1: 世界@名無史さん 2020/10/31(土) 21:09:16.49 0
思うのだが、2世紀末から15世紀中葉までの約千三百年間、欧州はもとより、中近東・アジアまで世界の大半の地域で発展が止まったように見える。
「止まった」とまで言うのは言い過ぎかもしれない。この間も発展はしている。ただ、その速度が超スローになった。3,400年で済むところを1300年をかけている。
紀元前16世紀頃から順調に進んできた人類の発展は2世紀末から停滞期に入り、15世紀後半から再び本来の発展速度を取り戻す。
 
例外は日本とロシアで、こちらは逆に文明発展期である。この理由は簡単で、この両国は文明の周辺地域(周辺文明)であり、元来の後進地域に中心文明から文明が流入して文明化を遂げた地域である。中心文明が停滞している期間に成長し、「停滞期」明けにようやく追いついたのである。世界的な「停滞期」は日露には幸いした。








106: 世界@名無史さん 2020/11/02(月) 23:43:48.82 0
ビザンツ科学ってのは衒学的であまり実地応用性を感じないが実際どうなのかな
ビザンツの学問が後の時代に影響を与えたのはギリシア古典の保存というイメージがある

115: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 07:54:02.53 0
ビザンツの存在意義は、結局、古代ギリシアの文献を「保存」したことにあるのかな
日本で中国では失われた古い文献が保存されてきたのと同じ

118: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 10:08:56.61 0
>>115
ビザンツ自体がギリシャだからなあ

「保存した」というのは錯覚であり、「そのまま続いていた」というのが実情

111: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 00:16:33.22 0
東ローマでは古代ギリシアの学問が尊重されたけど、それを発展させるとかではなく、古代ギリシアの学者の言い回しをそのまま真似して文書に入れるとか、そんなことばっかやってたらしい

112: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 01:46:46.66 0
ビザンツの応用科学というと薬学が発達していた
イスラム医学の影響もあるのだろうけど

特にパレオロゴス朝では発達し、西欧の薬学にも影響したと考えられる

119: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 10:46:04.06 0
ビザンツの文化人たちも馬鹿じゃないんだから、そのまんまの「保存」ではなくて、「上書き保存」「アップデート」はやっているだろうが、イスラム帝国ほどのバージョンアップには至らなかったということかな?

ビザンツ帝国の発展速度は非常に緩やかで、300年で済む話を1300年をかけているようだ。
まさにこのスレのための見本である。

121: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 11:49:16.49 0
中華文明とペルシア文明の比較というのはどうよ?
ペルシアも、何度も異民族の侵入を受けて王朝が倒れてきたけど、イランという枠組みやペルシア文化は保たれてきたし、ペルシア語やペルシア文化は周辺諸民族に多大な影響をもたらした

123: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 14:19:25.15 0
>>121
ペルシア文化は人文学や社会科学(法律とか財務とか)で利用されたという印象がある

イスラム科学はアラビア語で書かれたという印象がある

実際西欧ルネサンスにはアラビア語文書からの翻訳はなされたがペルシア語文書からの翻訳は聞かない

127: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 21:04:37.85 0
>>121
ムガル、サファビー、オスマンが鼎立してた時代がペルシア文化が一番広範囲で栄えてた時代か?

131: 世界@名無史さん 2020/11/04(水) 05:16:50.33 0
>>127
それと、アケメネス朝ベルシア帝国の時代だな

125: 世界@名無史さん 2020/11/03(火) 18:21:10.13 0
イスラーム文明の最盛期にはギリシャ文明をはじめとする先行文明の遺産の摂取が行われたが、それは政治的・軍事的な優越性を保ち経済的な繁栄を謳歌しながら、征服地域の文化的遺産をイスラーム本体が揺らぐ危険性はないという余裕のある態度で取り組んだことによってなされた
そのような営為にしても長期間維持されたわけではない

132: 世界@名無史さん 2020/11/04(水) 05:20:36.76 0
>>125
イスラム文明の最盛期といえば、17世紀だな。
オスマン・サファヴィー・ムガールの3帝国が並び立った

最もマイナーな存在に見えるサファヴィー朝イランでさえ、「イスファハンは世界の半分」と言われる大繁栄

128: 世界@名無史さん 2020/11/04(水) 01:46:54.06 O
中国と西欧では2世紀末から3~4世紀に古代帝国が終了し分裂と異民族侵入の中世になる
中世を脱した15世紀以降の西欧の発展が急なので途中が停滞して見えるだけ

304: 世界@名無史さん 2020/11/11(水) 18:40:19.47 0
ギリシア・ローマの古典古代文明が、ローマ帝国の崩壊後に暗黒時代へと没落していったのに対し、中国の古代文明は五胡十六国時代以後の乱世にも関わらず、その一貫性を保持し、より豊かに、より広い範囲に発展したといわれるが、地中海世界でも東ローマ帝国とイスラーム圏は別に暗黒時代ではないよな

暗黒時代に入ったのは西ヨーロッパのラテン・カトリック世界だけで

308: 世界@名無史さん 2020/11/11(水) 22:21:10.73 0
古代地中海世界は、オリエント的世界・ギリシャ的世界・ラテン的世界の3つに分かれていた

それが一時的にローマ帝国によって統一されていたのだが、1000年経ってローマ帝国滅亡後はイスラーム世界・ギリシャ正教的世界・カトリック的世界の3つに分かれたということ

結局、分裂→統一→分裂を繰り返しただけなのかもしれない

315: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 10:52:22.82 0
地中海世界が西ローマ帝国の滅亡後、三つの文明圏に分裂して元に戻らなかったのに対し、中国が一時的に分裂しても再び統一できたのは、地形の違いもあるんじゃないのかな

地中海世界の中心は海だったのに対し、中国の中心は平原だった
もし、地中海が陸地で、そこに文明を担う多数の人々が居住していたら、再統一は容易だったかもしれない

313: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 10:47:47.01 0
「3世紀から15世紀」というのは無理がありすぎる

「3世紀は人類の文明が停滞していた気がする」とか「14世紀は停滞していたように思える」とか、どこか一部分を切り取ってそういうのなら分からないでもないが

314: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 10:49:34.13 0
なぜなら
3世紀の人間が15世紀にワープしてもなんの支障もなく生活できるだろう

317: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 11:06:43.59 0
15世紀だと、イタリアではもはやルネサンスを迎えている

318: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 11:20:25.89 0
3世紀には、文字が読める人間など滅多におらず、書記は特権階級だった

15世紀にはかなり増えている
明の北京や南京には、街の書店が普通にあって現在のような冊子本が売られている

319: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 11:23:04.52 0
唐では、まだ巻物だった
宋で冊子本が登場する

それ以前に、西洋には紙がなかった。
羊皮紙は希少な上に、時間が経てば文字が薄れて消えてしまう欠点があった

320: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 11:28:09.96 0
明では、大運河で全国から集まってきた食材を、石炭火力で料理している
「満漢全席」はまだ無いが、ほぼ現在の中華料理に近い

そんな15世紀の人間をタイムマシンで3世紀に連れてったら、メシが不味くて食えたもんじゃないだろう

327: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:41:02.24 0
>>320
じゃあ、スレタイが「3~12世紀」だったらよかった?
300年縮めたら納得できる?

332: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 13:24:26.92 0
>>327
もちろん、それも無い

千年ちぢめて「3~5世紀」だったら、1つの見方としては成り立ち得ると思う

321: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 11:30:10.25 0
3世紀の人間の食生活は、5千年前とほとんど変わらない

変わり始めたのは、それから後

325: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:39:40.29 0
>>321
中国だと、五千年前はヒエアワ主食だが三世紀だと小麦、十五世紀には米と移り変わってるな

322: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:18:54.12 0
15世紀以降は銃器が戦争の主役となり遊牧民の時代が終焉を迎える
3~15世紀というのは遊牧民の全盛時代でありチムールの帝国はその最後の華であった
16世紀以降になると遊牧民は農耕民に全く敵わなくなる
そしてまもなくヨーロッパ全盛の時代が始まる

323: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:21:30.16 0
日本で大衆文化が発展したのは江戸時代後半くらいだと思うが、中国だと北宋からだったのか

329: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 13:08:33.57 0
>>323
何を比較するかによる

例えば本だが宋代には不特定多数の読者を想定した印刷書籍出版が成立していた
しかしその内容は科挙の教科書、実用書、宗教書など堅い本に限られた粗雑なつくりの本ではないので宋代の本は現存しているものが多いが、これは現代でいえば一冊5千円以上の本のようなもの
読者も士大夫階級

元代に入ると科挙を受験できなくなった士大夫が一般人向けの俗文学などを出すようになった
紙質の悪いパルプ雑誌のような本が廉価印刷本が多数でるようになり、俗文学が広まった
しかし明代前期は弾圧され下火になった

最終的には江戸後期のように、庶民が大量印刷された小説を読み、かわら版のようなものが流通するのは明代後期
江戸で翻訳された俗文学も明代後期の書籍が輸入されたものが多い

340: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 15:18:38.87 0
>>329
一冊五千円ほどの本ってことはないだろ?

百科事典みたいな、セットで数十万の本とかレベルの、もっと高級品に相当すると思う

342: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 15:47:57.83 0
宋代の印刷本はだいたい100-150文程度
具体的には『小畜集』130文、『大易粋言』110文
当時米一升が10文、一升は1.5kgくらい
現在米10㎏が3500円くらいだから10kgなら66文くらい
100文なら5250円

当時印刷物一枚売りというものあって1枚1文(50円くらいか)から10文(500円くらい)

意外に安い。しかしこれらは官刻本であって役所が恣意的に価格設定したもので高めに設定されていての価格だったらしい

これらは今でいえば文庫本みたいなものだから、それが5000円くらいというのは高いのだろう

そしてもっと有名な典籍などはその十倍くらいで数万円とかしたかも知れない

344: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 16:11:30.11 0
>>342
訂正

宋代の一升は840gなので、
当時米一升が10文、一升は0.84kgくらい
現在米10㎏が3500円くらいだから10kg/12が宋代の一升
宋代一升は291円、本代はその10倍だから『大易粋言』110文で3300円くらい

343: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 16:01:39.47 0
ついでに明後期の書籍代も調べているが、バカバカしい程安くなってて書くのが面倒
明初は一冊50-100文くらいで宋代の半額くらい、明末は更にその半分くらいで米価は二倍に上昇しているので1/4、
1590年12冊本の『遼史』が8銭で、これも官刻本だから民間本はもっと低いとのこと
100枚で1分から8分くらいだから、名目価格で宋代の1/10になっている
宋代との米価の差を含めるともっと安くなっているかも知れない

つまり宋代に5000円した文庫本が500円くらいになった模様

346: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 16:53:34.27 0
>>343
まさに情報革命だな

テレビやインターネットに匹敵する激変

324: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:29:43.42 0
しかしなんで中国は五胡の侵入で文明レベルが大幅におちなかったのか?

326: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:40:16.41 0
五胡は仏教に帰依したので典礼言語である漢語教養の習得に熱心で漢人の古代の学問を尊重した
ゲルマン人はキリスト教に帰依して典礼言語であるラテン語を受容したがギリシアローマの古代の学問を破棄して捨てた

宗教に原因があったとしか思えない

328: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 12:41:47.49 0
五胡十六国ごろになると中国の文明レベル落ちてるだろ
中国鏡の品質は大幅に下がって文字を読み取れないのが増えたりしてるらしいぞ

334: 世界@名無史さん 2020/11/12(木) 13:37:39.12 0
でも中国では、華北の文明が崩壊した代わりに、江南で南朝が勃興する

西洋でも、西欧では文明が崩壊したが東ローマ帝国は健在、ペルシャでは「暗黒時代」と呼ばれるパルティア期が終わって、ササン朝ペルシャ帝国の輝かしい復活

インドは内乱期が終わって「古典文化の黄金期」グプタ朝の時代だ

だから一概には言えない

引用元: ・3~15世紀に文明が発展しなかったのは何故か?