早実、黄金時代への道〜「早実、甲子園への道」第3章〜

ALYの高校野球観戦記。このblogは、 新・早実を応援するページの一コンテンツです

カテゴリ: 2024宇野主将



甲子園3回戦の相手は大社高校。
エース馬庭君を擁して、開星、石見智翠館(江の川)、報徳学園、創成館を倒して勝ち上がってきた。

前回の鶴岡東戦と同じく、前半は馬庭君と中村君の投手戦。

早実は高崎君、石原君の3年生2人の打撃が絶好調でヒットでランナーを溜めるも後が続かず、初回に許した1点を追いかける展開のまま中盤へ。

6回表、高崎君、石原君のヒットを皮切りに満塁のチャンスを作って、國光君のセカンドゴロの間にようやく1点を返し同点に。

前回の鶴岡東戦では得点紺碧を歌えなかったので、ようやく2試合ぶりの得点紺碧。

すると、7回表には内囿君のセンター前ヒットを、大社高校のセンター藤原君がトンネルし、内囿君は一気に生還。
2イニング連続の得点で勝ち越し、溜まってたフラストレーションが解き放たれた。

ところが7回裏、中村君の球速がそれまでのイニングから急に10キロくらい落ちた。
最後のまっすぐこそ130を超えていたけど、それ以外はまっすぐも120超えるくらいになった。

すると、8回裏からマウンドに川上君が登板。
大社高校の大声援を尻目に大社打線を危なげなくビシッと抑える。

この時点で、9回裏の大社の応援は球場全体を巻き込んでヤバいことになりそうだとは想像できても、だれが球史に残る展開が訪れると予想できただろうか。

始まりは、9回裏の守備のミスだった。
セカンドゴロを悪送球、バックアップに入ったキャッチャーも後逸して、バッターランナーは一気に2塁に進塁。

さらに続く送りバントを捕球するもどこにも投げられず、ノーアウト1・3塁と同点、さらにはサヨナラのランナーまで出してしまう。

すると、大社にスクイズを決められ、早実は同点に追いつかれてしまった。

しかも、早実はこのスクイズの打球をどこにも投げられずノーアウト1・2塁とされ、続くバッターに送りバントを決められ、1アウト2・3塁の大ピンチを招く。

ここで、早実はレフト石原君をベンチに下げ、1年の西村君に交代。

場内アナウンスされたときは、「西村君って内野だよな?なんでレフト?守備固めなら片山君か松尾君ではなくて?」と思っていたら、何やら内野席の観客がザワザワしている…

しかも目の前に居る灘本君が右中間へ、三澤君が左中間へ動いていく

???となって、目をこらすと、西村君がピッチャーよりも前にいる

え?えーーー!

内野が5人

去年の選抜で山梨学院がやっているのを見たけど、それともフォーメーションが違った

果たして、これがハマる。

スクイズを封じられた大社は強行するしかなく、打球は変わった西村君の前にボテボテのゴロ、サードランナーを目で制してバッターランナーを一塁でアウト

すると、三塁ランナーはベースまでは戻りきってなかったのでホームへ突っ込む。

ここからファースト國光君から山中君にどんぴしゃな送球でゲッツー!

ピンチを切り抜けた。

ここで内野5人体制にした和泉さんの采配と、1年ながら守り切った西村君と、間違いのない送球をした國光君と、上手い具合にランナーを下からタッチした山中君と、全員が求められる最高のプレイをしたおかげでピンチを切り抜けた。

早実でこんなプレイが見られるなんて。
最高に盛り上がった。

ただ、これができるなら、1回目の同点スクイズを決められる前に、内野5人にすることはできなかったのかな?とも思った。

早実はこの勢いをタイブレークで生かしたかった。

だがしかし、10回表、早実は送りバントを連続で失敗しチャンスを作れぬまま無得点。

せっかくの流れを自分たちで切ってしまった。

しかし、10回裏、國光君がまたも猛チャージで大社の送りバントを防ぎ、またも早実に流れが来かける。

ところが、11回表は、良いところなく無得点。

甲子園の神様は気まぐれ。
チャンスを生かせないチームから、神の国から来たチームの元へ行ってしまう。

11回裏、サード線ギリギリのところに絶妙な送りバントを決められ満塁のピンチを招くと、打席にはエース馬庭君。

馬庭君の打球は川上君の足下を抜けセンターへ…。

終わってしまった。

試合後には、アルプスの挨拶で泣き崩れている中村君と川上君の2年生2人を、3年生の石原君が抱きかかえ背中を押してベンチまで引き上げていく姿が印象的だった。

高校野球生活の最後を迎えて一番泣きたいはずの石原君が、マウンドを支えた下級生2人にお兄さん的振る舞いをしている姿を見て、このチームはこうやって3年生が強い気持ちで支えているから下級生が多くても成り立っていたんだなと思った。

と同時に、この学年は、下級生のピッチャーに負担をかけることにもなった。その負担を乗り越えて甲子園に連れてきてくれた下級生のピッチャー陣への感謝の想いもあったのかもしれない。

石原君の後ろ姿を見て、そんなことを感じた。

西東京大会で優勝したときにも書いたけど、このチームはGWや6月の練習試合を見ていたときには、甲子園なんてほど遠い印象しか受けなかった。

それが西東京大会初戦の明八戦を苦しんで勝ったのを端緒に、毎試合プレイスタイルが成長し、野球がどんどんうまくなっていった。

最後こそ、エラーが重なったり、バントができなかったり、いつもの感じに戻ってしまったけれど、負けるときはそういうもの。

久しぶりにこんなに楽しい夏を過ごさせてくれて感謝しかない。

夏になると途端に想像しきれない成長を見せる早実からはやはり今後も目が離せない。

あと一つ。

西東京大会〜甲子園での和泉さんのコメントを見ていると、辞めることを意識してるのか(そろそろ定年だからなのか)、それとも死期でも迫ってるのか、という印象を感じさせるコメントが目につく。

2年生のレギュラーが5人も残るのだから、きちんと育てて、もっと良いチームを作る責任はまだ残ってますよ。

「気力」

王貞治大先輩が書かれた言葉を大切にしてほしい。

「和泉監督、センバツも出たいです」

甲子園での2戦目の相手は、U18日本代表候補のサウスポー櫻井君を擁する鶴岡東。

最近は甲子園でも良い試合をしているので、簡単には行かない相手だと思っていたものの、予想以上に苦しむ試合になった。

試合序盤は鶴岡東櫻井君と早実中村君との投手戦。
3回までお互い1人のランナーも許さない。
今年の早実では見たこともない試合展開。

中村君は今日は序盤から制球が定まり危なげないピッチング。
故障する前は7回くらいまでこういうピッチングをするときもあったけれど、公式戦でここまでの出来は初めて見た。
1戦を経たことで大舞台での肩の力が抜けたからなのか、初戦の2回以降は失点しなかったことで自信を持てたのか。
それとも、櫻井君のチェンジアップに翻弄される早実打線を見て、自分がこの試合で背負う役割の重要性を感じて意気に感じたからなのか。
エースの矜持を見た気がした。

試合が動き始める兆しを見せたのは、4回に雷で中断した後。

4回表に鶴岡東に脚を使われて2アウト3塁のピンチを迎えると、4回裏には高崎君が内野安打で出塁した後、二盗してチャンスを作る。
とはいえ、両校とも無得点に終わって、そのままクーリングタイムへ。

動き始める兆しだけで終わった。

こういう展開の場合は、お互いが我慢するしかない。
ミス1つが命取りになりやすい。

すると、後半、早実は守りが冴える。

6回表に2アウトから鶴岡東にランナーを許すと、そのランナーが試みた盗塁を山中君が余裕の刺殺で、ピンチの芽を摘む。
GW明けからキャッチャーにコンバートされたばかりとは思えないほど、山中君のスローイングは安心して見ていられる。

7回表には1アウト2塁の場面で迎えるは、4番エースの櫻井君。
この試合で最大のピンチと言ってもいい場面。
このピンチも早実は至って冷静に、送りバントで1塁が空いたこともあり櫻井君を申告敬遠し、続くバッターを空振り三振とサードゴロで凌ぐ。

ピンチの後にはチャンスあり。
ところが、早実はチャンスをことごとく潰す。

7回裏、早実は高崎君のレフト線ツーベースを皮切りに1アウト2・3塁。
この試合初めてのチャンス。
すると、ここで代打。
どう考えてもスクイズを前提とした人選。
しかし4球連続でセーフティスクイズの後、普通のスクイズに切り替えたかと思えば2球連続で失敗し、結果、スリーバント失敗に。
続く中村君も打ちとられ無失点。
致命的になってもおかしくないミスだった。

続く8回裏にも先頭の内囿君がショートゴロエラーで出塁。
しかし、鶴岡東の櫻井君も冷静で、ちょっとリードの大きかった内囿君は牽制で刺されてしまう。

2イニング連続での早実が自滅し、非常に悪い展開。
こういうときは鶴岡東に流れが行ってしまいがち。

しかし、その流れを渡さなかったのは、タイブレークでの2年生の國光君と山中君の守備。

延長10回表ノーアウト1・2塁からの見え見えの送りバントに國光君がキャッチャーの目前に迫るほどの猛チャージをして3塁で刺す。
春以降の練習試合でこの猛チャージをしているシーンをよく見たので(例年の早実でこんな猛チャージは見かけない)、練習の成果が実った瞬間だった。
今日の國光君は厳しいファーストゴロも何本も捌き、またサード、ショートからの難しい送球にも対応し、この試合での守備での貢献度は非常に大きかった。

そんな國光君の活躍でチャンスを広げられなかった鶴岡東は、どうしてもランナーを進塁させたいからか、次にダブルスチールを仕掛ける。
すると、これを山中君が3塁で刺殺。
この刺殺は鶴岡東に精神的に大きなダメージを負わせることができた。
山中君の肩は本当に大きな武器になる。

こういう場面では往々にしてキャッチャーからの悪送球が外野を転々とする光景をよく見かけるけれど、レフトの守備固めに入っていた片山君も3塁のすぐ後ろまでカバーリングで入っていた。

さらに、続くセンター前に落ちそうな難しい打球を、代打からそのままセンターに入った松尾君が膝をつけそうなほど屈んでキャッチ。
スクイズできなかったミスを引きずらず、気持ちを切り替えて守りで貢献できたのは、松尾君本人のメンタルにとってもよかったかもしれない。

この回を終わった後、中村君はベンチに戻る際に足を攣ってびっこを牽いているくらいだったから、この守備が中村君を助け、この試合の行く末を決めたと言ってもおかしくない。

すると、10回裏はノーアウト満塁の場面で、治療明けの中村君が初球をライトオーバーのサヨナラタイムリー。
中村君が自分で試合に終止符を打った。

このチームが秋春夏と通じて、今日が一番張り詰めた試合だったかもしれない。
そんな試合を経れば、選手たちはまた一段階成長してくれるはず。

次の対戦相手は、大社。

大会前から評判の高いサウスポーMANIWA君と1塁駆け抜け3秒台のトップバッター藤原君を擁し、開星、石見智翠館、報徳、創成館を倒し続ける。
去年の秋には中国大会にでているし、たまたま出てきた訳でも、勢いだけで勝ちあがってきたわけでもない。

馬庭君は鶴岡東の櫻井君と同じサウスポーだけれど、チェンジアップなど変化球が多かった櫻井君とは対照的に真っ直ぐとスライダーが多い印象。
早実打線とは噛み合いそうな気がする。

大社は島根大会でも甲子園での報徳戦、創成館戦でも見せたように、盗塁や積極的な走塁が目立ち、かつ、バントやスクイズが圧倒的に多い。
投内連携でバタバタしないようにアウト1つを大切にしたい。

「和泉監督、全国制覇がしたいです」

ついにやってきました。
9年ぶりの夏の甲子園。

ワクワクドキドキした高揚感が止められず、思わず開会式から甲子園に入り浸り、昨日は前夜祭の宴、今日は4時起きでの甲子園入り。

試合中ずっとテンションが高かったので、正直、試合内容はあまり覚えていません。
宇野君西東京大会以上にすごすぎるという印象と試合後に酒を浴びるように飲んで、新幹線は爆睡して気がついたら東京に戻ってきていた記憶しかない。

ですが、それだと観戦記にならないので、思い出して振り返ります。

試合は、1回表、1アウトから宇野君がライト前ツーベースを打ったところから動き出した。
外野が深く守っていたこともあり、ゴロの打球で迷わず2塁へ。
西東京大会のときと同じ積極的な走塁姿勢を見せる。
残念ながらこの回は得点に結びつかなかったけれど、これで他の選手たちも緊張から解き放たれたのではないかと。

チャンスの裏にはピンチあり。
ということで、1回裏、早実先発中村君はコントロールが定まらず、2連続フォアボールでランナーを貯めた後、連続タイムリーを浴びて先制を許してしまう。
嫌な展開。

ところが、このピンチを打開したのは、やはり宇野君。
2アウト満塁のチャンスに鳴門渦潮のエース岡田君との意地のぶつかり合い。
10球粘った末に、勝ったのは宇野君。
高々と舞い上がり、無風だったのに伸びて、レフトフェン直の走者一掃3点タイムリーツーベース。
これで逆転。

ここからしばらくは、早実中村君、鳴門渦潮岡田君が粘って試合は膠着。

試合が再び動き出したのはクーリングタイム明け。
ここからは一進一退。

まずは6回表。
國光君、内囿君の連打からチャンスを作ると灘本君のセカンドゴロの間に1点追加。
しかし、6回裏には、早実バッテリーのパスボールのミスもあり、1点を返される。

すると、7回表には、今度は高崎君、石原君の連続センター前でチャンスを作って、山中君、國光君が連続タイムリーで2点追加。
しかし、7回裏には、フォアボールでランナーを許したのをきっかけに1点を返される。

ところが、今日の早実は点を獲られても試合の流れを相手に渡さない。

8回表には2アウトから宇野君がレフト前ヒット&レフトお手玉の隙に2塁を奪うと、高崎君のセカンドゴロの送球が逸れる間に、宇野君がホームイン。
走塁で点を奪う、西東京大会と同じような面を見せる。

宇野君だけでなく、高崎君、石原君、内囿君の3年生、山中君、國光君、灘本君の2年生もよく振れていて、打線の切れ目なく点を奪える。足も使える。
甲子園初戦の緊張を感じさせないパフォーマンス。

8回裏からは川上君がリリーフ登板して、6回以降打線が目覚め始めていた鳴門渦潮を止める。
川上君は地元兵庫県に凱旋して、西東京大会に続く好リリーフ。
これで試合の勝敗へのムードはほぼ決まった。

鳴門渦潮の守備も意気消沈したのか、9回表には、レフト前ヒットを打った山中君を塁に置き、代打磯田君が打ったセカンドゴロを鳴門渦潮のセカンドゴロをトンネルするミスで1点追加。
それまでの緊張感のある展開からはちょっと考えにくいかたちで得点し、これがダメ押しに。

最終回も川上君が危なげなく抑え、9年ぶりの勝利。
やはり歓喜の紺碧はうれしいね。

次の対戦相手は鶴岡東。
昔の鶴商学園といったほうが馴染みがある人が多いかもしれない。

早実が甲子園から遠ざかっていたここ数年、山形県の代表として甲子園で結果を残している。
直近は、
2019年は高松商、習志野に勝って関東一に1点差で惜敗。
2020年は交流試合で航空石川に勝利。
2022年は盈進に勝って近江に敗戦。
今年のチームは、昨秋、今春とも東北大会で青森山田に5点を奪われて敗退。
鳴門渦潮と同じ4番エースの櫻井君のほか、春の東北大会では2年生の杉浦君が2試合とも先発して投げていた。どちらも左投げ。

今日の聖光学院戦では8番を打っていた田崎君が春は1番を打っていたので、田崎君の調子が戻ってきたら怖いかも。
あと3番の日下君は小柄だけれど長打力もある。
何度か見ているけれど、足も使うし、結構良いチームです。

次も一進一退の打撃戦になるかもしれない。

「和泉監督、全国制覇がしたいです」


久しぶりの決勝
相手はライバル日大三

ワクワクと気持ちが高ぶりつつも、なぜか大丈夫じゃない?と落ち着いている自分もいて、いつもの決勝を応援しに行くときの気持ちとは少し違った
久しぶり過ぎたからかもしれない

果たして、和泉監督が率いる早実の決勝戦らしい、壮絶な点の取り合い
まるで和泉監督就任直後の1995年早実対帝京戦(13-15)、96年早実対国士舘戦(8-6)、97年早実対岩倉戦(12-14)の3年連続決勝バカ試合を思い出す展開で、10-9のサヨナラ勝ち! 
9年ぶり29回目の優勝、30回目の甲子園出場を決めた

おめでとう

試合は中村君の危なげない立ち上がりから幕を開けた
今日は調子良いじゃんと思って見ていると、直後の1回裏に宇野君の右中間タイムリーツーベース、石原君の2点タイムリーツーベースでいきなりの3点先制

宇野君はもちろんのこと、石原君も前の試合から当たりが戻ってきた
今春から採用された飛ばないバットになってから右中間方向への大きな当たりはあまり見なくなったけど、こういうツーベースを良くみるようになった

石原君はどんな当たりでも一塁への全力疾走は常に怠らず、外野守備でもセンターの三澤君が難しいセンターフライを捕りに行くとには必ずバックアップにきちんと走ってる

そんな実直さが実を結んだようなタイムリーだった

ここまでは、もしかして、もしかすると早実の一方的な展開になっちゃったりして?と淡い期待をしてしまっていた

しかし、その流れに味噌を付けたのが中村君のバント失敗ゲッツー

淡い期待から現実に戻された

2回表に三高に1点返される

ここまでの流れで和泉監督は、今日の試合を打撃戦と割り切ったのかもしれない

2回裏に先頭の國光君が出塁すると内囿君に送らせずに、國光君二盗
内囿君がフォアボールでランナーがたまってようやくバント

結果は1点だけだったけれど、大量点狙いの采配なことはわかった

すると、打撃戦に呼応したのは三高

3回表、中村君はランナーが溜まったところで、レフトからライト方向への風にも乗って、同点スリーランを浴びる

そこからは一進一退の攻防に

互いに毎回のように得点を重ね、リードしたり、されたりを繰り返し、7回を終わった時点で8-9と1点のリードを許す

そろそろ追いついておかないと焦りが出始める頃

この流れを変えたのが8回表から登板した川上君
7回裏の早実の攻撃が3人で抑えられちょっと嫌な空気が漂ったところで三高を3人でピシャリと抑え、三高にも早実にもお互いの空気が変わったことを感じさせた

川上君は、今までの試合でも今日の試合でも、登板しないときにはベンチのホーム寄りに立って内外野の守備位置に指示を出したり、攻撃中もベースコーチにかわってランナーに指示を出したり、まるで監督かのような動きをして貢献していて、今日はピッチングでも大貢献

すると、川上君のピッチングに応えるように、8回裏、宇野君が出塁すると二盗を決め、高崎君が値千金の同点タイムリーで追い付く

宇野君は打撃に注目が行くけれどこの脚も魅力
今までの早実はほとんど脚を使った攻撃がなかったのに、久我山戦あたりから脚を使い始めてチャンスを広げて得点する場面が増えてきた
順番に打席でバット振ってるだけの野球から、ようやく強いチームの野球にかわってきた感じがした

高崎君は初戦の明八戦の同点タイムリーといい、今大会では、本当に勝負強いバッティングを繰り返している

1年生でデビューしてから今春まではそこまで打っている印象がなかったので(ごめんね)、春以降の練習試合や特にこの夏の大会での打撃は目を見張る
やはり1年生のときから使われるだけのことはあるなと認識を改めた

川上君は9回表のピンチを凌ぐと、9回裏にはライト線ポテンツーベースでチャンスを作る

すると山中君の送りバントを三高のピッチャーがFcして、國光君のフォアボールを挟んで、内囿君のレフト前サヨナラタイムリー!!

内囿君は初戦こそ守備のミスがあったけど、その後は落ち着いた守備を見せ、今日はバッティングでも大当たり

内囿最強と書いたTシャツを着て応援していたお兄さん?友だち?もきっと喜んでいることでしょう

悲願だった9年ぶりの甲子園が、まさかこんな展開で叶うとは夢にも思っていなかった

ありがとう

ハッキリ言ってしまうと、ここ数年の早実を見ていて、もう甲子園は厳しいのかなとも思っていた

早実の練習試合を見ないで、早実OB長島君が指導する都市大塩尻の試合を見に長野大会や北信越大会まで行ったり、他の強豪校を見に行くことも度々だった

今年の早実も、GWの遠征〜6月の練習試合を見たときは、夏は厳しいかなあという感じだった

そもそものエースが思わぬかたちで離脱
2年生エースになった中村君も春に肘を故障して長期離脱
野手はポジションが固まらない
打順は決まってない
攻撃は淡白
などなど

ところがGW頃から、三澤君が故障から戻りセンターへ、山中君と松尾君、喜沢君の3人がキャッチャーへ、田中君がピッチャーに、と続々コンバート

唐箕君はピッチングスタイルをのらりくらりに大胆に変更

仕舞いには6月の練習試合が全部終わってから宇野君と高崎君の三遊間を入れ替え

これがものの見事に全部ハマる

しかも本大会が始まってからの三澤君1番抜擢、序盤不調だった宇野君2番降格が、三澤君の好調維持と宇野君の復調により、結果オーライ的にどハマり

これはもう完全に和泉マジック

今では甲子園でもそこそこ行ってしまうのではとすら期待してしまう
図々しくてすみません

今のところ、和泉監督の前任校の南陽工、斎藤佑樹擁する聖和学園、早実と甲子園で勝負した中京大中京、大阪桐蔭、明徳義塾などが甲子園を決めている

どこと対戦しても面白そう

良い試合を甲子園で見られることを願ってます

西東京大会でベンチに入れなかった選手も、甲子園でのベンチ入りはまだチャンスがある

過去にも西東京大会ではベンチ入りを逃して、甲子園ではベンチ入りした選手もいる

最後の足掻きでベンチ入りを狙ってほしい

「和泉監督、甲子園で優勝したいです」

ついに準決勝まで勝ちあがってきた。
準決勝の相手は日大二。

昭和57年夏の甲子園、池田高校と2回戦で戦ったのが日大二、準々決勝で戦ったのが早実。
同じ大会で同じ相手に負けるとは奇遇だね。
日大二は、あの夏以来の甲子園を目指す。

だがしかし、今日は早実打線が初回から爆発して、そんな日大二に襲いかかる。

1回表2アウト3塁の場面で、今日は4番に復帰した石原君が期待どおりにライト前タイムリーツーベースで先制すると、続く中村君もタイムリーで2点先制。

山中君がフォアボールでチャンスを広げた後、國光君がライト前にヒットを放ちさらに1点追加かと思いきや・・・。
國光君はライトがボールを弾いているのを見て2塁を狙う積極的な走塁を見せたものの、2塁でタッチアウトに。その一方で、2塁ランナーはホーム生還前にスピードを緩め、ホームに到達していなかったために、國光君のアウトが先で得点ならず・・。
1塁ベースへの全力疾走のみならず、ベーラン、ホームへの生還も全力疾走を貫かないと点を取れないという良い教訓になったのでは。

2回表には1アウト1塁からエンドランを仕掛けるも、ショートライナーゲッツーとなり無得点。
しかも、2回裏に日大二に1点を返され、1点差に迫られる。

このままで行くと、ちょっと嫌な流れになりそうだった。

ところが、3回表、早実打線が止まらなくなった。

3連続フォアボールで満塁とした後、2回裏に盗塁を刺す良いプレーを見せた山中君が今度はタイムリーでチームに貢献して1点を挙げた。
ここから國光君、内囿君、灘本君と連続タイムリー。

灘本君は練習試合では結構打っているけれど、夏の大会ではこれがようやく初ヒット。
なかなか使ってもらえず、使ってもらえても即交代が続いていたので、これで良い波に乗っていくと、打線が本当に繋がるようになる。

三澤君の犠牲フライを挟んで、宇野君、高崎君のタイムリー。
石原君、中村君の連続フォアボールを挟んで、再び、山中君、國光君、内囿君と連続タイムリー。
怒濤の12得点だった。

2010年の夏の甲子園で中京大中京戦では初回に7得点、5回に12得点だったので、それ以来の怒濤の攻撃。あの試合で4番だった小野田君は、今日も都市対抗野球、東京ガス対ENEOS戦でタイムリーを打ちました。

3回表が終わった時点で14−1。

誰もが、今日こそは5回コールドと思ったはず。

ところが、今日も4回以降は攻守とも課題が残る展開になった。

4回表はフォアボールで出塁した高崎君が盗塁してチャンスは作ったものの、二高近石君のスローボールピッチャーの前に凡打で無得点。
5回表は再びマウンドにあがった二高のエース鈴木勝君の前に中村君がフォアボールで出たものの、凡打と牽制死。

さらに、5回裏には、二高の意地と中村君の疲れが重なったのか、集中打を浴び、しかもうち2本は長打(ツーベース)で2失点。
しかもランナーが3塁に残り、久我山戦の悪夢が頭をよぎる。
「コールドを回避されたら、またズルズル行ってしまうかもしれない。ここから試合中に気を引き締め直すのは難しいのでは」
そんな思いをしながら見ていた。

大量得点差と暑さで集中力が切れたのかもしれないけれど、これは大いに反省すべき終わり方。
5回コールドで終わったから結果オーライだけど、決勝に向けて不安要素。

この2イニングを選手たちがどう受け止めて、決勝に臨むか。

決勝の相手は日大三高。
しょっちゅう対戦しているようで、夏の決勝で当たるのは2011年以来13年ぶり。

左の谷亀君はスピードはないけれどコントロールがよく、スライダーもよくきまる。
攻撃陣も準々決勝で2本のホームランを打った2年生の本間君を筆頭に、相変わらず。
走塁もソツがない。
決勝で戦うに相応しいライバル校。

3年生は早実に入学してからの2年半の集大成。
2年生、1年生も甲子園に行ける大チャンス。
今まで見たことがないくらいの早実ファンで神宮球場が埋まるので勝手にアドレナリンが出ると思うけれど、気負いすぎず、緊張しすぎず、でも、全力で悔いなく戦って欲しい。
自ずと結果はついてくる。

「和泉監督、甲子園に行きたいです」

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