弁置換術(機械弁を使ったとき)のあとはワーファリンを一生飲んで戴く必要があります。しかし弁形成術のあとはワーファリンは基本的に不要です。ただし弁形成術のあとでもしばらくの間は、ワーファリンを飲んで頂きます。これは僧帽弁でも大動脈弁でも同様です。

これは弁形成術にもちいたリング(弁の根っこの部分を最良の形とサイズで安定化させるためです)や糸(弁の悪い部分を縫うための糸です)などが患者さんの体になじむまで、少し時間がかかるからです。これまでは3カ月程度の間、ワーファリンを飲んで頂きましたが、最近は次第に経験の蓄積で1カ月程度でも十分であることが判ったため、私たちの病院では1カ月にしています。

およそ1カ月もたてば、リングや糸に患者さんご自身の細胞が生えてきて、表面が滑らかになり血栓もできにくくなります。

もちろん心房細動の不整脈がある患者さんの場合は、いくら弁形成術のあとでも、心房細動そのものにワーファリンが必要なため手術のあとも続けて服用して戴くことになります。そのため私たちは積極的にメイズ手術や強化メイズ手術たとえば心房縮小メイズ手術を行って除細動に努めています。20年ものの心房細動や巨大左房でも除細動できることが多いので患者さんに喜ばれ、私たちもやりがいがあります。

私たちの病院へ初めて患者さんをご紹介下さった先生方も、手術のあと、実際に心房細動が治った患者さんを診て、驚かれます。

そういうことで、弁形成術後は1カ月のみワーファリンが必要、それ以後は不要という形になるようにさらに努力を続けています。aki_0333