心臓外科患者さんのためのワーファリン情報サイト

ワーファリンはいのちを守る大切なお薬です。心臓外科患者さんの場合は特にそれにあった注意が必要です。このサイトはそれに必要な情報を提供します。    心臓血管外科医・米田正始

食品のビタミンK含有量は?

ワーファリンを服用中の患者さんにとって、ワーファリンを中和し効かなくしてしまうビタミンKは要注意物質です。
どの食べ物の中にビタミンKが多いかをある程度知って頂くことは大変役立ちます。

以下に挙げる食品リストはその意味でお役にたつと思います。
なお納豆を別にして、これらを食べてはいけないという意味ではなく、食べ方にご注意いただければと思います。
つまりこれらをいきなり多量に食べると、ワーファリンの効き具合が変動し、ワーファリンのコントロールが乱れて、出血や血栓の危険が増えます。


食品の中のビタミンK含有量が多いものリスト
    食品100g当たりのビタミンKの含有量 単位:μg

(水分が40%以上の食品で)
  ひきわり納豆 930
  パセリ     850
  しそ     690
  モロヘイヤ     640
  納豆     600
  あしたば(生) 500
  しゅんぎく(ゆで) 460
  バジル     440

  かぶ(葉)     370
  おかひじき     360
  つるむらさき 350
  だいこん(葉) 340
  よもぎ     340
  こまつな(ゆで) 320
  ほうれん草(ゆで) 320
  昆布のつくだ煮 310

  つまみ菜(生) 270
  ほうれん草(生) 270
  からし菜漬け 270
  かぶのぬか漬(葉) 260
  しゅんぎく(生) 250
  なの花     250
  糸みつば     250
  たかな漬     220

  ケール     210
  かいわれだいこん 200
  クレソン     190
  しその実     190
  にら(生)     180
  わけぎ     170
  サニーレタス 160
  せり(ゆで)     160

(水分40%未満のもので)
  抹茶(粉)     2900
  カットわかめ(乾) 1600
  せん茶の茶葉 1400
  わかめ(素干し) 660
  味付けのり     650
  焼きのり     390
  ひじき(干し) 320
  サラダ油     170

このサイトにつきまして

心臓外科患者さんのためのワーファリン情報サイトのご説明をします

ワーファリンはいのちを守る大切なお薬ですが、それについて勉強する機会は必ずしも多くありません。心臓外科患者さんの場合は機械弁(金属でできた人工弁)や心臓内の血栓予防あるいは血管の保護などにワーファリンは重要な役割を果たしています。野球の長嶋さんやサッカーのオシムさんで話題になった心房細動のときにもワーファリンを使っておけば脳こうそくなどはかなり防げます。

しかしワーファリンは切れ味が鋭い、良く効くくすりですので、使い方を間違うと危険なことがあります。

そこでそれにあった注意が必要です。このサイトはそれに必要な情報を提供します。

いくつかのテーマにわけてお話します

ワーファリンってどういう薬?
ワーファリンの上手な使い手になりましょう
ワーファリンのいろんな豆知識
ワーファリンの未来
その他
リンク


という構成です。これらを読めばおのずとワーファリンの特徴や正しい安全な飲み方が判るようになっています。

ワーファリンは正しく使えば副作用も少なく、患者さんにとって大きなメリットがあります。ぜひワーファリン使用の達人になって下さい。また心臓手術を将来考えている方にも参考になると思います。
心臓病や心臓血管外科の情報は、姉妹サイトである心臓血管外科情報WEBをご覧下さい。

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Q: 弁形成術のあと1−3か月でワーファリンが不要になるのはなぜ?

弁置換術(機械弁を使ったとき)のあとはワーファリンを一生飲んで戴く必要があります。しかし弁形成術のあとはワーファリンは基本的に不要です。ただし弁形成術のあとでもしばらくの間は、ワーファリンを飲んで頂きます。これは僧帽弁でも大動脈弁でも同様です。

これは弁形成術にもちいたリング(弁の根っこの部分を最良の形とサイズで安定化させるためです)や糸(弁の悪い部分を縫うための糸です)などが患者さんの体になじむまで、少し時間がかかるからです。これまでは3カ月程度の間、ワーファリンを飲んで頂きましたが、最近は次第に経験の蓄積で1カ月程度でも十分であることが判ったため、私たちの病院では1カ月にしています。

およそ1カ月もたてば、リングや糸に患者さんご自身の細胞が生えてきて、表面が滑らかになり血栓もできにくくなります。

もちろん心房細動の不整脈がある患者さんの場合は、いくら弁形成術のあとでも、心房細動そのものにワーファリンが必要なため手術のあとも続けて服用して戴くことになります。そのため私たちは積極的にメイズ手術や強化メイズ手術たとえば心房縮小メイズ手術を行って除細動に努めています。20年ものの心房細動や巨大左房でも除細動できることが多いので患者さんに喜ばれ、私たちもやりがいがあります。

私たちの病院へ初めて患者さんをご紹介下さった先生方も、手術のあと、実際に心房細動が治った患者さんを診て、驚かれます。

そういうことで、弁形成術後は1カ月のみワーファリンが必要、それ以後は不要という形になるようにさらに努力を続けています。aki_0333

機械弁でもワーファリンが不要に??

06bf8c81.jpg人工弁には金属でできた機械弁と、ブタやウシの生体材料から造られた生体弁があります。それぞれ特徴があり、またそれぞれ年々進化しています。現時点では患者さんの状態や年齢、ライフスタイルその他、患者さんの全人的な要素を勘案して相談しながら選択するのが正しい方法です。

これまでは機械弁にはワーファリンが一生涯必要というのは一つの常識だったのですが、エンジニアリングの進歩でこれからワーファリン不要の機械弁が使える可能性が出て来ました。

それはOn-X弁という機械弁で(写真)、エンジニアリングの進歩で弁の中を流れる血液の速度を上げ、よどみが生じにくいデザインにより血栓が従来の機械弁よりもできにくくなったと言われています。ヨーロッパなどではすでに10年以上の経験蓄積があります。その経験のなかで、国によってはワーファリンを使わずに経過を見ている病院もあり、研究検討もされつつあります。最近のヨーロッパの検討結果では、まだワーファリンなしで安心というだけのデータは不足しており、それを受けて日本では現時点ではOn‐X弁でもワーファリンを使うことが厚労省からも推奨されています。

しかし今後、ワーファリンを止めるとまではいかずとも、従来の半分とか3分の1などへ減量できれば、脳出血などのワーファリン合併症がさらに減り、患者さんにとってのメリットは大きくなるでしょう。材質の改良がさらに加われば一層期待できるようになるでしょう。

生体弁の近年の進歩(つまりより長持ちするようになり、一部はカテーテルで入れるタイプであるTAVIまで出てきています)は患者さんにとって朗報ですが、機械弁も進化しているわけです。

三尖弁にはどうして人工弁が不利なんですか?

三尖弁は他の弁の病気とくに僧帽弁膜症に続発する形で閉鎖不全(逆流)を起こします。通常は弁形成とくに弁輪(弁の付け根の部分)形成で逆流は解決しますが、弁の破壊が高度なケースでは時に弁置換(人工弁に取りかえる)が必要になることがあります。

三尖弁はもともと血流がスローな部位で、人工弁が機械弁(金属でできた弁)のときには血栓ができやすく、そうなると血栓弁として弁がうまく開閉しないという危険な状態になります。それを防ぐため、僧帽弁での機械弁よりもワーファリンを強めにコントロールする必要が出てきます。そのための出血傾向を嫌ってワーファリンのコントロールを手控えると血栓弁の危険性が増えます。

いずれにせよ、三尖弁に機械弁を入れる場合の長期予後は必ずしも良くありません。

生体弁を入れる場合でも、その耐久性は僧帽弁に生体弁を入れた場合より悪いという報告が多くあります。

つまり三尖弁への人工弁は機械弁・生体弁のいずれの場合でも、あまり長期予後が良いとは言えない懸念があります。
そこでさまざまな工夫をこらして、三尖弁を徹底修復する努力をするわけです。(心臓血管外科情報WEBの弁膜症の中の三尖弁関係のページをご参照ください)
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