1: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 08:33:19 ID:x/hU9IuZ0
三侠五義(七侠五義とも)とは、清代に書かれた、北宋中期を舞台に、名判官包公こと包拯と、それを支える数多くの個性的な義侠の士が縦横無尽に活躍し、民衆を苦しめる悪人を懲らしめる義侠小説で、現在中華圏で大きな人気を博している武侠小説にも、多くの影響を与えた古典文学である。
滝口琳々氏の漫画『北宋風雲伝』も、この作品を原案としている。








2: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 09:07:06 ID:dDUlP/DT0
水滸伝に比べると登場人物が真面目すぎて引いた。
でも戦闘描写は面白い。

3: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 09:30:24 ID:x/hU9IuZ0
登場人物 三侠(七侠)

展昭…人呼んで「南侠」。常州出身、武芸の腕は確かで、身が軽く、皇帝の猫のようなので「御猫」とも。包公こと包拯を助けて大活躍。
 
丁兆蘭/丁兆恵…松江に住む双子の武官。人呼んで「双侠」。兄が落ち着き、弟はちょっとお調子者。
 
欧陽春…碧眼紫髯の容貌から人呼んで「紫髯伯」、又の名を「北侠」。思慮深く賢明だが、放浪癖あり。後に艾虎の養父となる。
 
艾虎…元々覇王荘招賢館の童僕だったが、大きな器量を備えた少年。欧陽春の養子となり、智花に弟子入りする。酒飲みなのが玉に瑕。
 
智化…人呼んで「黒妖狐」。元々覇王荘招賢館の食客であったが、不正や悪事を憎み、欧陽春らと共に馬強を陥れる。育ちがいいので「智公子」と呼ばれることも。
 
沈仲元…人呼んで「小諸葛」。元々覇王荘招賢館の食客で、後に襄陽王の下に身を投じる。内部から陰謀を阻止するために、あえて悪人の下に身を潜めている。

4: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 09:31:33 ID:x/hU9IuZ0
登場人物 五義

廬方…「江南五鼠」の長兄。人呼んで「鑽天鼠」。松江の富豪で、性格は温厚篤実、棹登りが得意。

韓彰…「江南五鼠」の次兄。人呼んで「撤地鼠」。黄州出身で、性格は寡黙だが、頑固な一面も。
     溝掘り、地雷作り、薬の調合などが得意。
徐慶…「江南五鼠」の三兄。人呼んで「穿山鼠」。元鍛治屋で、性格は短慮で無鉄砲。

蒋平…「江南五鼠」の四兄。人呼んで「翻江鼠」、後に「混江鼠」。元は金陵の商人で、外見は病人のように痩せているが、水泳が得意。一言多い性格。
 
白玉堂…「江南五鼠」の五弟。人呼んで「錦毛鼠」。金華出身で、身が軽く、剣もよく使う美男子で、義侠心がある一方で、陰険で残忍、勝気で短慮な性格も併せ持つ。

5: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 09:37:15 ID:x/hU9IuZ0
登場人物 その他
 
仁宗…宋朝の第四代皇帝趙禎。複雑な出生を持つ名君。
 
包拯…若くして進士となり、公明正大にして清廉潔白な役人となる。義侠の士たちをまとめる中心人物。
 
包興…包拯のしっかり者の従者だが、好奇心が強い。
 
公孫策…包拯の右腕となる策士。
 
顔査散…登場時点では科挙受験の書生、苦難の末に合格し、役人となる。白玉堂の義兄弟。
王朝、馬漢、張龍、趙虎…元土龍崗の山賊で、後に包拯の配下に。
 
倪継祖…複雑な出生を持つ若者で、杭州の太守に任命され、覇王荘の馬強の悪事を調査する。
 
雨墨…元々金必正の小童だったが、顔査散の従者になる。世慣れたしっかり者。
 
沙龍…人呼んで「鉄面混合」。臥虎溝の義侠。
 
鐘雄…人呼んで「飛叉太保」。
 
柳青…人呼んで「白面判官」。鳳陽に住む義侠で、「金頭太歳」甘豹の弟子で、「鶏鳴五鼓断魂香」という睡眠薬を使う。
 
丁月華…丁兄弟の妹(従妹)で、後に展昭の妻になる。
 
沙鳳仙…沙龍の娘で、艾虎の許婚の美少女。弾弓が得意。
 
沙秋葵…沙龍の義娘(兄の娘)、沙鳳仙の義妹。醜女だが、性格は明朗快活で拳法が得意。
 
龐吉…仁宗の皇后の父で、国丈と呼ばれ大師の地位にある。権力を握ろうと画策するも、包拯らに阻止される。包拯を陥れようと狙う前半の悪役。
 
襄陽王…皇帝の地位を狙う皇叔。侠客を集め、要塞を造り、陰謀を企む後半の悪役。

12: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/25(水) 08:10:08 ID:XO4OMi8+0
>>3
> 丁兆蘭/丁兆恵…松江に住む双子の武官。人呼んで「双侠」。兄が落ち着き、弟はちょっとお調子者。

名前だけ見たら絶対女の子だよなw

6: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 10:37:59 ID:ls0BDsa60
男装美少女沙鳳仙たんの存在は、現在の武侠小説でも見られる、

「お約束」だね。

16: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/26(木) 10:53:41 ID:o3xkLot+0
>>6
しかも、その男装美少女を女だとは気づかず、美男子だと思って、惚れてしまう娘が出てくるあたりもねw

7: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 16:06:00 ID:WJXOjL0Z0
武侠小説は、三侠五義などの侠義小説を基にして発展したものと聞いたけど、実際かなり共通点が多いよね。
三侠五義での、北侠とか南侠は、射雕英雄伝の東邪西毒南帝北丐に影響しているかなと思うし、江南五鼠も、江南七怪を連想させる。

9: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/24(火) 20:34:06 ID:6IO3YM3P0
北宋の中期は、包拯以外にも、魅力的な廷臣が多いよね。
武将でも、狄青とかの名将が出たし。
何より、朝廷で言論の自由が保障されていて、明るい気風があるのがいい。

18: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/27(金) 00:52:04 ID:JiRlq4E/0
大岡越前のネタってここから翻案したのが多いらしいね?
子供の腕を母親を名乗る二人に引っ張らせたのもオリジナルはこれ?

19: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/27(金) 01:01:36 ID:ljYETDzj0
>>18
それは棠陰比事の中の話じゃなかったっけ?
ちなみに、二人の母親のエピソードは、古くはソロモン王の伝説の中にもある。

20: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/27(金) 01:07:50 ID:JiRlq4E/0
>>19
あ、三侠五義そのものとはちょっと違うのか。
名判官包公こと包拯のエピソードを引いたものが多いというようなことを聞いたことあったからそうかと思ってた。

> ちなみに、二人の母親のエピソードは、古くはソロモン王の伝説の中にもある。

へえ、そうなんだ。
オレが読んだのは確か井沢のエッセイだったような気がするが、三方一両損は大岡のがオリジナルとも言ってた。
こちらは少なくとも棠陰比事には無いエピソード?

21: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/27(金) 01:33:01 ID:ljYETDzj0
>>20
ごめん、自分も勘違いしてた。
棠陰比事じゃなくて包公案だと思う。
三侠と包公案とも、またちょっと別だからね。

22: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/27(金) 01:47:04 ID:ljYETDzj0
>>20
追加で。
念のために、手元にあったんで棠陰比事を調べてみたら、二人の母親どころかふたりの父親が子供を争う話もあったw
どっちも、包丞の話じゃなかったけど。

三方一両損は今のところ見当たらない。

24: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/28(土) 15:27:05 ID:a3i2I0f+0
どっかでまた新しい翻訳本でねーかなー

26: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/10/31(火) 23:56:52 ID:801cTNPH0
何事も、原典を直接読むのが一番。

そんなに長い上に、古典となると、とてもじゃないが読む気しないけどw

27: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/01(水) 23:41:13 ID:wJMM7k/Q0
自分が読んだのは、平凡社のだけど、結構長かった気がする。
コーエー版の方はどんな感じなのかな?
珍訳とか聞いたけど。

35: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/09(木) 23:52:05 ID:ViycpXpl0
現在の武侠小説と通じるところが多いことに驚き

37: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/14(火) 23:30:08 ID:YBw/bV9U0
武侠小説の前段階の侠義小説と言うらしい。

39: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/20(月) 23:46:05 ID:npk1lAni0
仁宗皇帝の出生にまつわる逸話って、何か史実に基づいているの?

40: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/22(水) 08:20:24 ID:7CIG5RwY0
太子取替え事件については真実ではないよ。
あんなに複雑な出生ではない。

41: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/24(金) 00:30:42 ID:dOqFFd+v0
ただ、玉皇がまわりを見回したところ、赤脚大仙に目がとまっただけなんだよね

43: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/11/29(水) 22:24:13 ID:iXrnl1Jy0
微妙に違うけれど、宋代なら角川スニーカー文庫の金陵城内記シリーズとかいいよ

92: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/06/23(土) 11:02:51 ID:UyJBikqm0
>>43
金陵城内記イイよね。
中学高校の頃読みふけった今古奇観や剪灯新話のような怪異小説と現在のファンタジーとがうまくミックスしていると思う。
4巻が出るのをずっと待ってるんだけどなあorz

昔、三侠五義と児女英雄伝を原作としたドラマが始まると聞いて喜んで見ようとしたけど新聞のあらすじに悪代官の包公と出ているのを見てあきれて結局見なかったなあ。
黄土の嵐だったっけ。

44: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/02(土) 22:59:56 ID:jmIgJ87G0
宋代の金陵って設定が何だか新鮮だな。
歴史上も、あまり注目を集めない部分だし。

45: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/03(日) 01:31:55 ID:SXO5hFXt0
北宋が舞台なのに南宋のような描写

49: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/06(水) 23:59:32 ID:IFiYMXJs0
南宋の都も杭州になっちゃったしね。

50: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/10(日) 23:35:43 ID:SbBVSCJQ0
江寧(金陵)は、金との国境線にちょっと近すぎて、怖いから

51: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/15(金) 22:17:26 ID:Fgo7XRRH0
飛竜伝買ってきた

52: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/15(金) 23:29:21 ID:/cSZNafN0
北宋と言っても、とりあえずの統一がなされる前だよ。
趙匡胤の死までだから当然だけど。
趙匡胤のころは、まだ五朝の延長上でしかないわけだから、カテゴリーでは「北宋」とはいえない。
やっぱね、「桃花源奇譚」が、北宋という雰囲気を知る小説としては最強と思う。

53: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/17(日) 20:45:07 ID:Ok5nYuUt0
趙光義の主役の小説ないかなぁ

54: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/19(火) 09:40:46 ID:CIHZPdyb0
太宗が主人公となると、やっぱり一番の見せ場は「千古の謎」の部分だろうね。

57: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/23(土) 01:30:12 ID:mK3Ct0x+0
この時代は、西夏と絡めるのが面白そうだな。

58: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/24(日) 14:06:32 ID:Q6O7nQuv0
つ「万花楼演義」

59: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/25(月) 23:53:09 ID:JZsaPP1x0
狄青とかが活躍するやつか

60: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/26(火) 16:56:05 ID:0E27qDIO0
万花楼演義は、楊家将演義のパラレルワールド的な作品だね。
楊家将では敵役だった狄青と、楊家三代目楊宗保、それに包公包拯が手を組んで、西夏に対するお話。

61: 名無しさん@お腹いっぱい。 2006/12/26(火) 17:33:43 ID:FszGNeDp0
ああ、そういう夢の共演みたいなのは、民衆にとっては最高の娯楽だったのだろうね。
実際の政治体制下では、あってはならないことだけに。
この話は、包公が主導的立場にあって、狄青や楊宗保が前線の司令官というかたちをとっているのでしょうか?

68: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/02/18(日) 23:58:04 ID:xkq6RuBe0
包公案(だっけ?)は三侠五義とは全然別物なのかな。

70: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/02/25(日) 23:51:04 ID:Y73BN7at0
包公案は明代ぐらいからあって、それを基に三侠五義が清代後期に書かれた。

包公案は公案小説、三侠五義は侠義小説。

71: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/02/28(水) 23:51:46 ID:VrroZAlQ0
公案小説 → 侠義小説 → 武侠小説 

73: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/04/09(月) 09:28:17 ID:pOag7Fkq0
七侠五義の方は、登場人物が増やされているのかな?
それとも既存の人物のうち、「侠」の認定を増やしただけ?

76: 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/04/10(火) 23:48:20 ID:UjVbNab60
>>73
増えてないと思う
続編は小五義、続小五義かと

109: 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/02/25(月) 23:51:02 ID:kplE09B60
昔に書かれたものなのに、今の武侠小説と共通する要素が強くて驚かされるな、これ。

120: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/02/09(日) 20:20:06.63 ID:5EY520Q90
水滸伝の後継者と聞いて、(時代設定は先だが)読破したが、なんか時代によるキャラクターの流行が分かるような

① 徐慶、趙虎・・・モデル・李逵、三国志平話の張飛
宋代・元代では人気があったが、すでに清代では流行遅れ
個人的に好かれても、組織人としては失格のため、かませ、足手まといになり、力も弱体化

② 廬方・・・モデル・宋江、三国志演義の劉備
明代では大事な存在で、力も強化させたが、人格はよくても決断力がなく、実務では役立たず、影が薄い存在に

③ 包拯と門弟の清官・・・公案小説の伝統的主人公、水滸伝の宿元景・張叔夜の発展型
明代から現れ、朝廷と義侠を結びつけ、水滸伝の納得が得がたいオチにさせない奸臣を討ち、皇帝を抑える存在としてクローズアップ
話に無理があることが多く、当時でも飽きられやすく、主人公から降りる

④ 展昭、丁兆蘭、丁兆蕙・・・モデル・品行方正になった林冲、史進、楊志
水滸伝で批判が大きかったドキュン要素を抜いた上で、新たに軽功を身につけて主人降格に当時は人気を博するか、面白みがなく、次第に出番を失う

121: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/02/09(日) 20:21:36.30 ID:5EY520Q90
⑤ 艾虎・・・モデル・魯智深
清代まで変わらず人気があるため、少年という要素をいれて、途中から投入
全体の主役までは難しかったが、最後までそれなりに出番を保つ

⑥ 欧陽春・・・モデル・王進?
新たに提示された人格・武芸ともに最強キャラ
出番を限定することで神格化に成功、武侠小説の師匠キャラに影響

⑦ 蒋平・・・モデル・張順
貧相な容貌に、水泳と知略という特技を身につけ、武芸比べだけの単調になるのを阻止
作者がお気に入り過ぎて、途中からほぼ主人公として活躍を独り占めにしてしまう
水泳は特殊で戦いが冴えないため、後の作品には影響は大きく与えず

⑧ 智化、沈仲元・・・モデル・三国志演義のホウ統
知略を使って敵に潜入して、口で敵をだまし、終盤に主人公になる
武侠小説などでよく転用される

⑨ 白玉堂、花冲
美学がそれなりにあるが、陰険で悪辣な複雑な性格をして、味方にも敵にもなる
キャラクターとして、先端を行っていたが、時代が早すぎて勧善懲悪にあわず死ぬ羽目に

引用元: ・▲大宋▲三侠五義▲風雲▲