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1: 世界@名無史さん 04/10/18 23:22:26
書物、装丁、印刷の歴史を語ってください。
個人的にはフランスの装丁は卓越していると思います。








3: 世界@名無史さん 04/10/18 23:24:41
フランスといえばルリュールだね。
近年では廃れたとは言え、今でも装丁を注文するお大尽がいるそうだが。

8: 世界@名無史さん 04/10/19 10:10:39
マーブル紙を使った装丁はいいよね

9: 世界@名無史さん 04/10/19 13:09:00
挿絵入りの本が欲しい

10: 世界@名無史さん 04/10/19 18:40:06
グランヴィルの挿絵が入った本がいいんだけど手が出ない。
コレクションしてみたい。

800px-Grandville_Cent_Proverbes_page97


11: 世界@名無史さん 04/10/19 20:03:22
むしろアレキサンドリア図書館に入りたい。
もう出て来れなくてもいいから。

12: 世界@名無史さん 04/10/19 20:14:26
焼けるぞw

あの時代の巻子本ってめちゃくちゃ読みにくそうだよな

13: 世界@名無史さん 04/10/19 20:23:55
それってパピルスで出来ているの?石版?

14: 世界@名無史さん 04/10/19 20:29:38
パピルスだけどごわごわしてるからすぐ癖がついてクルクルになっちゃうし
巻いてるうちに表面が擦りきれて字が読めなくなるのもしばしば
加えて単語ごとの区切りが存在しない一括表記だからあれを読むには相当の訓練が必要だろう

てゆーかそもそも巻子本が石版で出来てたら脅威的だがw
古典古代のパピルス写本は全部巻物みたいなやつだよ

15: 世界@名無史さん 04/10/19 20:30:48
写本の時代は大変だった。 挿絵とかも全部手書きか・・。
修道院の重要な収入の一つだったのだろう。

16: 世界@名無史さん 04/10/19 20:36:22
だからこそ味がある

20: 世界@名無史さん 04/10/20 02:57:59
ウルビーノ公のフェデリーコ3世は印刷本は安っぽいと言って手写本しか図書室に入れなかったそうだ。

19: 世界@名無史さん 04/10/20 02:31:26
中国製の本ってどうしてあんなに装丁が安っぽいの?

22: 世界@名無史さん 04/10/20 06:30:58
中華書局の本は装丁はひどい、紙はごわごわの黄ばん紙、印刷はかすれ気味、すぐに風邪引く。
しかし安いから研究者にとってはありがたい。
二十四史は1冊平均700円。

23: 世界@名無史さん 04/10/20 08:43:28
それじゃ何年ももたないね。
俺も日本の明治期の西洋式製本ボール表紙本を何冊か持っているが、紙が酸化して、触ってもいないのにボロボロ。同時期或いはそれ以前(19世紀)のフランスやイギリスの本などは、全く劣化しておらず、また綴じの緩みさえも皆無。
紙質、装丁方法、製本方法からして違う。まだ和紙ならば、千年単位で持つのだが。

55: 世界@名無史さん 04/10/20 18:01:04
>>23
前に図書館で19世紀末の論理学書(イギリスで出版されたもの)のコピーをとろうと思ったら、まだページが切られてなかったので切りながらコピーしたことがある。
そのときも、本自体はほとんど傷んでおらず、とても堅牢なつくりになってて感心したよ。

当時は今よりも本自体が貴重品だったろうから、一冊一冊がきちんと作られてたんだろうね。

57: 世界@名無史さん 04/10/20 18:25:30
>>55
使っている紙自体が別物だと思う。
チャップブック(裁縫道具を売り歩く商人などが民衆に売り歩いた、廉価であるが粗悪な読み物(売り歩く商人=現代ではセールスマン?に該当)は使っている紙も粗悪であったが、論理学書などという、一般向けでは無い書籍(いわば専門書など)は、それなりの紙質を持ったものが使われており、現在でも当たり前にかなりの数が現存している。
いわば、住み分けだと思う。
今でも読む捨ての週刊誌、新聞、漫画本などは、粗悪な紙が使われ、ある程度値段が張る本は通常は紙質が良いものが使われている。それと同じなわけだ。
紙以前は綿などを材料にして、紙を作ったし、それ以前は羊皮紙の時代となる。

今よりは貴重だが、もう既に19世紀末特にイギリスでは、本は大量生産化された代表的なものであるし、装丁自体もフランスよりは質実剛健で、凝った作りではなく、また技術的にもフランスよりは高くない。
イギリスの愛書家の中には、自分の本を装丁してもらうために、フランスまで本を送ったということも稀では無かったようである。

24: 世界@名無史さん 04/10/20 09:31:48
>同時期或いはそれ以前(19世紀)のフランスやイギリスの本などは、全く劣化しておらず、また綴じの緩みさえも皆無。

豪華本と普通の本を比べるのもどうなんかねぇ。

26: アクィラ ◆0fUIPC892c 04/10/20 16:03:37
>>23-24
当方、10年ほど前、50年代フランスの、酸性紙らしきもので創られた本に出会った記憶アリ。他大学に死蔵されていたのをコピーするために、ペーパーナイフで切り刻んだ時の、頼りない感じが忘れられません。
あれも国家財産だったのに...

31: 世界@名無史さん 04/10/20 16:36:45
>>26
戦後の物資が不足していた時代であった為、粗悪な紙が使われていたのではないかと思う。日本しかり、アメリカしかり。

27: 世界@名無史さん 04/10/20 16:26:32
酸性紙の変遷
ヨーロッパで工業化に伴う紙の大量生産技術が開発され、木材パルプと硫酸アルミニウムが使われるようになったのは、1850年代以降のことです。
日本にヨーロッパの技師を招いて最初の洋紙が生産されたのは1874(明治7)年と言われていますので、日本で作られ使用されていた洋紙は、まず酸性紙であると疑う必要があります。また、太平洋戦争中・直後に製造された紙は、粗悪な材料が使われており、
劣化の進行が特に激しくなっています。
酸性紙問題が浮上してきた1980年代後半以降、書籍の本文用紙などには中性紙が積極的に使われるようになりました。

28: 世界@名無史さん 04/10/20 16:27:29
酸性紙と中性紙の違い
一般に使われている紙は、製造工程中にインクのにじみ止め(サイズ剤)が加えられています。サイズ剤として広く使われてきたのは松やに(ロジン)であり、それを紙に定着させるために硫酸アルミニウム(硫酸バンド)が使用されてきました。硫酸アルミニウムは水分と反応して酸を生じ、紙を酸性にします。これが紙の繊維であるセルロースを傷め、繊維のつながりが断たれた紙はボロボロに崩れてしまうのです。

29: 世界@名無史さん 04/10/20 16:30:58
明治の初め、日本の近代化を図るために西洋の知識や技術が日本に輸入され、紙の製法や印刷技術も西欧化されました。これにともない、日本古来から使っていた和紙にはない酸による紙の劣化という問題をかかえることになったのです。
近年の研究成果によりますと、酸性紙によって作られている印刷資料の寿命は、約100年間しかないと言われております。
わが国に西洋の抄紙法が採りいれられたのが目地の初期であり、酸性紙の主な原因といわれる木材パルプの生産が始められたのが明治の中期であります。したがって、わが国において、問題の酸性紙を用いて出版が行われ始めてから、約100年を経過しようとしております。
このことは、明治中期から印刷され始めた洋紙による図書・雑誌関連資料が、現在紙の劣化によって崩壊期にさしかかっていることを意味しています。

30: 世界@名無史さん 04/10/20 16:34:34
紙の酸性と中性
19世紀後半以降20世紀に作られた本は百年もたたないでボロボロになるのではないかと心配されています。早くから「図書館の本がだめになる」と指摘されていたが、70年代にアメリカで現実の問題になり、傷んで貸し出し不能の図書が増えています。

印刷用紙にはインキの滲み止めの目的でサイズ剤が使われています。多くは松ヤニ(ロジン)をアルカリで処理し、水溶性にしたものです。このサイズ剤をパルプにくっつけるのに一番良いものが硫酸アルミニウム (硫酸バンドとも呼ばれる)です。硫酸アルミニウムは水に溶けると加水分解して酸性を示します。ですから通常は酸性で紙をすいています。
また、すき上げた紙には硫酸イオンが残り紙を酸性にします。
この硫酸イオンは時が経つと繊維を傷め紙をボロボロにします。硫酸アルミニウムを使わないで中性からアルカリ性でパルプにくっついてインキの滲み止め効果を示す中性サイズ剤が開発され、この中性サイズ剤を使用してすいた紙が中性紙です。

日本では現在、上質紙の10パーセント以上が中性紙となっています。
コート紙の原紙も中性紙の使用が多くなってきました。ヨーロッパ諸国では上質紙の40~50パーセントが、アメリカでは20パーセント位が中性紙です。

中性紙か酸性紙かを見分けるには、食酢に紙の小片を入れて割箸などで沈めると、中性紙はごく小さな泡がポツリ、ポツリと発生する。
また、紙を燃やして黒い炭化物ができるのは酸性紙で、白い灰になるのは中性紙です。酸性紙は硫酸イオンがあるので繊維が炭化します。

35: 世界@名無史さん 04/10/20 17:08:06
羊皮紙とかパピルスとか粘土板とか木簡とか

昔のメディアのほうが萌えるのは何故だろう

36: アクィラ ◆0fUIPC892c 04/10/20 17:10:53
>>35
コピーが簡単にできないから、貴重に思えるのでは、と言ってみるテスト。

39: 世界@名無史さん 04/10/20 17:13:12
>>35

本というより部質というかオブジェに近いからじゃないかな。

43: 世界@名無史さん 04/10/20 17:24:36
parchment(羊皮紙)の語源はギリシャ語の「ペルガモンの皮」だったことをふと思い出した

46: 世界@名無史さん 04/10/20 17:38:27
ペルガモン?何かの生き物の皮か?

50: アクィラ ◆0fUIPC892c 04/10/20 17:45:12
>>46
ペルガモン王国は、小アジアにあったヘレニズム諸国の一つです。
割と小さい方ですが、最後の王、アッタロス3世が、ローマに王国を遺贈したことが知られています。

それを元手に、グラックス兄弟(のどちらかは失念)が、植民をしようとした筈。

52: 世界@名無史さん 04/10/20 17:50:59
ベルガモンで、羊皮紙が発明されたんでしょ。
英語で羊皮紙はパーチメントだが、語源はやはりベルガモン

58: 世界@名無史さん 04/10/20 18:28:08
ところでオマイら何故西洋の書籍はページが閉じた状態で売られていて購入後にペーパーナイフで切らなきゃならないか知ってるか?
あれも元は羊皮紙の影響

60: 世界@名無史さん 04/10/20 18:30:09
あれも元は羊皮紙の影響

これは初めて聞いたぞ

63: 世界@名無史さん 04/10/20 18:40:06
>>60
そもそも羊皮紙はパピルスの輸出をエジプトが禁止したために代替物としてペルガモン王国が発明したのがきっかけだったわけだが、その版型ってのが皮一枚を何回折るか、が基準だったの。

ヒツジやら牛やらの皮を剥いで長方形に切り落とし、それを一回折りたためばフォリオ(二つ折り)、もう一度折りたためばクアルト(四つ折り)ってな感じで版型が小さくなるにしたがって一枚から取れる頁数も多くなるわけだ。

で、何度か折りたたんだそれをそのまま綴じると頁の一部が前後と繋がったままになる。
これを購入者が切り離して使うのが一般的になり、その製法と慣習が紙が使われるようになった近現代においても残っている、ということです。

62: 世界@名無史さん 04/10/20 18:38:01
羊皮紙がそんなに簡単に切れるとは思わないが。
フランス装てのは、読んだ後で製本業者に渡して好きなように装丁して貰うためのもんじゃない?

64: 世界@名無史さん 04/10/20 18:42:54
>>62
書籍が巻子本から冊子本へ移行したのが2世紀~4世紀のローマ帝国末期なんだが、この時代にはペーパーナイフが存在せず、普通にナイフで切り離してたらしい。

68: 世界@名無史さん 04/10/20 19:14:08
>>62

あげあしとりではないので、あしからず。
製本業者=印刷屋なので、正確に書けば、装丁家(屋)になるかと思う。
ちなみに、日本では西洋式の本が出てきた頃から、既に版元製本なので、装丁が未発達しなかったまま、現在に至る。現在、日本で装丁家に装丁を頼むと最低で10万ほどはかかる。多分、一番金がかかる趣味じゃないかな。
装丁を頼むほどの蔵書家ならば、蔵書数も1冊や2冊ではすまないだろうし、それが何十冊、或いは何百冊になると、相当お大尽でもないと無理。車コレクター&宝石コレクター位の余裕が無いと無理な趣味だと思う。

日本で装丁と言えば、紙質、表紙の材質(革・マーブル等)などが評価されず、表紙の写真やデザインに固執した評価なので不満。日本では、装丁家は食べていけず、大抵はフランスなどに行ってしまうことが多いと聞く。

69: 世界@名無史さん 04/10/20 19:21:10
日本の装丁では、限定本、豪華本以外に、「ハーフ装」(1/2装・背が革)とか、「クォーター装」(3/4装・背と縁の上下を革装)とか無いよね。

72: 世界@名無史さん 04/10/21 12:09:08
中身がよけりゃどうでもいいよ。大量に本が出回ってる現在大げさな装丁なんて意味ないし。
あ。紙は中性紙でお願い

86: 世界@名無史さん 04/10/22 02:08:47
昔、本というのは、民衆にとっては高価なものだったの?
今で言えば、どのくらいの価値なのか?

87: 世界@名無史さん 04/10/22 02:30:00
>>86
紙の発明以前は竹簡・木簡だったので死ぬほどかさばる。
さらに、活字が発明されるまで書物は全て手書き。
ついでに、識字率が上がらないことには読むことすら不能という人多数。

結論・金銭的価値に換算するのは非常に困難。

88: 世界@名無史さん 04/10/22 03:56:57
>>86
史記は清書して、竹簡130巻だっだそうだが、頭が痛くなるより先に下手な読みかたしたら、圧死しそう。庶民が本を読み出したのは、いつかわからない。
だって、識字率無茶苦茶低いんで。漢字1文字が単語に直すと1単語。単語3000知ってれば何とか読めるが3000字はちょっときつい。
文革のときは「毛沢東語録」みんな持ってたけど、読めたかどうかは不明。

90: 世界@名無史さん 04/10/22 06:40:08
>>87>>88 
帛書というのもあるんだけど。
The_Yellow_Emperor's_four_canons

帛書

帛書(はくしょ)は、古代中国などで製作された帛と呼ばれた絹布に書かれた書。

紙発明以前の古代中国で文字筆記媒体として発明された。主に発掘されているものでは春秋戦国時代から漢代までのものが出土しており、中国研究者の馬衡は著書『中国書籍制度変遷之研究』にて「絹帛は、前五~四世紀から五~六世紀頃まで。竹簡・木簡は、上古から三~四世紀頃まで。紙は、前二世紀から現代まで。」と推定使用年代を述べている。


96: 世界@名無史さん 04/10/22 23:42:35
>>88
竹簡の数え方は篇、帛・紙の書の数え方は巻というらしい。

89: 世界@名無史さん 04/10/22 04:37:53
結論・金銭的価値に換算するのは非常に困難・・・_| ̄|○

91: アクィラ ◆0fUIPC892c 04/10/22 06:47:38
中世ヨーロッパでも高価だったから、書架に鎖で繋がれたりしてたのでしょ。
映画でみたイメージだから、史実と多少違うのかもしれないけど。

92: 世界@名無史さん 04/10/22 08:51:15
中世の大学では稀少本や価値のあるとされた書籍は鎖で書棚につながれ禁帯出
それ以外の書籍は担保として学生の所蔵する書籍か一定量の金と引き換えに貸出を認めていた

94: 世界@名無史さん 04/10/22 20:21:06
近代~現代~20世紀初頭の本の価格はどうなのか?
民衆には必要なかったのか?
謎だらけだ。

98: 世界@名無史さん 04/10/23 19:49:52
昭和初期に、1冊1円で売り出された文学全集を円本といいました。
画期的な廉価版でつくりもまずまずだったようです。
最も売れたのは改造社の『現代日本文学全集』で26万人の予約購読者を獲得。
大卒の初任給が40円くらいで100円になるとまあまあ。200円以上は管理職。
よく稼ぐ職人で60円とか80円とかの時代です。

99: Krt 04/10/23 21:46:11
本の値段というのも難しいテーマだが、近代ヨーロッパの民衆の読む本だと、十八世紀前半から十九世紀初頭のイギリスで庶民相手に本屋や行商人によって売られていたチャップブックといわれる、大体、16ページから24ページで、15cm×10cm以下の安本(内容は物語、地理歴史書、教訓書、実用書等様々)が、1ペニーから6ペンス(内容と厚さ、そして時代によって異なる)ぐらいだった。
ちなみに十八世紀半ば頃の労働者の年収は25ポンドぐらい、パンの値段が十八世紀前半だと100gにつき4~5ペンス、後半だと6~7ペンス、ジャガイモ10kgが4~5ペンス、卵が3~4で個1ペニー、肉400gが2ペンス半の時代である。

こういうチャップブックではない普通の本だと、十八世紀半ばの典型的な小説本のフォーマットである十二折版300ページのものが2~3シリング(1シリング=12ペンス) ミルトンのポケット版詩集(革装)が2シリング、ジョンソン博士の二巻本英語辞書が4ポンド10シリング(1ポンド=20シリング)、あの長いことで知られるリチャードソンの小説「クラリッサ」が全七巻で21シリングだったそうである。

(参:チャップ・ブック:小林章夫:駸々堂:1988:4-397-50255-2)

102: 世界@名無史さん 04/10/23 22:35:05
昔の写本は現在の感覚で5000万円ぐらいする代物だったらしい。
鎖を付けて持ち出せないようにした。
全部手作りだもんね。

103: 世界@名無史さん 04/10/24 00:00:16
>>102
んな高い訳ないじゃん。てか、写本にもよるが。
だいたい、人件費は激安。世俗の写字生の場合には、給料もいるけど、修道僧も場合、タダってか、それが修道院内での仕事だもん。

105: 世界@名無史さん 04/10/24 00:19:21
>>103
写本は大抵高価。財産目録に記載するほどの動産。

106: 世界@名無史さん 04/10/24 11:07:36
>>103
写本をやったことあるの?
ためしに手元の文庫本を全部書き写してみたら?
それも現代作家のではなく、なるべく古典。
文庫1冊どころか、平家物語の1段だけさえ簡単に考えている人には無理。

107: 世界@名無史さん 04/10/24 11:36:18
>>106
それだけじゃ駄目だよな。
中世ヨーロッパの写本は、文字だけではなく、絵も入っていたし、文字も飾り文字だし、写本を完成させるのには、何年もかかる苦行だ。

108: 103 04/10/24 15:08:16
>>106>>107
何を熱くなってるんだかわからんが、あまり知ったかこかない方がいいよ。
第一に、当時のコデックスは、パピルスや羊皮紙(または犢皮紙)を使っているから、薄手の高級品を使った最大級のものでも、600丁とか、700丁とか、そのくらい。
普通は100丁とか200丁とか、その程度。加えて、手書きであるため(手書きにしては、滅茶苦茶細かいんだが)、1丁に収まるテキスト量が少ない。結果として、概して、一冊のテキスト量は少ない。
例えば、新約聖書で言えば、福音書一書で、一冊の本でも、全くおかしくない。
(聖書の場合、合本になってることが多いが)

第ニに、写本は、完全な分担作業。一人が一冊全てを仕上げる、なんてことはないの。
テキスト、飾り文字、挿絵、こ~ゆ~のは全部別の人が受け持ってるわけね。
テキスト部分だけだって、なが~い本になれば、何人もが手分けして作業する。
(文字の癖によって、複数人の作業であることがわかる)

それと、中世の写本の大半は、テキストだけか、ちょっとした飾り文字がついた地味なもの。一般には、きれいな挿絵付きの豪華本しか紹介されないから、誤解しているようだが。

もう一つ。大変な手作業=べらぼうに高い、なんて安直な考えもやめた方がいい。
当時は、僅かな例外はあれど、あらゆる事は手作業で行われていて、それが当たり前のことだった。だいたい写字生は、それを生業にしている職人だし。 まさか、どっかの「生徒」とでも思ったんじゃあるまいな。
現代の素人に大して、「ためしにしてみたら?」ってのは、意味わからんし。

109: カラジチ ◆mWYugocC.c 04/10/24 15:15:29
>>108=103氏
紙そのものの値段が高いんじゃないの、という疑問があるんですけど。どうなんでしょ。
大学時代に写本のコピー見せて貰ったことあるけど、やけに略字が多かった記憶があるなあ。

112: 103 04/10/24 15:40:57
>>109
紙は高いよ~。羊一匹、殺して、僅かな量だからね。羊皮紙の形態と、使われている枚数で、何匹の羊を殺してかわかるって、越宏一の本に書いてあったな。貴重品だから、再利用して、上書きとかしてるよね。古典古代のテキストの上に、聖書が上書きされていたりして、化学薬品かなんかで解読するのだそうだ。

紙も高いし、写本は高価。これは当たり前。おいらが言いたいのは、「5000万は嘘だろ!」ということなんよ。
挿絵だらけ、青(ラピスラズリ)とか金泥使いまくり、しかも超大型本で、装丁に宝石だらけの写本なら、そら、そんぐらいの価値はあっただろうが、普通の写本にそんなするわけないじゃん。
常識で考えましょってこと。

略字に関しては、ビザンティンの写本で、筆記体のギリシア文字で書いてるのもある。
なんか文字が繋がってて、普通の人には読めないね。

104: 世界@名無史さん 04/10/24 00:12:34
写字生が少なかった時代には重用され、写字生を殺害したときには法王を殺害するのと同等の罪が科されたってどっかで読んだな

110: Krt 04/10/24 15:27:19
103氏も書いているが、皮紙を使用し、華麗な挿絵が入り、表紙を金や宝石で飾った豪華な写本と、(主に14世紀以後の)大分安くなってきた紙を使い、装丁も比較的簡素な本(内容本位で主に知識層向きの)とでは同じ写本といっても全く値段が異なる。
例えば14世紀の大蔵書家・愛書家であるリチャード・ド・ベリーには1500冊ほどの蔵書があったわけだが、いかに彼が時代において隔絶した大蔵書家であったとはいえ、一司教の身分では一冊5000万円の本では1500冊を私有するのは不可能だったろう。

それともう一つ、皆この時代の写字生の能力に対して過小評価しているように思える。
確かに修道院のようなところで写本が始まった頃は、半ば素人くさい写字生による、鈍くさい作業によって能率も上がらなかったろうが、14-5世紀ぐらいになると個人のスキルも上がり、作業の専門分化も進展し、かなり効率的に写本を作ることができるようになっていた。例を挙げると、これは比較的豪華な写本なのだと思うが、コシモ・デ・メディチが15世紀前半に、写本商人ヴェスパシアーノ・ダ・ビスティッチから大量の本を買った際には、ヴェスパシアーノは45人の写字生を使い、二年間で200部の写本を作らせたというし、同時代のある300葉に及ぶ浩瀚な写本の最後には、この本の仕上げには18日を要したのみである、という写字生よる誇らしげな後書きがあるという。

111: Krt 04/10/24 15:27:41
ましてや14-5世紀にかけて都市や大学付近において増大した修道院外の民間写本工房によって造られた、識字層向きの廉価本や学生用の教科書なんかは比較的低廉だったし、当時の工房にはそうしたものをうまく作るシステムがあった。
 
例えば一冊の本をいくつもにバラし、写字生一人あたりの担当部分を数ページに抑え、人海戦術で短期間に大量の断簡を製造し、後でとじ合わせることで一挙に数十冊の本を造るとか、さらには当時有名なディーボルト・ラウバーの工房で行われていたような、複数の写字生の前で読み上げ人がテキストを口述し、それを書き取らせることで一冊の本から一度に大量のコピーを造る、といった手段によってである(1)。
 
ちなみにこれらの方法は古典古代、特にローマ時代において行われていた方法であり当時の比較的廉価な書価は、ローマの平和に基づくパピルス価格の安定とともに、こういう能率的なシステムにもよっている。ただこの方法はしばしば多くの誤記を産み後での念入りな校正の無い場合、悪本を造ることが多かったのではあるが(2)。

>>109
15世紀の紙の値段は50cm×30cm一枚が1.5ドニエ、皮紙はこの4倍程度だった(3)。

(1)ヘルムート・プレッサー:書物の本、pp.19-50:法政大学出版局
(2)簑輪成男:パピルスが伝えた文明、p.151ff.:出版ニュース社
(3)リュシアン・フェーヴル他:書物の出現(上)p.50:筑摩書房

114: カラジチ ◆mWYugocC.c 04/10/24 16:07:37
>>111
ドニエってどれぐらいの価値があるのか、調べてみた。
ドニエってパリ鋳造とトゥール鋳造の二種類がある(パリ貨はトゥール貨の4/5の値段)んで、どっちか分からないんだけど、
ttp://woodruff.press.ne.jp/illusion/materia/lib/materia_faq_1-16.html
ここによれば物価の高い時期で林檎や梨が1ドゥニエで買えたとありますね。
無茶苦茶高いわけでもなさそうだけど、本一冊分となるとかなりの値段になりそう。

>略字
なんか単語の頭文字と尻文字を書いて「~」を上につけて済ませたりとか、複数の文字を合字にして一文字にしたりとか。
フランス語やドイツ語でよく見る合字って、この辺に起源があるのかも。

引用元: ・☆【装丁】書物の歴史【印刷】



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