センバツが目の前にちらつく準決勝。
去年の秋もここまではやってきた。
ここからが本当の勝負。
今日の相手は淑徳。
鶴巻町世代には淑徳女子のほうがなじみ深いかもしれませんが、共学になってもう20年。
立教出身の中倉監督に、早大野球部出身の小田部長(田中浩康と同期)、東練馬シニアでも指導していた谷川顧問が加わって、近年力を伸ばしてきたチーム。
夏から背番号1をつける八重尾(はえお)君を中心に、この秋は久我山、明八を倒してきた。
早実は1番に川上君を入れた新しい打順が1回表からさっそく機能した。
川上君がライトポール際に落ちる打球で3塁に到達すると、塁上からプレッシャーをかけて、松永君がショートゴロを放ったときにはもう三本間の中間あたりにいて、そのままゴロGoで先制。
前にも書いたけど、川上君は塁上からプレッシャーをかける意識が強いので、それがさっそく点につながった。
しかし、この後、早実は2回、3回、4回と送りバントでランナーを2塁まで進めるも、あと一本が出ず八重尾君から得点を奪えない。
ようやく2点目を奪ったのは5回表。
フォアボールで出塁した白仁田君を送りバントで2塁に進め、ツーアウトから中村君がレフト前に浅めのヒットを放つと白仁田君が俊足を飛ばして一気にホームに生還。
淑徳のレフトが常識通りに、2塁ランナーが3塁に止まる/3塁を回っても帰塁すると思いこんで、3塁に返球してくれたおかげで、暴走気味の走塁が結果的に好走塁になった。
結果オーライ。
白仁田君はこの直前の4回裏の守備では、淑徳が2アウト2塁から打ったセンター前のタイムリー性の当たりをホームで補殺。
これもやや一塁側に送球が逸れたけど、白仁田君が脚を飛ばして前寄りで捕って、素早く返球した結果。
守備は安心できる。
とはいえ、5回が終わって、2-0。
中村君がMax143のまっすぐで淑徳打線を散発に封じているとはいえ、早実も八重尾君の前に得点できず、まだまだワンチャンひっくり返されるかもしれない展開。
しかも、今日の中村君はこれまでと違って序盤から力んで球がうわずっていたので、まだまだ油断できない雰囲気はあった。
早実は6回、7回にもチャンスを作ったものの、追加点を奪えず、淑徳を突き放せない。
ようやく得点したのは8回表。
喜澤君のレフトオーバーツーベースを皮切りにチャンスを作ると、白仁田君が代わった2番手の照井君からタイムリー!
さらに川上君が、降板してレフトに入った八重尾君の頭上を越えるレフトオーバー2点タイムリーツーベース。
さらにホームに返球される間に3塁を狙うと、淑徳のキャッチャーが悪送球して、川上君はそのまま生還。
6-0として一気に試合を決めた。
この試合は最初から最後までなかなか点を奪えない苦しい展開だった。
いつ淑徳に流れが行ってもおかしくなかった。
それをさせなかったのは、早実の守備。
3回裏には先頭バッターをフォアボールで出塁を許し、打席に淑徳では大会を通じて当たっていた高見君を迎えると、中村君が牽制で刺す。
さらに、牽制でランナーを殺した直後に風にあおられてのライトフライ落球でランナーを許すも、淑徳がツーアウトから仕掛けてきた盗塁を山中君が余裕をもって刺殺。
7回裏にもツーアウトから仕掛けてきた盗塁を山中君が余裕をもって刺殺。
自分たちでピンチの芽を摘んだことが大きい。
いよいよこれで決勝。
決勝の相手は、三高、帝京をコールドで倒した二松学舎。
打線が好調ようなので、早実はやはり中村君のピッチングと守備が鍵になりそう。
気合いは入れても力みすぎないように。
「和泉監督、甲子園に行きたいです」