1: 世界@名無史さん 2012/03/20(火) 23:21:23.49 0
イタリア語圏、イタリア人の文化、影響等広く語るスレです。
対象地域は、現在イタリア語が公用語となっている国、イタリア語が多く使われている地域、イタリアが植民地にしたことがある地域、かつてイタリア人が多く居留していた地域、
イタリア人が多く移民した地域等です。

例えば、
イタリア、スイス、サンマリノ、バチカン、マルタ、アルバニア、クロアチア、スロベニア、リビア、エリトリア、ソマリア、エチオピア、アルゼンチン、ウルグアイ、オーストラリア等です。








5: 世界@名無史さん 2012/03/20(火) 23:52:27.73 0
世界史の場合、イタリア人とローマ人の区別って難しいな。

42: 世界@名無史さん 2012/03/21(水) 22:54:44.52 0
イタリアって概念って、いつ頃生まれたんでしょうか?

44: 世界@名無史さん 2012/03/22(木) 12:21:50.42 0
イタリアという地名は「仔牛(vitulus)の地」を意味するが、もともと南伊のカラブリア地方に植民したギリシャ人が現地語をもとに名付けたもの。
その北にはカンパニア、サムニウム、ラティウム、エトルリア(ティレニア)などが広がっており、イタリアがルビコン以南のアペニン半島全域を指すようになるのはローマによる統一以後という。

前91年に同盟市戦争が勃発した際、反ローマの八部族同盟は国号を「イタリア」と定め、狼(ローマ)を牛(イタリア)が踏みつけている図柄の銀貨を作った。
ただローマ側が全イタリア半島の同盟市民にローマ市民権を与えるとしたため、戦争は終結に向かい、部族同盟国家イタリアも消滅して「国家ローマのイタリア本土」となった。

のちガリア・キサルピナもイタリア本土に編入され、イタリアは今のイタリア共和国の領域をほぼ覆うようになった。
西ローマ帝位消滅後、オドアケルは東ローマから「ドゥクス・イタリアエ」の称号を与えられ、これを倒した東ゴート王テオドリックは「レックス・イタリアエ」を称した。

48: 世界@名無史さん 2012/03/22(木) 21:40:01.63 0
「イタリアとは地理的概念に過ぎない」ってビスマルクだっけ?
要するに、国としてイタリアを見るようになったのはごく最近のこと
リソルジメント以降の話

50: 世界@名無史さん 2012/03/22(木) 22:03:17.58 0
>>48
メッテルニヒな

49: 世界@名無史さん 2012/03/22(木) 21:57:44.76 0
つまり、日本人が「日本」を意識しだしたのとほぼ同時期か。

56: 世界@名無史さん 2012/03/23(金) 18:41:13.52 0
>>49
そうそう
明治維新とリソルジメントには時代だけでなく似た部分がある
佐幕派と尊皇派・ガリバルディ(共和制)とサヴォイア(王制)のイデオロギー的に対立する派閥間の争いみたいなさ

72: 世界@名無史さん 2012/04/15(日) 16:36:38.01 0
ローマ軍団に「イタリカ」というのがあったと思いますが、「イタリア」と同じ語源でしょうか?

73: 世界@名無史さん 2012/04/15(日) 17:06:56.21 0
>>72
イタリカは家畜を飼う者という意味があって、元々は牧畜産業を営む畜産家の集まりだった。
しかし十字遠征が始まるとともに畜産家たちは鞭から剣にかえて終結し、神聖ローマ帝国の礎の為に闘った。


82: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 13:25:22.00 0
ラテン語に一番近いのがやっぱりイタリア語?

83: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 14:24:19.44 0
発音の面では俗ラテン語からの変化の程度が一番少ないのがイタリア語。
文法の面ではイタリア語はフランス語スペイン語と変わらない。発音で一番大きく変わっているのがフランス語。
次にルーマニア語、ポルトガル語、レトロマンス語。その次にスペイン語、オック語、イタリア語が来る。
異端児はフランス語で、スペイン語とイタリア語は何も知らない人が聞いてもだいぶ似ていると感じるが、フランス語とイタリア語はすごく昔は同じ言葉だったんですよといっても信じるまい。
文法の面ではルーマニア語が異端児。ルーマニア語は名詞に格を持っていて、名詞の後ろに冠詞がつくなど他のとはちがう特徴がある。

84: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 14:47:24.88 0
俗ラテン語というのは、文章語として使われるラテン語ができあがったあとに、民衆レベルでそれと乖離していってできたラテン語。
普通にいうラテン語が現在のイタリア語などの直接の先祖ではない。
ラテン語は共和制末期ごろに非常に洗練された形に整い、それが西ローマ帝国崩壊後も(教育レベルの低下によって崩れつつ)用いられたため、民衆がどんな言葉を「話していた」かは文献からは直接には断片的にしか分からないが、推測によって大体こんなもんだろうという概要は分かっている。
そのあと各地の俗ラテン語はそれぞれ異なる歴史をへて現在にいたる。

88: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 19:05:20.61 0
>>84
ポンペイにある落書きみたいなのから、口語を再現できたりしないのかな?
あと戯曲みたいなのは、全てギリシア語でラテン語のものは残ってないのだろうか?

93: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 22:32:14.49 0
>>88
俗ラテン語というのは、戯曲やポンペイの落書きが書かれたころのものも含むが、もっと後まで、軍人皇帝の時代から西ローマ帝国滅亡から、西ゴート王国、ランゴバルド王国、フランク王国(の途中)などがあったころまで、資料からはよく見えないものの、存在したであろう(いわばブラックボックスになっている時代の)民衆のラテン語をさす。
なにぶん話し言葉というのは書き言葉とちがって文献に残らないので歴史的な全貌まではよく分からない。


90: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 19:58:02.62 0
バチカン市国はラテン語でミサとかやってるだろ。普通はイタリア語を話してるのかな?

まさかラテン語を話してるとか?

93: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 22:32:14.49 0
>>90
「バチカンではラテン語が使われている」というのはよく知られているが、これは「バチカンの僧侶は教会の儀礼でラテン語を使う」とイコールで、「バチカンの人はラテン語が母語である」というのではない。
バチカンの僧侶はイタリア人でイタリア語を使う。
儀礼でのラテン語の発音は、ラテン語文をイタリア語読みしたもので、古代のラテン語の発音ではない。
古代にはラテン語がどんな発音がなされていたかは推定されていて、「古典式発音」と呼ばれている。
ヨーロッパではラテン語の文章を読むときは、ドイツ語ならドイツ語、イタリア語ならイタリア語の伝統的な発音と、古典式発音の二つの流儀があり、そのどちらかを使う。
日本では、歴史的な経緯からラテン語の伝統的な発音というものは存在しないので、古典式発音だけが通用している。

94: 世界@名無史さん 2012/04/19(木) 22:33:03.57 0
>>90
バチカン市国の公用語はイタリア語と英語だってさ。
ラテン語は儀式や研究に必要だろうけど。

しかしラテン語発祥の地なのに、今のローマ市の言葉は「ローマ弁」という方言なんだよな。
標準語はご存知ダンテのおかげで、フィレンツェの言葉が基だし。

99: 世界@名無史さん 2012/04/22(日) 13:50:50.86 0
>標準語はご存知ダンテのおかげで

全然存じ上げない、どなたか神曲の話をしてくりぇ。

103: 世界@名無史さん 2012/04/22(日) 16:27:03.02 0
>>99
西ヨーロッパでは、詩とか、俗人むけの説教とか、メモ書きなどには各地の母語が使われたが、まとまった量の、ある程度知的な内容の文章となるともっぱらラテン語の領分だった。
イタリアでは、14世紀にダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョの三人の文人が出て、ラテン語とならんでイタリア語で文芸作品を著した。
ダンテはフィレンツェの出身だったので、フィレンツェの方言を使って文章を書いた。
その後この14世紀のイタリア語文が権威化し、イタリア語で文章を書く際にはそれにならうようになった。
イタリア語は西欧の他の言語に比べてかなり早くに洗練された文章語を得るという恩恵を受けた。
くだって19世紀、14世紀以来のイタリア語から、当時古めかしいと思われた要素を取り除き、口語的な要素を加える形で文章語が改革され、それが統一イタリアで用いられて現在の標準語となった。
日本の場合、江戸の上流層の使っていた方言を元にして新たに標準語が作られたので、その経緯は異なる。
標準語=首都で用いられる言葉に手を加えて作られた言葉というのがどの言語にも当てはまるわけではない。


100: 世界@名無史さん 2012/04/22(日) 15:00:47.38 0
南イタリアにはまだギリシャ語を話す町があるのか。すごいな。
今のギリシャ本国のギリシャ語と違って古代ギリシャ語かな?

101: 世界@名無史さん 2012/04/22(日) 15:10:51.43 0
>南イタリアにはまだギリシャ語を話す町があるのか。すごいな。

まだそんな町あるの?

102: 世界@名無史さん 2012/04/22(日) 16:04:24.80 0

121: 世界@名無史さん 2012/05/23(水) 22:32:05.24 0
ギリシア神話とローマ神話の関係がよく分からないんだけど。
ローマ帝国時代にギリシア文化を取り入れた際に、神々とか神話も一緒に輸入されたってことなのかな?

122: 世界@名無史さん 2012/05/23(水) 23:01:42.13 0
違うでしょ。
単に似たようなやつを同一視しだだけ。

ゼウスとユピテルとか、アプロディテとウェヌスとか。

123: 世界@名無史さん 2012/05/23(水) 23:26:38.46 0
似た奴と言うか、明らかに伝播しているだろ。
単純に、ギリシアから直接イタリアという経路を経てるかどうかは議論の余地があるが。

125: 世界@名無史さん 2012/05/25(金) 16:27:55.28 0
>>121
もともとローマ人は神を信仰しても、神話に当たるものがなかったらしい。
それがギリシア人(主として南伊の植民者)との接触で、神々の共通性に基づいて
・ゼウス=ユピテル
・ヘラ=ユノー
という具合に習合して、神話もそっくり取り入れたと書いてあった。

126: 世界@名無史さん 2012/05/25(金) 22:20:24.95 0
ローマは文化や宗教や思想は大半が中東の物。
ローマはミトラ教というのが体制宗教でこれも中東発祥。
多神教だから宗教がいっぱいで支配宗教ではなかったけど。

キリスト教もその流れで中東のイスラエルから流れてきた。
でもキリスト教は一神教だから多神教なんて認めないからローマにあったさばざまな宗教を
すべて否定した。もっとも熱心にこれを広めたのがユダヤ人とギリシャ人。
どちらもローマに滅ぼされて属国になった国。これとローマ各国属国になった国の下層民に
広めた。奴隷の反乱という思想がローマを支配してついにはそれが支配宗教になった。

140: 世界@名無史さん 2012/06/28(木) 07:14:51.49 O
ランゴバルドのイタリア征服っどんな感じだったん?
住民からは歓迎さるた?

142: 世界@名無史さん 2012/07/01(日) 22:50:10.80 0
>>140
歓迎されたかというと微妙だけど、ビザンツの統治がひどかったから「他に選択肢がない」てな感じだったんじゃない?

それにランゴバルドの征服は北中部が中心ながら、ラヴェンナやローマは相変わらずビザンツが確保してた。
あと、初期には王が殺されて諸侯が分立割拠したそうで、カオス状態がしばらく続いたみたいね。

167: 世界@名無史さん 2012/10/10(水) 19:45:33.20 0
中世・ルネサンスまでナポリは、ロンドンやパリを超える大都市だったけど、何故こんなに人口が多いんだろう。その割にはナポリを取り上げて研究している人っていないよね。

168: 世界@名無史さん 2012/10/11(木) 00:42:23.80 0
別にナポリだけの話じゃなく、パレルモもそうだな。
南イタリアって穀倉地帯だったからなー、維持可能な人口が大きかったというのは前提としてありそう。

174: 世界@名無史さん 2012/10/30(火) 10:59:08.89 0
「ナポリを見て死ね」というけど、ナポリってめちゃ汚い

203: 世界@名無史さん 2013/01/29(火) 02:21:59.94 0
スイスの「イタリア語」圏の土着の言語って、実際は標準イタリア語よりも、フランス語に近い言語のようだな。
住民はどういう経緯で自分たちを「イタリア系」と規定するようになったんだろう。
イタリア政府に支配されてないから、レト・ロマン系みたいにロンバルディア人として独自の民族・言語とすることもできるし、あるいはフランス語圏と同じことにしてしまうこともできたはずなのに

204: 世界@名無史さん 2013/01/29(火) 03:08:45.70 0
イタリアの隣接地域の方言(ロンバルド語)はフランス語に近いらしいな
あとミラノ公国に支配されてたとか
ともあれ方言が国境で大きく変化してるとは限らんようで
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロンバルド語
http://ja.wikipedia.org/wiki/ティチーノ州

206: 世界@名無史さん 2013/02/02(土) 17:34:04.04 0
>>203
これ面白いな水系的に見たら完全にイタリア圏内だけど
フランス語系の居残り組がこんなところに取り残されているとは

208: 世界@名無史さん 2013/02/05(火) 00:41:54.83 0
>>206
さらにはアルプスの西側辺りが中心のフランコ・プロバンス語が南イタリアの2つの村(Faeto,Celle di San Vito) に孤立して残ってるとか
十字軍の帰りに故郷に帰るのが面倒になった兵士が居ついたのかな?それとも収斂進化でフランコ・プロバンス語に似た言語になった?


no title

分布図

317: 世界@名無史さん 2014/11/18(火) 00:49:28.68 0
スイスの「イタリア語圏」って、いつから標準イタリア語を共通語として採用したんだろう
ずっとイタリアの国外だから、オック語とかにむしろ近い、現地の北イタリア系の言語を文章語として発展させていく道もあったはずだけど

321: 世界@名無史さん 2014/11/26(水) 19:11:14.38 0
>>317
そもそも人口比一割程度でしょ…国境線が動かなくても、人は移動するから…
少なくともルネッサンス期には、貧乏(失礼)なスイスよりはイタリア圏に人が集まるのでは?
とすると、オーストリアとフランスが戦争していたあたりに、戦乱を逃れてスイスの方へ避難した人たちが定住したんじゃ…

390: 世界@名無史さん 2015/11/30(月) 16:29:24.60 0
クオレなんか読むと、19世紀のイタリアは、何とか国家統一・国民一体化を図ろうとしていたのがわかる
現在のトルコみたいなものか

391: 世界@名無史さん 2015/11/30(月) 16:58:45.12 0
日本語の標準語だって明治時代に東京の中流の男を言葉をベースにしただけで150年の歴史しかない。

392: 世界@名無史さん 2015/12/07(月) 19:27:37.02 0
近代的な統一国家として活動するためには統一された言語が必要なのです(^o^)丿

399: 世界@名無史さん 2015/12/29(火) 13:14:18.32 0
>>390>>392
19世紀はいいとしてコムーネ国家が衰退した18世紀のイタリア人は一体何をしていたのだろう
コムーネ衰退から統一運動までの約1世紀の間のイタリア人の空気感は異常
17世紀までコムーネ国家が暴れまくってたのに何で急に大人しくなったんや!?
もう統一後もコムーネ国家繁栄期ほどの存在感はなくなり、白人の中で南欧系は二流にされて下田

400: 世界@名無史さん 2015/12/29(火) 14:14:26.74 0
>>399
北と南で違うと思う
北は産業革命の後追い
南は中世の温存

統一して北の人間が南の状況に驚いたと言うからね

402: 世界@名無史さん 2015/12/29(火) 15:59:59.19 0
>>399
ミラノはスペインに併合され、トスカーナにもスペイン軍が駐留し、ボルジア家などスペイン出身者が教皇就くなど、スペインの政治的圧力が強まったことも、元気低下の一因ではないでしょうか

スペインのあとはオーストリアとフランスが北伊に政治的重しをなし 活気が低下してしまった。従属的地位に落ちてしまったのが一番の要因では

引用元: ・イタリア語圏・イタリア人の歴史