1: 世界@名無史さん 2019/04/07(日) 12:23:51.79 0
古今東西、食文化の歴史について語りましょう。








177: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 04:03:00.78 0
うろ覚えだけど、香川の小豆島で「しくち」という魚が捕れると書いてあって、説明に共通語で「あかめ」と あったけど、アカメなんてそんな大量にとれる魚じゃないはずでは、と思った
案の定ボラの一種メナダのことらしい。
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%A1%E3%83%8A%E3%83%80
ちなみにその本では、その「しくち」漁は、網元が一手に仕切っていて、一般庶民がおいそれと食べられる魚じゃなかったらしい
今だったらボラの仲間なんか下魚、釣りじゃ外道扱いだけど、戦前までは全く評価が違ったんだな

あと、九州のどこかの県の巻で、隠れキリシタンの末裔が山羊の肉を晴れの食に用い、それには飼育している山羊も野生の山羊(野良山羊?)も供するって書いてあったように記憶してたんだけど、あらためて「聞き書き 長崎の食」を読んでもそんな記述はなかった。どの県のだろう。あるいはこのシリーズじゃなかったのかな

178: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 09:17:55.74 0
ググったらメナダって今でも美味な高級魚扱いなんだな
食べてみたい

179: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 09:33:35.65 0
確か、メナダも含めてボラ類は東日本では評価が低いけど、西日本では評価が高くて高級魚扱いのところが多かったんじゃないかな。

184: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 10:53:29.70 0
>>179
関東でもボラいっぱい獲れるのに、なせが獲らず、わざわざ大阪府・兵庫県から取り寄せてる。結構な値段で。
大阪湾のボラは関東の人にも美味しいらしい。

185: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 10:57:22.18 0
東京でボラが獲れるのは、シン・ゴジラの第2形態が遡った川のあたり
あの川のちょっと前を知ってると、「あそこで獲れたもの食うんかい!」という気分になるのは仕方がない
公害以前にも、底が泥なんで(たぶん)美味くない
大阪湾は底質が違うんじゃないかな

189: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 12:53:53.49 0
綺麗な外洋のボラは刺身が美味い

193: 世界@名無史さん 2019/04/11(木) 16:11:46.73 0
>>189
淡路島、岸和田のボラをせっせと関東に運んでるよ。
大阪湾に次ぐ東京方面のボラの出荷は伊勢湾・三河湾方面。

213: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 10:43:44.78 0
小笠原で食った島寿司は美味かった

214: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 10:48:31.27 0
>>213
確か、あれは八丈島からの入植者が持ち込んだ食文化だよね。

217: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 11:09:52.06 0
英語で言うとボニンアイランヅだよ。無人諸島。
19世紀まで人なんかいない

223: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 12:52:21.15 0
まぁ天保期に、小笠原に白人が住み込んでいたのは一部で知られており、「意識高い係」の通人にはあこがれの的だったらしい

237: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 20:17:55.52 0
>>223
白人は住み着いてないぞ。
国籍はイギリスだったりアメリカだったりするけど、全員、メスティソとかユーラシアンとかオセアニアンとかいうような混血と、大洋州人やアジア人。。
そもそも18世紀・19世紀の欧米の船乗は、白人は少数。将校とか船長航海士の艦橋員だけ本国直送の純白人で、その他はあちこちの寄港地から、かき集め。

238: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 20:35:04.07 0
>>237
混血やから白人やないなんて言い出したら、黒人でもないしモンゴロイドでもオーストラロイドでもないということになるがな

232: 世界@名無史さん 2019/04/12(金) 19:11:04.64 0
いつぞや頂いたメゴチの刺身は絶品だった

244: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 01:22:45.22 0
【食】刺身は恐ろしくて口にできない! 日本人と違って中国人が抵抗を感じる理由

http://news.searchina.net/id/1677766?page=1
基本的に生食の習慣がない中国では魚の刺身を好んで食べる人は多くはなく、なかには刺身を口にすることすら大きな抵抗を感じるという人もいるほどだ。
中国メディアの今日頭条は8日、刺身を口にすることに中国人が抵抗を感じる理由を考察する記事を掲載した。

中国では近年、日本料理店は「お洒落で高級感がある」として人気が高まっており、刺身を口にしたことのある中国人が徐々に増えているのも事実だ。記事は、刺身は栄養面から言ってもタンパク質が豊富で、加熱調理によってビタミンやミネラルが失われることもなく、酵素の働きによって効率良く体内に吸収されるとし、「刺身はヘルシーな現代食だ」と主張した。また、中国でも健康志向の人が増えているため、中華料理とは違って「脂っこくなく、サッパリと食べれる刺身」を好む中国人も徐々に増えつつあると指摘した。

一方、中国では生魚がいくら美味しいとしても、生魚の寄生虫による感染症被害の存在を知っているがゆえに、中国人の概念としては「加熱調理せずに、食材を生で口に運ぶことは危険と隣り合わせ」と感じ、刺身は恐ろしくて口にすることに抵抗を感じる人が多いと指摘した。

249: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 09:06:13.10 0
>>244
川魚に寄生虫がいるのは常識だろ、中国とか日本とか関係ない
日本でも調子こいてドジョウを生で飲み込んで感染する奴がいる

245: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 01:25:55.26 0
古代中国って生の魚を食ってたような
膾ってそうなんでしょ?

246: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 01:35:51.26 0
>>245
膾の材料には魚だけじゃなくて肉も含まれていたみたいだね。

248: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 08:39:26.06 0
豚肉を孔子がいない時に賄賂に贈られた話で、清廉潔白な人物に対してそうやると完全な返還ができないからとあったから、生で食べていたんだろうな
焼くなら少し時間がたってもいいはずだよね

256: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 11:09:58.89 0
中国の古い食習慣は、むしろ周辺諸国に残っている。

例えばタイでは生魚の切り身を柑橘類の果汁で和える「なます」が好んで食されている。
多くの場合淡水魚が使われているので、タイでは「タイ肝吸虫」という肝臓に寄生する寄生虫の罹患率が非常に高いらしい。

日本でも、明治期ぐらいまでは淡水魚でも気にせずに生で食べていた地方が多かった。
日本列島で淡水魚を生で食べると最も危険なのはタイ肝吸虫と近縁の肝吸虫なのだが、この寄生虫は広くまんべんなくではなく、あちこちの地方にスポット状に分布している。
肝吸虫の分布地域では強度の黄疸を起こして若死にする人が多かったので、特定の地方の奇病とみられていた。

261: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 11:51:02.03 0
>>256
中華料理でも、宋あたりだと、伝統的和食に近い、脂質が少ない料理ものだったらしいね。
中華料理が何もかも油漬けのギトギトになったのは、明以降の話らしい。
高糖質食のまま高脂質食になったから、結果は明らか。
明の皇族には今のアメリカ人レベルの巨デブが続出する。
それより前だと、デブで有名だったのは「外人」だった安禄山ぐらいしかいないのに。
楊貴妃デブ説はわりと有力だが、せいぜい小太りぐらいだったという。

この脂肪摂取量が極端に少ない食文化、日本以外でも東南アジアによく残っている。
ベトナムは文化的に明清の影響が強いところだが、料理のベースは油ものが少なく保守的。

262: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 11:53:51.25 0
大して食道楽しているように見えない平安貴族も糖尿病になるんだから、中華の皇族や高官、富豪はどれだけ糖尿病に悩まされたのやら

263: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 12:15:09.13 0
>>262
奈良平安の貴族や皇族の食事ってのは、聖性を帯びた中央の貴族や皇族が服属儀礼として地方から献上された食品を食するっていう一種の神事の性格があった。

今でも仏前に供えるご飯を高く盛るが、あれは神にささげる「神饌」の風習の流れ。
だから、中央の貴族や皇族に捧げる飯も高盛飯だった。
つまり、高位の貴族は大きな椀に高々と盛られた飯を完食しなければならなかった。

藤原道長なんかは、もろにそれで体を壊して糖尿病になったクチだね。

271: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 13:51:10.40 0
>>262
そりゃ糖尿病になりやすい体質は遺伝するからな。
近いランクのお公家さんどうしの婚姻が多い、上に行くほど数が少ない、で血縁は濃いから。

264: 世界@名無史さん 2019/04/13(土) 12:32:10.10 0
糖尿病の別名が金持ち病だからねえ

320: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 01:31:31.79 0
鯉の洗いは美味しいね
どっちかと言えば鯉こくが好きだけど

淡水魚はウナギや渓流魚以外は本当に消費されないみたいね
ドジョウ鍋もいいな

321: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 01:38:46.23 0
>>320
鯉の意外な珍味に、咽頭歯を動かす筋肉の刺身ってのがある。

コリコリしていて酢味噌で食べると美味。

334: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 10:44:23.73 0
>>320
鮒、おいしいよ。
泉北ニュータウンら辺の池、ほとんどに漁業権が設定してあるよ。やってることは河内鮒の養殖だけれど。餌もやらず放置なのに養殖。
ツテがあるか、ちょっと敷居の高い淡水魚専門店に行くかしないと、買えないけれど。

338: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:23:47.26 0
>>334
佐賀県や長崎県の有明海沿いの古くからの干拓地では鮒が非常によく繁殖しているんだが、これがとてもおいしい。

地元の農家の間では、稲刈りで水落としした後は鮒の刺身で大宴会になる。

374: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 19:38:43.45 0
>>338

昭和45年に放送された「新日本紀行」
その際放送版を見たことがあったが、佐賀県で「クリーク」を干して底の汚泥を肥やしとして田に入れ、ついでに捕まえた鮒を焼いて宴会するシーンをみたことある。

でも火を通した鮒ならともかく、生の鮒なんかまず食えないな。

376: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 19:51:02.18 0
>>374
せごし
ハラワタ除いて、骨ごと薄く切って、冷水にさらして、水を切って、からし酢味噌や生姜醤油で食べるというような刺身というか生食のやり方がある

384: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 21:07:12.89 0
>>374
いや、それが有明海の干拓地で育った鮒って、臭みもほとんどないし、よく肥えて脂がのっているし、おまけに骨が柔らかくて煮ると骨まで食べられる。
極め付きが、肝吸虫の分布圏外なので、刺身で食べても寄生虫の危険がない。

私も何度も食べてるけど、刺身を酢味噌で食べるとめちゃくちゃうまいよ。

404: 世界@名無史さん 2019/04/15(月) 12:51:00.13 0
茨城だと正月の昆布巻きが鰊でなく鮒
鉄鍋で大量に煮込むので、出汁が昆布にも沁みて骨までホロホロで実に美味しい

419: 世界@名無史さん 2019/04/15(月) 14:57:26.38 0
>>404
普通、昆布巻の中は淡水魚だけれど。鰊に巻くとかどこの話?

423: 世界@名無史さん 2019/04/15(月) 15:16:27.80 0
>>419
昆布巻きの中身が淡水魚ってどこの地方よ?
琵琶湖とか木曽三川の水郷地帯か?

東日本とかの山間部、あるいは日本海沿岸では、昆布巻きの中身は身欠きにしん、あるいは塩鮭

322: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 01:43:40.29 0
そもそも鯉以外の淡水魚って目方のランキングには入るの難しそうだな
それに養殖ふくめて鮎とか鱒とかはそれなりに食用魚になってるだろ

323: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 01:49:22.81 0
>>322
単位面積当たりのバイオマス生産量で計算すると、淡水食用魚ではアユがトップに入るらしい。

動物質を食べているんじゃなくて、ほぼ完全に藻類に依存している食物連鎖で下位の魚だから。

324: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 01:51:45.99 0
サケマス類とかアユとかウナギみたいに海に下る生活史サイクルが全くない純淡水魚でダントツにうまいとされているのが琵琶湖水系固有種のコイ科のホンモロコなんだが、最近は本来の分布域ではない山梨県なんかで大々的に養殖されているみたいだ。

325: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 02:28:40.45 0
中国の稲作地帯だと、ソウギョやハクレンを養殖して食うんだけどなー。
ソウギョなんかは文字通り陸上の草を食うので、養殖というより内水面「牧畜」といってもいい。
水田耕作と生活排水で富栄養化させた水に発生する植物プランクトンを食うハクレンの養殖も、これまた一種の「牧畜」なのかもしれない。

ないわけじゃないけど、こういう水田に付随する淡水魚養殖が著しく貧弱なのも、日本の稲作の特異性だよね。
せいぜい鯉と鮒ぐらい。それも決して盛んじゃない。

335: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:06:55.98 0
>>325
日本の場合、「受動的養殖」だった色合いが強い。

フナやコイ、ナマズ、ドジョウといった日本で昔から盛んに食用にされていた低湿地型の淡水魚の多くは「一時的水域繁殖性」といって、河川や湖沼の増水した時期にだけ水をかぶる水域に侵入して産卵する性質がある。
そういう水域は水をかぶった直後にミジンコ類が大発生するので、仔稚魚の育成環境として非常に優れている。

水田は人工的な「一時的水域」であると同時に人工的に施肥が行われているのでミジンコ類の餌となる微生物も多い。
そのため、天然の「一時的水域」よりもさらに仔稚魚の餌が豊富な「一時的水域」になっている。
かつての日本では、稲刈りに際して水田地帯や水路から水落としをして、水田で増殖成長した魚類を一斉に漁獲して食用とする習慣があった。

336: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:21:06.21 0
>>325
中国の稲作地帯における淡水魚養殖は、実は水田よりも養蚕との結びつきが強い。
中国では古くから穀作農業と養蚕が組み合わされていて、穀物と絹布のセットが主たる租税となってきたことを思い出していただきたい。

また、「四大家魚」と呼ばれる伝統的な養殖対象種、ソウギョ、ハクレン、コクレン、アオウオの4種は、大陸大河川型の特異な繁殖行動をとっている。
つまり、産卵期になると大陸型の大河川を下流域や周辺の湖沼から遡上し、中流域でカエルの卵のような大型卵を産む。
産卵後、卵は大陸型のゆったりとした大河を流れ下り、下流域に達したところで孵化する。
孵化した仔稚魚は大河周囲の湖沼に移動するので、その移動経路で捕獲し、養殖池に放す。

養殖池は養蚕の副産物の蚕糞で施肥されていて、また桑畑の雑草が逐次投入される。
池に放された稚魚のうち、ソウギョは投入される桑畑の雑草を食って育ち、ハクレンは蚕糞を肥料に増殖した植物プランクトンを、コクレンはミジンコなどの動物プランクトンを食って育つ。
アオウオは池の底に沈殿した有機物を食って増えるタニシを食って育つと同時に、蚕の蛹も餌として与えられる。

最後に、池の底に溜まっていく有機質の堆積物は桑畑の肥料としてリサイクルされる。

337: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:22:40.81 0
そういう養殖を石毛氏の著作で「水田漁業」と名付けられていて東南アジアとかにも存在すると書かれていたが詳しい本か資料はないだろうか、興味がある

339: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:30:18.95 0
>>337
例えば、この学位論文の要約なんかはどうだろう
https://scholar.google.co.jp/scholar?cluster=1763757913393968634&hl=ja&as_sdt=0,5

340: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:32:59.04 0
>>339
おお!ありがとうございます!

342: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:35:21.89 0
>>340
さらに、さっきの博士論文著者で著者検索すると、これだけの論文が引っかかってくる。
https://scholar.google.co.jp/scholar?as_q=&as_epq=&as_oq=&as_eq=&as_occt=any&as_sauthors=%E8%88%9F%E5%B0%BE%E4%BF%8A%E7%AF%84&as_publication=&as_ylo=&as_yhi=&hl=ja&as_sdt=0%2C5

343: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:37:25.12 0
>>342
度々ありがとうございます
結構あるものなんですね

345: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:40:47.28 0
>>343
水田利用魚類の生態学的研究が進んできたのって、たぶんここ20年ぐらいだと思う。

346: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:42:44.11 0
>>345
日本人といえば稲作なのに不思議ですね
都会人の研究者にはあまり視界に入らなかったのでしょうか

347: 世界@名無史さん 2019/04/14(日) 11:53:18.09 0
>>346
多分、「枝葉」とみなして切り捨てたんじゃないかな。
生態学者の間でも、魚の繁殖しているのは水中、という意識が強くて実は陸の生態系に依存している
という意識が希薄だった。

同様に、プラスチック製品の普及前は水田生産物として稲わら、というのが非常に重要で、農業の再生産に必要な道具の素材として不可欠だった時代が長かったんだけど、それも案外研究が遅れている。

穀物そのものにしても、稲作と補完関係にあった雑穀栽培の歴史的意義の研究が遅れている。
弥生時代の開始にしても、稲が入ってきた事件というより、稲・粟・黍の三点セットが入ってきた事件とみなす方が正確。

引用元: ・食物と酒、嗜好品の歴史@世界史板 108皿目