準々決勝の相手は都立の名将福嶋監督率いる小山台。
小山台のピッチャーが伊藤君(現ジャイアンツ)のときの2013年秋と安居院君のときの2019年春の2回負けてるので、与しやすいとは言えない相手。
案の定、苦しい試合になった。
前半は小山台の先発木島君を打ちあぐね、ランナーを出してもバントのミスで自滅する早実打線と、走塁ミスを重ねて自滅してくれる小山台という感じの展開だった。
序盤、早実打線は、小山台のピッチャーは木島君の100キロくらいのスローカーブ、120キロ半ばのスライダー、130〜135キロのまっすぐのコンビネーションに狙い球を絞りきれず凡打の山。
良い当たりはするものの、小山台の守備の正面に飛ぶ当たりばかりで、抑えられる。
せっかくノーアウトからランナーを出しても送りバントを失敗したりして、チャンスを自ら潰していくイヤな展開。
すると先制したのは小山台。
2回表、小山台の左バッター3人に内角のボールを狙い打たれ、2点を奪われる。
しかし、小山台の走塁ミスに救われた。
なおも1アウト2・3塁のピンチが続いたものの、続くバッターのショートゴロで3塁ランナーが飛び出し三本間で挟殺、それを見た2塁ランナーが3塁に到達してたはずなのに2塁に戻り始め二三塁間で挟殺。
5回表にも、ヒットで出塁を許したランナーも牽制に引っかかり飛び出し挟殺。
すると、試合の流れは徐々に早実に傾く。
その一因は中村君のピッチングと山中君のリード。
左バッターに内角を連打されて先制された2回表の教訓を生かし、その後、山中君のリードは左バッターのときには外角中心に変わる。
結果、小山台のランナーに出塁を許さなくなる。
こうなれば、あとは早実が得点するだけ。
5回裏、川上君、西村君の連打でチャンスを作ると、続く松永君がセンター前タイムリーで1点を返す。
川上君が塁上からピッチャーに散々プレッシャーをかける素振りを見せていたのがタイムリーに繋がった気がする。
惜しむらくは、その後の2アウト2・3塁で得点できなかったこと。
塁に残ったランナーからは川上君のようなピッチャーにプレッシャーをかける動きが見られなかったのが残念だった。
6回裏、中村君がセンター前で出塁すると、山中君がレフトポール際に大きな逆転ツーランホームラン。
新基準の低反発バットになってからどこのチームもホームランを期待できなくなっていた状況で、この一発は値千金すぎだった。
とはいえ、続く國光君がノーアウトからツーベースを打ちチャンスを作ったにもかかわらず、追加点を奪えなかったことで、その後に向けてイヤな予感がした。
しかも、8回裏、早実は、小山台2番手岡村君から四死球でノーアウト1・2塁のチャンスを作ったのに、送りバント失敗、ショートゴロゲッツーで終わり、最終回の小山台に希望を与えるような終わり方をしてしまった。
すると、最終回、小山台に粘られる。
ツーアウトまでは簡単に奪い、すんなり終わりそうな雰囲気だったのに、バッテリーが3人目のバッターにはきれいな終わり方をしようとして、まっすぐにこだわり、結局、フォアボールで出塁を許す。
追い込んでから一つでもスライダーを投げておけば終わったかもしれないのに…。
苦しんだ試合だからこそ、まっすぐの三振で締めたかった気持ちは分からないではないけれど。
さらに、今日当たっていた8番バッターにヒットを許し、一転して同点のピンチを招く。
小山台は攻撃のタイムに代打、早実は守備のタイムをとって伝令と、急に慌ただしくなって、さっきまでの「もう試合終わりだね」という雰囲気がなくなった。
今日は小山台のブラバンが来ていなかったので、球場の雰囲気が大社戦みたいにならなかったことで救われた感じ。
結果、最後のバッターをセカンドフライに打ち取り、無事に試合終了。
勝つには勝ったけど、スッキリしない終わり方だった。
次の相手は淑徳。
早大野球部出身(田中浩康、早実OBの米田、秋山、星野と同期)の小田部長が就任してから、急に強くなって、東東京ではベスト32、16あたりには毎年あがってくるようになった。
この夏から背番号1を背負うエース八重尾(はえお)君、サイドスローの照井君を擁し、今夏は東東京ベスト8、この秋は一気にベスト4まで勝ち上がってきた。
なお、まだ登板していないけれど、140キロ近いまっすぐを投げる鈴木君もいる。
勢いを感じるチームなので、足下をすくわれないように気の緩みなく行って欲しい。
「和泉監督、甲子園に行きたいです」