど味が出てくる曲。

9曲目「Suicide & Redemption」
To Live Is To Die以来19年ぶりとなるインスト曲。過去のインスト曲にと比べるとどうしても見劣りしてしまうんですが、それは情緒的なメインメロディーが終始現れないのが原因かも。

10曲目「My Apocalypse」
インストからスピードソングというこの展開はもろに”...And Justce For All”を彷彿とさせて、これだけの速さで畳み掛ける曲も前記のアルバムラストの名曲「Dyers Eve」以来。
この痛快なスピードソングで幕を閉じる展開は聞き終わった後にすっきりとした気分にさせてくれる。

全体的に音像もジェイムスのボーカルも、深みが消えてそれが合う曲合わない曲が分かれています。
そして何よりメタリカの攻撃的なリフと対照的な魅力ともいえる情緒的なメロディやツインリードはこのアルバムではほぼ聴く事が出来ません。
これをどう捉えるかである意味新しいMETALLICAを受け入れる事が出来るか否かが決まるような気がします。

本人たちも80年代の自身の作品に影響を受けて改めて作ったということから、確かに昔のような構築された曲作りがされているんですが、当時のようなどこか冷徹な美は感じられず、ルーズでアメリカンな印象を受けます。

一部で絶賛されているこのアルバムですが、それもそのはず、今まで良い意味でも悪い意味でも独走状態だったMETALLICAがファンの求めている音に限りなく近づいたのはもしかしたらこれが始めて?

個人的にも、不満はありつつも聞いていくうちにハマっていく。そんなアルバムです。

LOAD・RELOAD・St.Angerの路線が好きなファンにはあまりお奨めしませんが、BLACK ALBUM以降聞いていないというような方にはお奨めしたい作品です。

※初回版は歌詞カードの棺桶の部分が切り取られていて立体的な仕様。
※ストロングエディションはSHM CD仕様。
※デラックスボックスには全曲のデモCDと製作状況を収録(MISSION METALLICAとは別物)したDVDが付属するとの事。


1. That Was Just Your Life
2. The End Of The Line
3. Broken, Beat & Scarred
4. The Day That Never Comes
5. All Nightmare Long
6. Cyanide
7. The Unforgiven III
8. The Judas Kiss
9. Suicide & Redemption
10. My Apocalypse