我々農楽塾が西崎ファームにお世話になるのも、これで4回目だろうか。
期末試験が控えている中、自らの学力を過信した人間は早朝、常磐線に揺られ舞台である茨城の地に降り立った。

本題に入る前に西崎ファームの説明を軽く入れておこう。
西崎ファームとは社長西崎敏和さんが運営している茨城県かすみがうら市にある鴨農場である。この西崎ファームで育てられている鴨は普通の鴨とは一味違う。一般的な家畜は狭い囲いの中で一生を過ごし、彼らが望まない薬剤を人間の意思のままに投与され、そのまま加工されてしまうわけだが、西崎ファームの鴨は自由の身だ。荘厳な筑波山を目の前にしながら自由に走り、彼らが欲する野草を自由に食べて過ごしている。つまり西崎ファームは農薬を使わない野菜、有機野菜と同じように有機鴨を生産している地なのだ。
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そんな西崎ファームに訪れるのも僕自身は3回目となるわけだが、今回は我々農楽塾だけではなく、明治大学の「楽農」4hクラブ筑波大学ののうりんむらといった他大学の農業サークルも合同で活動することになっていた。この交わりは後にとても面白い現象を引き起こし、僕もそれを何となくではあったが活動前から感じ取っていた。

実は西崎さん、かすみがうら市で地域おこしをしようと考えており、今回は実際に僕たちが参加することが予定されていたが、惜しくも環境が整いきれていなかったので中止。その悲しさを払拭させるかのように午前中、僕は西崎さんが所有している農園の草刈りに従事した。炎天下の中で電動草刈り機を振り回す。荒れた土地がみるみると綺麗になっていく。それと共に僕の心も浄化されていく。汗にまみれたつなぎは意識しなくても不快なものであったが、それ以上に草刈りは僕を楽しませてくれた。
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午後は鴨飯、鴨のコンフィ、鴨そば・・・と絶品鴨料理に舌鼓を打ちながら、地域おこしの打ち合わせ。西崎さんのプランをベースにして自由にディスカッションを展開し、プランを発展させていくといった形だ。これもいつもは我々農楽塾と西崎さんのキャッチボールのみであったが、違う種類の人間が加わるといつもより100倍面白くなるものだ。
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自分の思ったことを率直にぶつけていく人、農学部だからこそ得ることの出来る学術的な知識を元に厳格に発言する人、他人の相対する意見を尊重しながらジンテーゼを導こうと試みる人、白熱しすぎた会場を整理するかのようにその場を取り仕切る人・・・本当に様々な人間がいた。ここまで合わない・・・・人間が揃ったディスカッションは初めてかもしれない。しかしながら、だからこそ一人一人の人間的魅力を直に感じることが出来たし、それによって一人一人を本気で尊重する気持ちが芽生えた。周りの環境に圧倒されて僕自身全然喋ることが出来なかったのは反省でしかないが。
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結局このディスカッションは4,5時間にわたり、そして直接的な課題解決にも繋がりはしなかった。その点から言えば不毛だったのかもしれない。だが、この雑多な大学生の集まりそのものが地域おこしにカギを握っているのではないかと僕は感じた。僕はまたこの場で同じようにそりが合わない(・・・・・・)大学生と話がしたい。

物理的にも精神的にもお腹いっぱいの一日だった。ごちそうさまでした。
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Writer:ワクイヨ