久しぶりの秋の決勝戦。
勝てばセンバツ当確ということもあり、朝から心が浮き踊る。高揚感。
無理矢理14時までに仕事を終わらせて夏の決勝戦以来の神宮球場へ。
寒さもあってかスマホを打つ手が妙にかじかむ。
早実は今日も1回表、2回表とチャンスを作るも無得点。
すると、2回裏、二松学舎の先頭バッターをフォアボールで出すと、連続パスボールもあって3塁まで進ませてしまう。
続くスクイズはサード方向への打球だったものの、高く浮くフライ性の当たり。
アウトが取れそうだなと思ったら、打球と照明のLEDが重なったのかサードが打球を見失い、二松学舎に先制を許してしまった。
寒さとLED照明とで普段見たことのないミスが連続したことはまったくの想定外だった。
ただ、これで決勝戦の要らぬ緊張感が解けたのかもしれない。
その後もフォアボールとワイルドピッチでピンチを広げたものの踏みとどまり、直後の3回表に反撃開始。
二松学舎のピッチャーの送りバント悪送球と國光君のタイムリーもあり一気に逆転した。
さらに5回表には、喜澤君が二松学舎のエース及川君からタイムリーを放ち4-1と差を広げる。
この時点では、相手投手を打ちくずしてる感じはしないけどヒットは出るし点も入るからもしかしてこのまま行けるかなとも脳裏によぎった。
だがしかし、二松学舎は甘くなかった。
早実内野陣の守備の乱れもあり、5回裏、6回裏と1点ずつを返され、4-3と1点差まで追い上げられる。
とはいえ、早実も、7回表に途中からセカンドに入った五木君のライト犠牲フライで1点を奪い、5-3と再び2点差に広げる。
失点直後の得点でもあり、途中交代した五木君が、今大会の抽選を引いた不思議な力で、この決勝も勝利に導くのか、とも思えた。
ところが、そうは簡単にいかない。
7回裏には二松学舎のエース及川君にライトフェン直タイムリーツーベースを打たれ、8回裏には、この回から登板した2番手浅木君がランナーを貯めると、3番手で登板した田中君が代打に犠牲フライを打たれて同点に追い付かれてしまう。
浅木君は良い体躯をしてるのに、左脚の使い方とか、それを生かし切れないまま、いつも下半身だけクイック気味で投げているのが本当にもったいない。
本当はちゃんとした人に投げ方から指導してもらうのが良いと思うけど、自分で勉強するのも、 YouTubeで工藤公康が草野球の選手を改造してる動画をはじめ、色んな処にたくさんヒントある気がする。
https://youtu.be/GCdYz5_6t_8?si=WC136Sih2aMUjQs1
情報過多にならないように取捨選択しながら、ひと冬越したら140キロを超え、かつ、制球が落ち着いたピッチャーになっていて欲しい。
話を戻しましょう。
早実は8回裏に同点に追い付かれたものの、田中君は後続を断ち、9回表の攻撃へ。
早実は先頭の山中君がライト線にツーベースを放ち、勝ち越す絶好のチャンス。
ところが、ギアを入れた二松学舎のエース及川君に後続が打ち取られ勝ち越しならず。
チャンスがあったのに点を入れられなかったとき、試合の流れは相手に行ってしまうもの。
案の定、9回裏に1アウト1・2塁のピンチを招くと、二松学舎の代打大橋君に高い音を残した痛烈な打球を打たれる。
これは終わったなと思った刹那、その打球を國光君が伸ばしたミットで掴み取り、ゲッツー完成。
凌ぎきった。
國光君には夏からずっと守備で助けられている。
この秋は打撃での貢献度が高くはなかったものの、守備はあいかわらず頼りになった。
これで、タイブレークに突入。
すると、甲子園の大社戦、三重海星戦、関西戦、神宮球場での三高戦など…ナイターになると、なぜか記憶に残る試合を繰り広げる早実の本領発揮。
守備に関しては、さすがに内野5人隊形はなかったものの、10回裏、11回裏とゲッツーで凌ぎ、雰囲気は悪くなかった。
むしろ、こんなゲッツーとれるの?というくらい見事な守備で場内が沸き、次の早実の攻撃に繋がりそうな雰囲気さえあった。
しかも、3番手で登板した田中君はピンチになっても動じず、試合を壊すこともなかった。
とても高校からピッチャーにコンバートされたとは思えない落ち着きぷりだった。
ところが、早実は、攻撃では、10回表、11回表は1アウト2・3塁の場面を作り、12回表はノーアウト満塁の場面を作るも、そこからは強硬策一辺倒で1点を奪えず、勝ち越せない。
しかも12回表は、ノーアウト1・2塁でボテボテの当たりでのセンター前ヒットだったので、攻めの走塁を見せてほしかった。
先攻でノーアウトなのに、なんで止めたんだろう。
自分たちからチャンスを潰しにいく拙攻とも言える。
新チームになってからの数少ない練習試合やこの大会でも同じようななんで行かないの?と思う判断があった。
今は新基準バットに不慣れで長打が期待できず、打球のスピードも落ちているので、ワンヒットで生還する走塁の必要性は高い。
冬の間に打球と走塁判断の練習を繰り返して欲しい。
話を戻しましょう。
早実が12回表に絶好の勝ち越しのチャンスを潰すと、勝利の女神は二松学舎の下へ行ってしまった。
12回裏はバスターでノーアウト満塁にされると、最後はスクイズを決められて試合終了。
攻撃の選択肢が豊富だった二松学舎の前に屈することになった。二松学舎の優勝は21年ぶり。
早実は何度も目の前までたぐり寄せていた勝利を手放してしまった印象を受ける。
これで早実のセンバツ出場は、二松学舎が神宮大会で神宮枠を獲得するか、選考委員会が関東5校目との比較でどう判断するか次第になった。
モヤモヤしたまま、来年1月24日の選考を待つことになりそう。
今大会を通じてわかったのは、早実の攻撃での決め手の無さ。
新基準バットになり、かつ、宇野君、高崎君、石原君ら長距離ヒッターが引退したことで、この秋は昔ながらの送りバントを多用する野球スタイルに変わった。
おかげで、1アウト2塁のチャンスを作る機会は増えたものの、あと1本が出ない。
夏はどうやって解消していたのかが気になって、決勝の映像を見たけど、足を使うことに積極的だったように見えた。
さらに、昔ながらの野球スタイルの最高峰でもある箕島や広島商の野球はどうやってたのかが気になって調べてみたら、プッシュバントを効果的に使っていた。
もちろん個々の打力が上がるのがベストだけれど、そんなところに得点力をあげる鍵がありそうな気がする。
攻撃、走塁、守備すべてが冬の間にレベルアップすることを期待します。
「和泉監督、甲子園に行きたいです」