装飾古墳今昔紀行 Past and Present Trips to Decorated Ancient Tombs in Japan

装飾古墳の魅力や探訪について 今と昔をつなぎながら掲載して行きます

熊本県和水町 塚坊主古墳の発掘公開時の写真プリントで3D化再挑戦

 以前の投稿で この古墳の装飾発見の経過と、1990年に再発掘再発見された時の写真を紹介しました。
今では保護施設に囲まれて、この時のような状態で観察することは叶いません。
そこで! またしてもnonaka様のご協力により、当時の状態を三次元で復元にチャレンジしました。
 当時35ミリフィルムカメラで撮影した44枚の普通サイズプリントから(スキャナー取り込み)三次元解析して頂きました。結果は下記のとおりです。 
 想像以上のクオリティで当時の状態が見事に三次元復元達成され、とても感動しました。
本当にテクノロジーの進歩(且つ使いこなすnonaka様のスキル)には目を見張るものがあります。
 ただ、右側の復元が今一ですが、これは壁画に捉われた私が装飾が良く残る部分を集中的に撮影したため、この部分が映り込んだ写真が少なく、しかも光線の加減で日陰になっていたからで、解析技術の問題ではありません。nonaka様本当にありがとうございました。

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山鹿市馬塚古墳での3D化初挑戦

 今回の馬塚古墳公開で、多視点から撮影した二十数枚の通常画像を元に三次元化! はまだ未熟なので、友人のnonaka氏に三次元コンテンツを作成していただきました。
 視点が限られているので、あちこち抜けてしまっている箇所が多いですが、平面的な画像とはまた違った現物に近い強い迫力を感じますね。
 私も早く自力で操作できるようにスキルとデジタル環境を整えたいと強く感じました。

山鹿市馬塚古墳 初確認、復元、現在までの経緯と謎

パンフ1パンフ2左右:山鹿市ネット上でダウンロードサービスされていた今回の一般公開用資料、右の石室図面では薄く網掛けされている部分だけが本来の石材で、残りは復元で追補された新石材

 今回はこの古墳が辿った経緯や謎を解説しましょう。

古くから馬の神として祭られていたようですが、早くから削平されて石室が剥き出しの状態が続いていました。
 1953(4?)年(昭和29年)に、また盗掘開始の疑いが報告され、山鹿高校考古学部と原口長之教諭(当時、後の装飾古墳館初代館長)が発掘調査で全貌を明らかにしたのが、顕彰の端緒とされています。

 盗掘は近世から続いたようで、天井石、羨道部は殆ど失われ、特に石室左半分の欠損が著しかったようですが、いくつか遺物は見つかったようです。
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山鹿市馬塚古墳初探訪の思い出

19771975左:1977年当時の状況、玄門部左右の袖石前面に赤青(灰)白の三色で三角文を塗り分ける (引用:装飾古墳白書熊本県における保存の現状 装飾古墳を守る会緑本1978)
右:復元修理直後の状況、修理直後なので文様の状態はまだ良くない (引用:熊本の装飾古墳 熊本日日新聞社 1976)


 随分と停滞していました。昨年末の12月以降のイベントや探訪等、記事にすべきこと沢山残しているのですが、全てすっ飛ばして、今回「初めて一般公開」された馬塚古墳を全力特集したいと思います。
 いつか特集したいと思ったまま10年以上を経過した怠慢の反省を強く込め、持てる資料の全てを投入して全貌に迫りたいと思います。


 まずは初探訪当時の記事です。
ここを初訪問したのは1975(S50)年2月11日のことでした。同日にチブサン、臼塚や鍋田・岩原横穴も訪問していますので、父の車で仲間と一緒に訪問したものと記憶します。

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東京上野科学博物館の「ラスコー展」を参観

IMG_0533IMG_0574上段:レプリカの解説、下段左:黄色い部分が復元
下段右:復元されなかったもっとも著名な「牡牛の間」

 12月上旬に上野の科学博物館に立ち寄り、開催中の企画展「ラスコー壁画展」を見てきました。
 装飾古墳壁画に惹かれる私にとって極めて興味深い観察対象です。

 欧州の洞穴壁画は年代も異なり、関連薄く思われるかもしれませんが、その表現精神において、古墳時代のアジア大IMG_0575IMG_0576陸東縁の仏教系壁画と比べても近しいものを感じている私なのです。

 現在壁画実物は極めて厳重に保存管理されており、研究者でも直に観察することは容易でない状況下、最新の技術を惜しみなく投入して作成されたレプリカのリアリティは、予想を遙かに超越して高品質で、本物と見紛うかのごとくでした。続きを読む

新年の抱負

IMG_8206皆様 2017年になりました。身内に不幸があったためご挨拶に代えて抱負を述べます。

ブログで情報発信を始めてから12年目の年を迎えました。干支も一回りしたことになります。
その間、業務との狭間に苦しみながらも、様々な分野との交流を徐々に深めることが出来て、
成果も着々と積み重ねて出来ていると感じています。

今年は新たな交流をバネに一層の前進を掴みたいと期しています
また、二年越しで未解決の保存事案に何とか区切りを付けたいと感じています。
今年もよろしくお願いします。

鳥取市で新たな飛鳥美人壁画出土! の詳報

woodboard-s_thumbwoodboard-ray-s_thumbboard-picture_thumb 12月15日の鳥取県埋蔵文化財センターの発表によりますと、鳥取市青谷町の青谷横木(あおやよこぎ)遺跡で、6人の貴婦人が描かれた飛鳥時代(7世紀末〜8世紀初め)の板が見つかりました。

 複数の女性がまとまって描かれた群像は、「飛鳥美人」で知られる同時代の高松塚古墳壁画(国宝、奈良県明日香村)に次いで国内で2例目、板に描かれたのは国内初ということです。


詳しい内容は追記に示します。

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クリマスイブは装飾古墳トークイベントに行きます

クリスマストーク明日のクリスマスイブは熊本県装飾古墳館等で企画されたトークイベント

「聖夜に語ろう!装飾古墳 デザイナとキュレータが装飾古墳のデザインを語る」
を聴講に行く予定にしています。

同時に同会場で開催中のパレアアクシア展

「くまもと大発見!装飾古墳とデザイン」
も見てくるつもりです。

聖夜ですし、妻も一緒に連れて行って、市内で宿泊して熊本を満喫して来ようと思っています。
今から立ち寄る名所を探してみます。
気が付くと、震災以降熊本を訪問するのは初めてになります。
震災からの復興状況も確認して来ようと思っています。


皆様は聖夜に何を計画していますか?

私選装飾古墳研究関連参考図書総目録 第壱-2版

IMG13f21f4a.JPG最優先必携本「最新技術でよみがえる九州装飾古墳のすべて」と、最初に一般紙で装飾古墳を紹介した「太陽8号」

 11年前に装飾古墳に関する推薦図書を紹介しました。その後も新しい研究本の発行はあまり多くありません。
また、自分自身のマニア度も進化していく中で、私の収集の軸足は個別の古墳や特定のテーマに関する調査報告書に移っていきました。

ただ、僅かではありますが、注目すべき書籍の発行もありましたし、新たに存在を知った文献もあります。
また、当時は私の好みで取捨選択した「選摘図書集」で、あまりフェアではありませんでした。


そこで、文献を平等に広く文献紹介し、興味を持っていただいた方々の道標とすべく、"参考"図書目録として新補改訂して追記に紹介したいと思います。

黒丸●の付いた文献が新規に追加紹介した文献、白丸○は11年前にも紹介した文献になります。

 希少性は(僅)、(少)、(多)で示しました。購入価格の目安として (安)は3000円以内、(中)は1万円以内、(高)は1万円以上 (超)は3万円以上を目安としてください。たまに掘り出し物もあります

また、全てを保有していますので、研究資料として活用されたいという方はコメント欄か、個人情報が気になる方は私宛(warabitefumio@gmail.com)にメールでご相談ください。 修正更新最終日:2016.12.26

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2016年度鳥栖市装飾古墳一般公開のお知らせ

BlogPaintヒャーガンサン08遠景これが今年最後の一般公開になるかと思います。鳥栖市は毎年12月に市内装飾古墳を公開しています。
教育委員会に問い合わせたところ、今年は下記の日程で実施されるそうです。


12月11日(日)10時〜15時  ※12時〜13時は昼休み
対象 田代太田古墳 ヒャーガンサン古墳


ガラス越しや入り口越しで遠目からの観察になりますので、ぜひ低倍率(3〜6倍)の双眼鏡(百均で構いません)を持参ください。
また、内外気温差のためレンズが曇るのが必至です。事前に懐中でカメラや双眼鏡を温める等の対応や、曇り拭き布の持参等の準備をお勧めします。

直弧文の魅力再確認 と これまでの講義要約 −実例で学ぶやさしい直弧文解説講座12−

48e00164.JPG石人山古墳石棺と 姉崎二子山古墳の石枕側面

「装飾古墳とデザイン まる・さんかく・しかく〜カタチがつたえる古代の想い〜展」で図案化された直弧文デザインを見て、直弧文への情熱が蘇ってきてしまいました。
読者の方はご存じでしょうが、私が最も恋い焦がれる文様が直弧文なのです。


直弧文は装飾古墳ばかりに刻まれるものではなく、他にも被葬者の頭を乗せる石枕や、石枕右横副葬刀剣を飾る装飾器具、器物埴輪や、副葬された実際の武具、貝輪等にも用いられる文様ですが、なんといっても装飾古墳の直弧文が、その大きさと雄大さでは一番でしょう。

これより、随分眠ったままだったこの解説特集を再開してみます。

そもそも私は何故に直弧文にそんなに惹かれたのでしょう。再始動のウオームアップとして、これをまとめてみることにします。

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ナイトミュージアムパーティーの戦利品紹介

IMG_8198前回紹介したナイトミュージアムパーティーで、熊本デザインプロジェクトのグッズ販売コーナーには、つい手が伸びてしまうような魅力的な装飾文様デザイングッズ、インテリア小品が沢山出品されていました。

「まとめて全部買うよ!!!」と 言ってしまいたい心をグッとこらえ、厳選購入したものが示したものです。
特にお気に入りは「井寺古墳直弧文火袋」です。本当に光が瞬くLEDキャンドルが付属しており、暗い中で灯すと、とても幻想的です。

これから ゆっくりじっくり 買い揃えていきたいな!

熊本県装飾古墳館のナイトミュージアムパーティーに行きました

IMG_0018BlogPaint相島から帰港すると高速道を飛ばして、同日夜開催の熊本県装飾古墳館ナイトミュードアムイベントに向かいました。熊本デザインプロジェクトと連携して初めて企画されたイベントです。

これは、安藤忠雄設計のモダンな館建物の階段前広場にて、薄暮から夜に掛けて、コンサートやオープンカフェ、軽食、装飾文様キャラクターグッズ販売等を行うとともに、通常の閉館時間帯に館内を参観できるナイトミュージアムツアーを行うものです。

IMG_8161ナイトツアーだけでは何となく間が持たない感じる点を考慮し、屋外イベントを併設したのは、非常に工夫された憎いアイディアだと感じます。


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筑前相島の積石塚群を満喫してきました

IMG_00012三日月型の相島の地図、港と居住地、連絡船

10月29日は地元の新宮町企画ツアーに参加して、長い間見たいと思っていた筑前相島の積石塚群を満喫してきました。


礫浜を埋め尽くすように築かれた、総数254基を数える国内屈指の積石塚群で、国指DSC_0704定史跡になっています。
島には30年前に訪れたことがあり、積石塚があることは知ってましたが、当時はまだ注目されておらず、スルーしてました。

長い空白を埋めるべく、満を持しての探訪になります。

朝早く起きて眠い目をこすりつつ運転し、新宮港に集合時刻の朝9時に着きました。

IMG_8160
連絡船はカッコ良い最新式の双胴船で、さぞかし快適な船旅と期待していたら、
折からの強風で激しく揺れ、同行した妻などはダウン寸前までなってしまいました。
20分と行程が短かったのが せめてもの幸いでした。

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久留米市下馬場古墳が3年ぶりに公開

IMG_0001IMG_8242本日久留米市草野町のイベント「街角博物館」を訪問した折、三年ぶりに公開された下馬場古墳を見学してきました。
概ね乾いた室内状況で観察条件としてはあまり良いとは言えませんでしたが、文様によっては良く見えるものもあり、前室の靫が良く確認できました。
石室内は文化財研究所が継続的にモニタリングしているそうで、機材が設置してありました。

この古墳は これまで何度も解説してきました。 その一覧は ここ で確認してください。
コメント付け加えました。

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和水町 塚坊主古墳の詳細解説

昔航空図min左:昔の墳丘状態と、京大調査時のモノクロ写真(引用 熊本の装飾古墳 熊日新聞者刊 1976)
右:整備調査で明らかになった墳丘構造の航空写真(引用 国指定史跡 塚坊主古墳 熊本県文化財整備報告1集 熊本県教委 1994)

前回紹介しました塚坊主古墳について総説したいと思います。

この古墳は全長50m強の前方後円墳ですが、早い時期から激しく削平されていました。
1970年代中盤の初探訪時には、クビレ部を中心に後円部と前方部の一部が残丘として三日月状に残る保存の悪い状態で、天井石らしい石材が一部露出しているのが石室を偲ばせる景観でした。

石屋形に三角文を主体とした文様を持つ装飾古墳であるとの戦時中の京大調査の伝聞と、当時のモノクロ写真だけが内部構造をうかがわせる情報でした。

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和水町 塚坊主古墳壁画に初対面した時の思い出

IMG_0004IMG_0012先日は塚坊主古墳が公開されていたようですね。
当古墳は戦時中に京都大学が緊急調査して装飾が確認されて以来埋め戻され、報告書は出されることもなく、したがってその全貌も不明のままに長年経過してきました。

再調査されて美しい装飾が明らかになったのは1990年12月9日のことでした。
緊急公開が2日だけ開催されましたが、インターネットもまだ普及していない当時、私はそのような情報を知る由もありませんでした。

たまたまある週末に、友人連れて弁慶が穴古墳とチブサン古墳に案内しに山鹿市を訪れると、対応してくれた学芸員さんが、

「今日は塚坊主古墳の緊急公開があってますが見ましたか?」
と確認してくれました。 まさに衝撃の瞬間です! 予想だにしない超幸運に体が震えたのをよく覚えています。
好評につき写真追加しました
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弘化谷古墳の公開と装飾古墳ファッション展も開催されます

14731218_1177862192262154_8442527139873162335_n14721640_1178704985511208_7572415410935253791_n古墳公開チラシと、まつりチラシ、ショー開催時のチラシ

毎年二回公開されている福岡県広川町の弘化谷古墳の公開も下記の通り「古墳まつり」のイベントの一環として実施されます。

平成28年11月13日(日)9時〜15時

何時見ても中々壁画をよく確認できないのが玉に瑕ですが、100均ショップの双眼鏡を持って行ってみてください。

香蘭女子大の学生さんたちが制作した装飾古墳ファッションは、博多の石倉酒造百年蔵で6月に開催されたファッショ13524484_1033678216681297_6438127988474756017_nンショーの時のものだと思います。

こちらの方も期待大ですね!!!! 私ショーは用事で行けなかったので、楽しみです。

熊本デザインプロジェクトの活動もそうですが、最近装飾古墳文様に注目していただき、モチーフを素晴らしいデザインとして活用頂く活動に拍車がかかっているのは、装飾古墳の素晴らしさを世に広める啓蒙効果を大きく期待できて、大変ありがたいものです。

私も一般の方が、もっと身近に装飾文様に触れるこのような機会が増えることを切に望んでいます。

久留米市下馬場古墳が久しぶりに公開されます

下馬場前室左下馬場前室右久留米市草野町の装飾古墳、下馬場古墳は石室内に入って見学できる数少ない古墳でした。
しかし、ここ数年は非公開となって残念な状況が続いていました。

この度、草野町のイベント「街角博物館」の開催に合わせて、久しぶりに公開されることになったようです。

寺徳古墳より大型の石室を持ち、石室全面に幾何学文主体ですが、特に斑文を落とした3色(赤、茶、青)で塗り分けた同心円文が極めて珍しいものです。

下馬場復元図また、一部に舟や矢筒等の具象文も見ることができる興味ある文様構成です。
次がいつあるかわかりませんからこの機会は逃すわけにはいきませんね。
期日は11月5日、6日の土日です。時間等の詳しい情報はまだ確認できていません。

広報情報は ここ を参照ください。 また、過去の特集記事はここ (     )を参照ください。
また、草野町は伝統のある街で数多くの立派な古民家(お宝展示も満載)や美しい庭園があり、街角博物館ではこれらが沢山公開されますので、そちらの方も非常に見ごたえのあるお薦めのイベントになっています。

古賀市で馬具を多く出土した船原古墳展が開催されます

poster装飾古墳ではありませんが、近年、福岡県古賀市の船原古墳に伴う土坑から、沢山の重要な馬具や武具が出土しました。特に馬冑は国内で3例目という希少なものです。

これらが評価され船原古墳は異例な速さで国指定史跡に指定されることとなりました。
そしてそれを記念した企画展が古賀市の歴史資料館で11月1日から開催されることになりましたのでお知らせいたします。

詳細はこちらをご覧ください。


並行して11月19日には講演会も企画されているようです。どうぞ足をお運びください。

永安寺東古墳に深刻な震災被害が判明

永安寺過去永安寺現在2左: 被災前の状態 右、左下: 被災後の状態

2016年4月の熊本震災は県内各地の装飾古墳に多大な被害をもたらしましたが、震源地から遠く、私が被害を想定していなかった玉名市の永安寺東古墳も深刻な被害を被っていたことが判明しました。

目立つのは前失右壁の中段、手前から1石目と2石目の円文と舟が描かれていた装飾面が無残にも剝がれてしまっています。また、その下の腰石の一部も三角形に剥がれてしまってるようです。これは極めて痛々しい状態ですね。
永安寺現在
剥がれた石片は保存されているようですので、元の状態に復元してもらいたいところですが、出来るかどうかは微妙な状況のようで、残念なことです。

他にも永安寺西古墳や袈裟尾高塚古墳、御霊塚古墳にも被害が出ているようで、時間がかかっても修復を望むところです。


2016筑後川流域装飾古墳公開 寺徳古墳を5年ぶり訪問

IMG_7996IMG_7989色彩強調モードで撮影した寺徳古墳の石室内

本日は筑後川流域一般公開の日でした。午前中は「うきは市」と久留米市旧田主丸町を巡回してきました。久しぶりの装飾古墳見学です。
訪問したのは寺徳古墳、珍敷塚古墳、原古墳です。特に寺徳古墳は5年ぶりの公開で、入室して観察できることもあり、今年公開の目玉と言えます。
ですから真っ先に駆けつけました。降雨の続く生憎の天候で他に訪問者の無い状況は残念でしたが、おかげで5年ぶりの壁画との再会をじっくりと満喫することができました。
寺徳古墳については何度か(   )紹介しましたが、複室横穴式石室の奥室と前室のほぼ全面に同心円文と三角文を配置して見ごたえがあり、幾何学文中心の典型的な筑後川流域装飾古墳です。
ただ、赤色に続く2色目に近隣には類例の少ない緑色を用いているのが珍しい特徴です。続きを読む

2016年10月 目白押しの装飾古墳関連イベントを一括紹介

14752848511475284928今月は一般公開と並行して、様々な興味あるイベント、企画展が開催されますので、一括して情報提供いたします。
特に熊本県装飾古墳館が凄いことになっています。装飾文様のデザイン分野での幅広い活用は、特に私が望んでいたことですので、嬉しい限りです。
モチーフとして活用してもらうことで、文様の持つ神秘的な魅力が、より強調されて迫力が増したように感じます。とても素晴らしい試みですね。
ナイトミュージアムも、何が出てくるのか本当にワクワクします。
まだまだ色々ありますので 追記を見てください



14752848531475284930
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2016年筑後川流域装飾古墳一般公開確定情報

筑後
以前情報提供していました。筑後川流域の装飾古墳同時公開につきまして、
添付の通りパンフが公開されましたので紹介します。

内容に新情報は無いようです。 今年の秋はイベントが目白押しで、どれを目標とするか悩ましいですが、タイトな中にもスケジュールを調整して、なるべく多くのイベントに参加してほしいと感じます。

近代考古学の始まり、初の現地考古学調査は肥後装飾古墳を対象に実施、その100周年を記念した集中講座1話の紹介

解説書日本館講義資料から1900年パリ万博の日本館展示と配布された美術解説書(井寺古墳装飾の記載あり)

今年度−2016年は、京都帝国大学による最初の現地調査「肥後に於ける装飾ある古墳及横穴」から数えて、100年目にあたる節目の年です。
装飾古墳館では、そのことを記念して、集中講座が企画されました。それは、県・市町村の文化財専門職員が講師を務める、「装飾古墳」を辿るシリーズ全13話です。講演内容についてレポートしていきます。

節目の年に震災で対象の古墳達に大きな被害が出たのは誠に不運な節目でもありましたが、「震災には負けたくない」と言う関係者の決意がヒシヒシと伝わってきました。


第一話は導入として、『「装飾古墳を見つめた人々」を辿って』をテーマに熊本県装飾古墳館 木康弘館長が経緯を紹介される講演でした。

日本近代考古学活動の端緒となった、京都帝国大学に日本で初めて考古学講座が開設され、その第一弾の現地調査が開催されたのが大正5年(1916年)のことです。
その地は肥後の国熊本県、対象は装飾古墳でした。我が国の考古学は装飾古墳の調査から始まったのです。

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宗像沖ノ島 大国宝展を鑑賞

IMG沖ノ島宗像大社神宝館と展覧会のパンフ

沖ノ島関連遺跡群が世界遺産推薦となったことを記念して宗像大社神宝館で企画された「大国宝展」をみてきました。
有名な金の指輪や金銅製金具類も素敵でしたが、今まで何故か目にすることのなかった銅鏡群に、極めて深く感銘を受けました。
計23箇所の祭祀遺跡からは国内屈指の数十枚の銅鏡が発見されていますが、特に17(21枚)、18(4枚)、19号(2枚)遺跡の鏡は大型鏡も多く重要です。
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2016年 秋の装飾古墳一般公開情報

p1ジトク図公開予定の目玉 寺徳古墳の概要

停滞が続いて大変申し訳ありません。
毎年恒例の装飾古墳一般公開の全貌が明らかになりつつありますので、紹介いたします。


福岡県 遠賀川流域の公開は10月15日(土)、16日(日)の二日間 9時半〜16時 詳細はここを参照ください。

福岡県 筑後川流域の公開は10月22日(土)でまだ正式告知されていませんが、下記の古墳が予定されています。

 〇久留米市 浦山古墳 寺徳古墳、〇うきは市 珍敷塚古墳、原古墳、〇朝倉市 狐塚古墳
 〇筑前町 仙道古墳、 〇小郡市 花立山孔観音古墳 〇筑紫野市 五郎山古墳
 久しぶりの公開となる寺徳古墳や原古墳が目玉となりますかね。


・そして、被災した熊本県も公開していただけます。10月30日と 11月27日に分散して異なる古墳が公開される予定です。さすがに被害甚大な中部域は除外されています。詳細はここを参照ください。

様々なご苦労のある中公開に踏み切っていただいた熊本の担当の方々には感謝に堪えません。

震災を経過して考えると、いつ見学が出来なくなるか 本当に先のことはわかりません。
一期一会の気持ちでぜひご訪問ください。

装飾古墳に関する集中講座の案内

今年は国内装飾古墳研究の端緒となった京都帝国大学による「肥後に於ける装飾ある古墳及横穴」の調査
から数えて、100年目にあたる節目の年だそうです。

熊本県装飾古墳館では、そのことを記念して、古墳館集中講座を開催するそうです。
県・市町村の文化財専門職員が講師を務める、「装飾古墳」を辿るシリーズ全13話。

熊本県内各装飾古墳の現在に至る歴史に触れることができる素晴らしい講座だと思いますので推薦紹介します。  被災した古墳に関しては特に貴重な話になると思います。
初回は明日からになっています。

詳細は ここを参照ください。  聴講無料です。

熊本地震に伴う装飾古墳被害概要が告知されました

20160708002_DAT_20160708062418002熊本地震以降、次第に漏れ伝わる彼の地の装飾古墳達の被害を聞く度に心が沈み込んで記事を更新する気持ちも失せていました。

この度これら被害概要が集約されて告知されましたのを切っ掛けに
辛いことですが、その概要を報告し、目を背けずに現実を直視したいと思います。


極めて重要な多数の装飾古墳に甚大な被害が生じていることが判明しました。
熊本の古墳の多くは硬度の低い凝灰岩で構築されていたことも仇になったと感じます。

あらかじめ予想していたことではありましたが、落胆を抑えることができない惨状です。


起きてしまったことは変えようがありません。復活の道を探るべきですが拙速な対応は避けるべきと感じます。

この上はハイテクを駆使した修理復元が長期計画的に実施され、古墳石室が昔日の雄姿を取り戻すだけでなく、文化財の保存と活用が効率的に実現できるような理想的復元措置が取られますように祈るばかりです。


20160708002_DAT_20160708062418001proxy左 入り口が塞がった釜尾古墳
右 墳丘に亀裂が入り、入口石材が倒壊しかけた井寺古墳

告知記事はこちら

熊本では今日も強めの余震が続いています。皆様も気になるでしょうが、石室内への入室や横穴崖面への登攀は危険ですので、今しばらく控えるのがよかろうと判断します。

国土の安定性が失われた今、古墳探訪も一期一会の覚悟で臨むべき時代になりました

全文様配置図Φ子どもの頃、小松左京の書いた「日本沈没」と言う小説が流行りました。
激化した地殻変動で国土が次々に海面下に失われ、最後には消滅すると言うストーリーに戦慄を覚えたのを今良く思い出します。
それは、お伽話では無かったことを思い知っています。


3.11以来、国土の安定性が失われおかしくなっています。
それを予見する 番組 NHKスペシャル
「巨大災害、日本に迫る脅威▽見えてきた新たなリスク」が 放映されたのが4/3のことでした。
それから半月余りで予見通りの厄災が現実となってしまいました。


新年度を迎え、装飾古墳の研究探訪に復帰しようと発起して数日で大変な事になってしまい、何もできませんでした。
発起感は「古墳達からの虫の知らせ」だったのかもしれません。
しかし全く間に合いませんでした。

私は 自然から許された極めて貴重な「残された半年の猶予」を浪費し、無為に過ごしてしまいました。
この間に完遂出来たはずの多くの作業は 手の届かないものとなってしまいました。
悔やんでも悔やみきれません。


探訪は「危険な行動」と周囲から見なされる状況となり、
これまで通りの「家族の暖かな同意」を得るのは困難だろうし、
極めようとすれば、家庭内の波風を受け入れる必要があるでしょう。

それは敢えて覚悟の上でして、これから活動していくつもりです。


千年を超えて存在し続けたものに対し、人間は経常感を覚えてしまいます。
複数の古墳の 急な崩壊や剥落を経験し、放射能に連れ去られた古墳もあり、 
その経常感が どれだけ脆いものであるかを思い知った筈でしたが、
私は 日常雑事に流されてしまいました。


少なくない 古墳達とは 再会が叶わない状況 に至ったと推察されます。
悲しいけれど、それはたぶん現実でしょう。

ここに至り 古墳との対面は「一期一会」、「次は無い」覚悟で万全を期して臨むべきことを
心に深く刻み込む必要が ありましょう。

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