2017年08月11日

第29小節が一拍ほど長い

昨年の今頃、アーノンクールが指揮したベートーヴェンのミサ・ソレムニスというCDを買った。ベートーヴェンの主要な曲はほとんどCDを持っているが、彼の作曲した宗教曲ってどんなだろうというのが動機。
ミサ・ソレムニス1


今年の2月になってCDを購入したアマゾンから「CDを制作したメーカーより不良箇所があるとの報告を受けたので、そのメーカーのサイトにアクセスして欲しい」とのメールが来た。通販でCDを買うとこういう連絡が来て便利なんだなと知る。メーカーのホームページでも告知はされているんだろうけれど、それを見に行くことはないし、またトップ画面にデカデカと表示されているものでもない。お店でCDを買っていたらこの情報を得なかったのは確実である。


ところで不良箇所ってなに? ノイズが入っていたりはなかったけれどーーーと思いながらメーカーページにアクセスすると、そこには「第29小節が一拍ほど長い」と書かれていた。

ミサ・ソレムニス2

不良品扱いで新しく作成されたCDと交換となった。そこでパソコンに取り込んであった音楽ファイルで問題の箇所を新旧で聴き較べてみる。確かに一拍違う。♪キミガアヨオハが♪キミガアヨ・オオハになっているような感じ。実際にはもっとテンポの早い部分なので差はごく僅かで一瞬。しかし案内を読んだ時は、たった一拍長いことによく気付いたなと思ったが、この曲をよく知っている人なら違和感を感じただろう。メーカーが発売後に聴き直して発見したのか、あるいはユーザーから指摘されたのだろうか。


それにしても、どうしてこんなことが起きるのか。メーカーページの案内で「マスターテープ制作の過程で発生した」とあるから編集工程での操作ミスなのか。

CD(昔はレコード)を制作する時には、同じ曲を何度も録音して、それぞれの出来のよい部分をつなぎ合わせて編集する。始まったのはビートルズの時代あたりかな。クラシックはそんなことをしているイメージはないが、実際にはごく当たり前に行われている作業。

またクラシックはコンサートを録音した、いわゆるライブレコーディングも多いが、そういうCDでもつなぎ合わせは行われている。CD化を前提としたコンサートなら同じプログラムを複数の公演で演奏する。たとえ1日しか開かれないコンサートでもゲネプロと呼ばれる、衣装や照明なども含めて本番とまったく同じように演奏する通し稽古があるので、少なくとも2本の録音が確保できる仕組みになっている。コンサートでは演奏の出来不出来だけでなく観客が咳をしたなどのトラブルにも備えなければいけない。購入したミサ・ソレムニスもライブレコーディングである。


それで、もし編集工程での操作ミスだとしたら第29小節のところで別の録音をつなぎ合わせたことになる。ある録音のABCDEFのうちDEFを別の録音に差し替えるつもりが、間違えてDの後にDEFを足したから一拍多くなる。

しかしである。問題の箇所は音楽としてまったく途切れていない部分なのである。♪キミガアヨオハと♪チヨニヤチヨニをつなぐならイメージできるが、キミガとアヨオハのところで入れ替えた感じ。機材や編集技術の進歩でそういう箇所でも入れ替えが可能になったのかな。

私にとってCDの交換前と後で音楽的に違いはまったくないのだけれど(^^ゞ、その原因には興味が湧く。「不良品を聞かされていたのだからメーカーに説明責任を求める権利がある」と誰かソニーミュージックに尋ねてくれないかな。











wassho at 13:16│Comments(0)音楽、オーディオ 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔