クラシックCD好きのホルン吹きニョッキ

お薦めクラシックCD・クラシック演奏会・オーケストラなどの紹介、感想。 気まぐれに綴った日記です。

ラヴェル

クラシックCD紹介その642 (ラヴェル 弦楽四重奏曲ヘ長調)4

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桜もかなり散りつつある東京ですが花粉がかなり舞っているらしく、朝からくしゃみが止まりませんでした

私は花粉症ではないと思っていますが、もしかしたらデビューかも知れない。
取引先でもくしゃみを我慢しながら何となく滑舌の悪い口調になるし、鼻水が止まらなくなったり。もしかしたら花粉症ではなくて風邪かしら?なんて思ったりもして。


今のところ最終的な判断が出来ないでいます。風邪なら次第に熱っぽくなるハズですね。

さて原発の余波は経済だけでなく、文化面にも多大な影響が出ていて、GWに毎年行っているラ・フォル・ジュルネの中のびわ湖の音楽祭に予定していた某ドイツの楽団(指揮者も)が来日キャンセル。
実は香港旅行キャンセルした私ですが、このびわ湖の音楽祭に行く予定です(相方には大河ドラマの江の故郷巡りしよ。と銘打ってびわ湖行きますが本当の目的はこっちなのだ)。


幸いというかチケット確保しているのはこの楽団ではなく、仲道郁代が出演する日本センチュリー響(元大阪センチュリー響)のベートーヴェンプログラムなので直接は関係ないけれど、やはり来日キャンセルは寂しいですね。


西日本とは言え、海外からみれば日本一括りですから。
有楽町や金沢や新潟は大丈夫かな?心配であります。
さて本日のCDです。


ラヴェル  弦楽四重奏曲へ長調
アルカント・クァルテット


こちらは昨年のレコードアカデミー賞になったアルバムで釣られて買いました。

メンバーは若手が多いのに評価がとても高いのでどんなものかな?と思いながら。
少し前にもバルトークのほうで評判になっていたし。

ラヴェルの弦楽四重奏は個人的にも好きな曲ですが、水彩のイメージを持っていたせいか、この演奏には驚かされました。

これ以上にないストイックさ。緊張度が尋常でない感じ。心の襞の裏まで見透かすような踏み込んだ音楽。

音色的にも丁度アルバンベルク四重奏団のような印象を受けましたが、透明度が加わった分、更に体温が低い音が伝わってきます。
さすがレコードアカデミー賞だけあるなぁ、と感心しつつも個人的には幾分の違和感が取れずにいます。


ラヴェルはもう少し「あそび」みたいなのがあってもよいんじゃないか?
素人的に表現するともっとお洒落じゃなきゃ、みたいな思い込みがあるのです。

恐ろしく張り詰めたパーフェクトなアンサンブルを讃えつつも好きか?といわれると微妙と答えたくなるのが正直なところですね。
私のラヴェルへの理解が彼らと相反しているのかも知れませんが。

バルトークやショスタコーヴィチやブーレーズ(想像)ならこのようには思わなかったかも。


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クラシックCD紹介その640(ラヴェル 歌劇「子供と魔法」全曲)5

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桜が満開近くです。

多くの日本人が立ち止まり、もがいている最中でも季節は通り過ぎる。ある意味無情な気がします。

個人的に好きな村上春樹さんの「雑文集」というエッセイを今読んでいます。
結構読み応えのある本で、435頁あり、通勤電車でチビチビと楽しんでいるのですが、「東京の地下のブラック・マジック」という章があります。

地下鉄サリン事件について書いたものですがその中で興味深い一文を見つけました。その年の最初に先ず起こった神戸の大震災について。
以下引用(193頁)します。

「大地震に対する日本政府の危機処理能力は、信じがたいほどお粗末だった。彼らは驚愕に文字通り立ちすくみ、敏速で適切な対処をすることに失敗した。いくつかの国から派遣申し込みのあった救助チームの受け入れを躊躇し、あるいは拒否し、自衛隊部隊の現地派遣を引き延ばした。時間は無為に過ぎ去り、その間に多くの人命が瓦礫の下で失われていった。政治家の無策と官僚システムの硬直性がその大きな原因だった。「私が決断し、その決断の責任をとる」と口にできる人間が権力中枢の中に一人もいなかったのだ」

これを読んで、まさに今その状態じゃないか!とある意味感心してしまった。

自民党も民主党も所詮その程度だったんだ、と半ば呆れてしまいました。

同じ失敗を繰り返してどうするのだろう。あれだけ甚大な被害を被った阪神大震災だったのに何を学んだんだろうと。

私はあまり政治を知らないし、ブログに持ち込みたくないタイプの人間ですが、今回はあまりにタイムリーな文章でしたのでつい取り上げてしまいました。

菅さんもどうせ評判宜しくないのだから思い切って先導して欲しいですね。誰も期待していないだけに。



前振り長くなりました。
今日はウォークマンでのクラシック鑑賞(大抵いつもですね)でラヴェルを聴いています。


ラヴェル  歌劇「子供と魔法」全曲

パメラ・ヘレン・スティーヴン(Ms:子供)
アン・マリー・オーエンズ(A:ママ,羊飼いの男)
デイヴィッド・ウィルソン・ジョンソン(Br:ソファー,大時計,雄猫)
ファニータ・ラスカーロ(S:安楽椅子,フクロウ)
マーク・タッカー(T:ティー・ポット,小さい老人[数学の精],雨蛙)
ジャクリーヌ・ミウラ(A:カップ,雌猫)
エリザベス・フトラル(S:火,お姫さま,ウグイス)
マリー・プラザス(S:羊飼いの娘,コウモリ)
ロバート・ロイド(Bs:水)
リナート・シャハム(S:トンボ,リス)
新ロンドン児童合唱団

プレヴィン指揮ロンドン交響楽団


ここ半年くらいですが、オペラ作品をかじり始めています。

きっかけはベルトラン・ド・ビリーのモーツァルト「ドン・ジョバンニ」を聴いてからうっすらとオペラの魅力を肌で感じ(といっても劇場には行ってないので偉そうなことは言えません)、シモーネ・ヤングの「ラインの黄金」で更に進み、ラトルの「フィデリオ」、スウィトナーの振る「魔笛」や「ヘンゼルとグレーテル」の素晴らしさに痛く感動し、

あと前回室内オケで演奏したオペラ抜粋で演奏する楽しみも経験するという感じで流れがそっち系に傾いています。


通勤時間も長いので(往復2時間強)逆にオペラが余計聴きやすい。
勿論ドイツ・オーストリア系のシンフォニーも好きですが、何年も繰り返し聴いていると流石に飽きがくる。オマケに印象に残らない草食系の演奏を聴いても感動しないし。


といった感じで「何か面白そうなオペラは無いかしら?」とタワレコ物色してるとラヴェルのこのCD発見。

ラヴェルがオペラ書いたらどうなのよ?という興味もありました。
オペラといってもこの作品はバレエ音楽の趣で作られて、一幕で45分程度と短いので私のような初心者でももたれることなく聴くことができます。


ストーリーはわからないので単純に音楽として聴いてますか、猫の鳴き声とか面白い描写もあり、フランス語(当然か)なのも面白い。
オーケストレーションは流石に洗練されてますが、一定のメロディーが掴みづらくて、繰り返し聴かないと良さが分からないかも知れません。
演奏ですが、プレヴィンは全く音楽つくるの上手ですね。
完全に手の内にした音楽で流れが湧き水のように溢れて乾いた心を癒してくれます。

まさに天才指揮者ですね。

ロンドン響も最高です!

1997年 ロンドン


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クラシックCD紹介その424(ラヴェル ラ・ヴァルス)4

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正月明けの3連休。

連休はまたピーカンに晴れ渡り気持ち良い日和ですね。

連休初日の昨日は横浜へ。相方の健康診断に付き合い、その後バーゲンへ。
横浜駅界隈は至るところバーゲン真っ盛りで色んな服を見ては物欲が湧いてくるのですが、残念ながら予算以下で汗が出るような気に入った服もなく、結局3時間回って何も購入せず。

その代わりにヨドバシ横浜にて書斎用のミニコンポを購入。

今まで書斎にはオーディオらしい機器はなくてPCのミニスピーカーくらいしかないため、音楽を聴く時はリビングのコンポで聴いていました。

書斎は5畳程度だし、ラジカセ程度でいいかな、なんて思っていたから予算も2万円程度。

ラジカセは私が想像していたより高く、少しは低音も出るタイプだと3万円近い値段に。しかも要らないカセット(懐かしい)デッキがついてるし。まあ「CDラジカセ」だから当り前か…。

うーんなかなか無いのね、と嘆きつつ隣りのコンポ売り場へ。
コンポになるとまずオーバー3万円ですから無いだろ、と期待してなかったのですが、スタイリッシュなCDラジオが27,800円。ケンウッド製でかなりお洒落でインテリアにも馴染む。
ちょっと予算オーバーだなぁと隣をみるとなんとオンキョーのコンポが19,800円。

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通常のヨドバシ販売価格が35,800円で期間限定特価らしい。


念の為価格コムのサイトを見てもここでの最低価格が22,800円ですから如何に安いかですね。さらに10%のポイント還元だから実質18,000円切る安さ。
まあ安くても余りに音が悪かったら意味ないと一応試聴。

勿論5万円クラスのシステムには敵わないけどこの値段ではかなりの音質。一応スピーカーがセパレート方だし何と言っても定評あるONKYOの製品ですから迷わず購入。
自宅で速攻セットして先ず聴いたのがズスケ・クァルテットのベートーヴェン弦楽四重奏曲第10番。

さすがにいつかバングアンドオルフセンで聴いたようなあたかも目の前で演奏しているようなウットリするクオリティーではない(当たり前だ)けれど、BGM的な聴き方であれば立派な音質です(少なくともメモリオーディオで聴くより全然良い)。

これは掘り出し物でした。ヨドバシ横浜で1月16日までセール中ですから「デスクトップオーディオが欲しい」方は是非チェックを(^-^)

でもってCD紹介はこのコンポで流しながらです。


ラヴェル ラ・ヴァルス
デュトワ指揮 モントリオール交響楽団



クラシックCDを聴く際、音楽重視or録音重視(両方もあるが)があり多分にオーディオマニアは後者を選ぶのですがこのデュトアとモントリオール響はピッタリのディスク。
更にはこの曲、とても華やかです。


曲はヨハン・シュトラウスのウィンナワルツへのオマージュとのこと。

ワルツといってもラヴェルですからセンス抜群。おまけにとても難度高し。
アマオケですとなかなか出来ません。苦労して仕上げる割に12分しかないし…。


でも聴いていてオケの醍醐味をたっぷり味わえますね。

デュトワはいつものように全く隙なし、完璧なバランスでこの狭い部屋を鳴らしてくれました。

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クラシックCD紹介その423(ラヴェル 夜のガスパール)5

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最近読んだ本でフジコ・ヘミングの文庫本『魂のピアニスト』がなかなか良かった。

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500円と安い値段だったけれど内容は実に濃いもの。
言ってみれば自伝のエッセイなので、彼女に全く興味のない方にとっては読む価値がないかも知れません。

生まれてから女手ひとつで育てられ(このあたりはヴァイオリニストの五嶋みどりに似てますね)、ドイツへ渡ってからの苦労などを綴っています。詳細は書くと差障りがあるから述べませんが。

彼女の偉いのは有名になってからも質素なことでしょうか…。
もういい年になっちゃいましたがこれからも活躍してもらいたいです。

尚、この本と同じ内容のドラマが菅野美穂主演で数年前放映され、DVDも発売されてます(私も購入して観ましたよ〜)。
彼女のピアノはテクニカルではイマイチではあるけど何か心に響く暖かみが感じられますね。

さて本日はやはりピアノの曲です。

ラヴェル 夜のガスパール
モニク・アース(ピアノ)


第1曲 水の精(オンディーヌ)
第2曲 絞首台(ジベ)
第3曲 スカルボ

この曲はフランスの詩人ベルトランの詩集を
モーリス・ラヴェル(1875〜1937)が3曲でイメージしたもの。

私がいつか弾いてみたい曲(ウソです)。
3曲で20分強とそれほど長い作品ではないけれどかなりの難曲でプロのピアニストでも満足に演奏出来ないそうです。

こんな曲を書いてしまうラヴェルは天才だなぁ、とつくづく感心。

演奏はフランスのピアニスト、アース(1909〜1987)。

録音自体が古いけれど、なんとも流麗でキラキラした音色をしている。

これだけのキレのあるタッチはラヴェルに相応しいです。
湧き出る泉のように音が紡ぎ出される様についウットリしてしまう。

やたら重くないのは両手のバランスやペダルの使い方がかなり達者だからか(勿論レコーディング後の編集も関係するけれど)。

やはりパリジェンヌである彼女でしかこんな演奏は出来ないでしょう。

録音は1960年代ですが分離も良く、クリアなので古さを感じさせません。
教会での録音も音に艶を与えている要因でしょうか?

1968年 パリ、リバン教会
エラートレーベル。

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クラシックCD紹介その399(ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調)4

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久し振りのブログ更新です。ちょっとサボリモードですね。

ここのところは仕事が回らないくらい忙しく、3連休初日も出勤でしたし、残りの2日間は新築のお披露目で両親が山梨からきていました。

普段全く親孝行していないのでたまにはこんなイベントも楽しいものですね。

どちらにしてもブログ更新は今後もボチボチしていくつもり。

11月は平日が18日と少なく、サラリーマンにとっては嬉しいのかも知れませんが、我々営業職はかなりツラい日数。
ウチは月末締めなので毎月が勝負。中には四半期毎、通年のところもありそんな会社が羨ましいなあ、と思ったりも。

毎日大切にしなきゃ…と心に留めて働くことにします。

さて今日はラヴェルを聴いています。

ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調
ロジェ(ピアノ)
デュトア指揮 モントリオール交響楽団



最近はベートーヴェンばかり聴いていたせいで体が自然とフランス音楽を求めてました。

このラヴェルはそんな気分にピッタリ。
おまけにこの曲、かなりジャズ的要素も盛り込まれているから新鮮な音
の世界に浸れます。

ただオケの編成が特殊なせいか、アマチュアではあまり取り上げられずポピュラーとは言えない楽曲ですが私も一度演奏してみたいです。
ただし、この曲の管楽器のソロは結構難しい。

冒頭のトランペットもそうだけど、途中のホルンソロ、音も高いしパッセージがムズいのですね。

第2楽章はこの曲の白眉。とてつもなくない美しさです。

オーボエ、フルート、クラリネットともピアノと絡んでラヴェル特有のロマンを聴かせてくれます。コールアングレ、バスーンがさらに続くところは木管楽器の楽章でもあります。

終楽章はプレスト。
ピアノもそうですがE♭クラリネットを筆頭に難所がいっぱい。トロンボーンのグリッサンドがチャーミングです。

演奏のロジェ&デュトワは全くもって素晴らしい。フランス音楽をやらせたら完璧ですね。
今はナガノが監督になったモントリオール響ももうこの頃(80年代)の音は出せないでしょうね…。


ただ完璧すぎて「味わい」は薄いがも知れません。


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クラシックCD紹介その353(ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ)5

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今年一番の暑さになった昨日の東京地方。

真夏日になったのが昨年より19日、平年より14日遅かったそう。

暑いのは嫌いじゃないけれど湿気が多くて外回りも大変でした。

本当は昨日アップする予定だったこの記事ですが、昨晩大学時代の同期の仲間から急に呼び出しを受け、新橋の焼鳥屋へ。

中には10年振りといった面々もいたのですが、昔のままで(太ってもいなかった)ちょっとホットしました。

社会に出で月日がたつと、会社での立場や、年収なども違ってくるので話があわないかなぁ・・なんて思ったりもしましたが、そんなこともなく、学生時代の話、趣味の話、仕事の話など昔のまんまの関係で楽しむことができました。



さて、暑い夏は涼しげなこの曲を。

ラヴェル 亡き王女のためのパバーヌ
クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団


1910年にラヴェルがオーケストラのために書いたこの作品、もともとはピアノ曲でした。

彼の作品にはこういうパターンが多いのですが、何しろオーケストレーションが素晴らしいので大抵は管弦楽版が有名ですね。

曲名はルーヴル美術館にあった、17世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)が描いた若い王女の肖像画にインスピレーションを得たところに由来(wikipediaより)しているそうですが、とても美しい、タイトルとマッチした楽曲です。

演奏はクリュイタンスとパリ音楽院管。
これを聴いて私は恥ずかしながら涙を堪えることが出来ませんでした。

昔どこかに置き忘れた大事な何かを思い出させるような、ノスタルジックな心の琴線に触れる演奏。
もう理屈ではない特別な演奏でした。

冒頭のホルンはまるでサキソフォンのようでビブラートがかかりまくりなのですが、音色が温かくて聴く人の心を鷲掴みにします。
その後に続く木管もとても美しい。

僅か7分程度の曲なのにどんなに予算をかけたハリウッド映画も足元にも及ばない感動を得られるなんて、音楽は素敵なものですね。

録音は1962年。

パリ管の前身だった頃のオケですが、クリュイタンスとはどんなに偉大だったのでしょう。

「百見は一聴にしかず」なんて言葉があるか判らないけれど、まさにそんな感じ。

後にパリ管の指揮者になったバレンボイムはホルンの首席奏者をアメリカから連れて来て、お陰で全くビブラートをかけないつまらないホルンパートになってしまったけれど、フランスらしさを潰しちゃいけません。


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クラシックCD紹介その278(ラヴェル ピアノ三重奏曲イ短調)5

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ブログを毎日更新している中で当然1曲ずつ聴きながら書いてはいるのですが、マーラーなどの重い作品を聴いた後なんかはどうしても疲れてくるんですね。

他の方のブログを覗いていると「ベートーヴェン・チクルス」みたいに連続して聴かれているのもあり、尊敬してしまいます。

私は体力不足なのでなかなか出来ないのですが、確かに全部のシンフォニーを聴いて一作品みたいに捉えると作曲家の言いたいことが見えてくるかも知れませんね。
過去に岩城宏之氏が一日でベートーヴェンの9曲を演奏するという離れ業をされたそうで、つくづくパワーがあるんだな〜と感心したものです。

いつか私もチクルス聴き?やってみたいですね(ブラームス辺りだったら4曲だからできるかも)。

とにかく少し頭が疲れているので今日は静かな作品を聴きます。

ラヴェル ピアノ三重奏曲イ短調
トリオ・フォントネ


室内楽でもピアノを入れた作品は個人的にとても好きで(弦楽四重奏などより)サウンドのバランスが良い気もしますし、ダイナミクスの幅もつけやすいので作曲家も積極的に書いているジャンルです。

ラヴェルはピアノ三重奏曲を1曲しか書いてませんが出来は素晴らしく、しっとりとした静けさが全体を支配していますね。
疲れた頭を癒すにはもってこいの曲ですね。

このCDにはドビュッシーとフォーレの三重奏曲もカップリングされていますが今のところラヴェルのが一番のお気に入りです
(他の2曲も秀作だと思います)。

第4楽章まであって
第1楽章なんかは坂本龍一っぽい(1996というアルバムに雰囲気ソックリ)し
フィナーレではあのダフニスとクロエ第2組曲の終わりのメロディーがチラッと顔をだしたりしていかにも…という部分もあり楽しめます。


演奏はトリオ・フォントネという本場フランスのグループ。
1980年結成でメンバーは
ヴォルフ・ハーデン(ピアノ)、ミヒャエル・ムッケ(ヴァイオリン)、イェンス・ペーター・マインツ(チェロ)の3人。

他の盤と比較していませんが素晴らしい演奏です。
繊細なところが良い。

まだ購入してそれほど経過してませんが愛聴盤になりそうです。


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クラシックCD紹介その210(ラヴェル 弦楽四重奏曲)2

315338bd.gif今日で世間の殆どの会社は仕事納め。

中には午前中業務→午後納会という流れのところも。

という私の会社はフル稼働→19:00から月末会議。
終了は22:00でした。
おまけに明日は大掃除(会社)という感じです。
業績があまり思わしくないので多く働くしかないですね。


こういう疲れた日は静かに弦楽四重奏でも聴くとします。

ラヴェル 弦楽四重奏曲ヘ長調
アカデミカ弦楽四重奏団


ラヴェルは管弦楽曲やバレエ曲を得意としていて知名度も高いけれど、この弦楽四
重奏は意外に知られてないかも。

先輩であるドビュッシーの弦楽四重奏曲を手本にしたそうでまだ27歳のころの
作品。
結局1曲のみしか作りませんでしたが、傑作と呼んで差し支えない優れた出来です



曲の構成は
1) Allegro moderato (アレグロ・モデラート、ヘ長調)
2) Assez vif. Tres rythme (十分に活き活きと。きわめてリズミカルに。イ
短調)3/4拍子と6/8拍子のポリリズムによるスケルツォ。
3) Tres lent (きわめて緩やかに、主部は変ト長調)
4) Vif et agite (活き活きと、激しく、ヘ長調)5/8拍子によるロンド


ラベルらしい水彩画のように透明感で曲全体が支配され、心が和みます。
時には眠る前のBSM(ベッドサイドミュージック)で書けています。

演奏はナクソスレーベルのもので演奏者はそれほど有名でないけれど上手い。世
界には優秀なプレーヤーが多くいてそれがマーケットに出回るかどうか、レコー
ディングのチャンスを掴むかどうか、の差にすぎなかったりするのでNAXOS
の仕事は称賛されて良いと思います。

録音は良いですがやはり再生機器の能力次第でしょうか(私の安いオーディオだ
と高音部がやや硬い感じ)。


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クラシックCD紹介その190(ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調)4

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音楽家でプロを目指すのにどの楽器が大変でしょうか?

習う人が多いのは先ずピアノでしょう。
あとヴァイオリンあたりも結構いますね。

このふたつはかなり幼少の頃から演らないとプロになるには厳しい楽器。

管楽器は吹奏楽から入ってプロを目指すケースが多く高校生からでも不可能ではないですね。ただオーケストラの奏者の募集枠や室内楽、器楽曲でのボリュームを考えると結構管楽器はしんどい。

となると弦楽器かピアノですがピアノはソリストでやるしかないですからビオラやチェロあたりが狙いめかも。

話はそれますがウチのアマオケでもチェロとコントラバスは人数不足ですし、アマチュアで上手い人は結構エキストラ(本番の3回前くらいから参加してギャラをもらう手伝いの人)で活動して正団員にならない(団員は団費や演奏会負担金を払わなければならない)人も多いですね。


今日は或る意味孤独な楽器ピアノの協奏曲を。

ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調
ユンディ・リ(ピアノ)
小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


ラベルは作曲は勿論、ピアノ奏者でもありました。この曲は当時流行っていたジャズやブルースからインスパイアされ、1931年に完成した名曲。

第1楽章や第3楽章なんかはユーモアたっぷりでジャズっぽかったり打楽器を沢山使って(何と鞭まで!)たりスピード感抜群な音楽。ピアノ協奏曲とはいえ管のソロは劇ムズでアマチュアにはキツい曲ですね。

一方第2楽章は何処までも美しい。木管のソロがメロディーを繋げて吹いていくとこなんか涙ものです。

演奏は出来たてのユンディ・リ。2000年ショパンコンクール優勝の彼ですね。
バックに小澤=ベルリンフィルの強力サポートを得て微塵のズレもない完璧なピアノが聴けます。

どちらかというとカップリング(ライブ録音)のプロコフィエフ2番のほうが熱くて面白いんですが私自身まだこのプロコフィエフ自体よく解っていないからコメントは出来ません。


≪推薦盤≫

2006年 ベルリン・フィルハーモニーでの録音

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クラシックCD紹介その171(ラヴェル バレエ「ダフニスとクロエ」全曲)4

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今日もまたハワイの話を少し。

今年で6回目のオアフ島ですが先ず過去に利用したアコモデーション(ホテルなどをこう呼ぶことが多い)はワイキキリゾート、モアナサーフ、ヒルトン、ハレクラニ、ヒルトンそして今年もヒルトンです。

どちらかというとアコモ重視派でしてやはりせっかくハワイ行くんだから眺めが良いとこが…となってしまいます。

ワイキキリゾートは安いところでしたが、この時は団体旅行でしたから仕方ありません。

人によってはホテルは安い場所で済ませ、その分アクティビティーや食事などにお金をかけるやり方もあります。

どちらが良いかは人それぞれで何とも言えないところです。

さて本日も紹介といきますか。



ラヴェル バレエ「ダフニスとクロエ」全曲
小澤征爾指揮 ボストン交響楽団



ラヴェルは最初ボレロで知って次に展覧会の絵(これはムソルグスキーの曲を編曲したのですが)を聴きました。

ダフニスとクロエも早い頃から知っていましたが実は吹奏楽が最初でした。

吹奏楽はコンクールという大会があって、私の学校(中学、高校)も例に漏れず出場しました。この時の自由曲(別に課題曲がある)でかなり多くの学校がこの曲を取り上げていて飽きるくらい聴きました。

勿論オケの曲を吹奏楽用に編曲し(アレンジ物と呼ぶ)たので若干イメージが違うけれどとにかく人気がとても高い曲でしたね。

今日は全曲版でしてちゃんと合唱も入っています。

この曲はざっくりいうとダフニスがクロエに求愛し、受け入れたけどクロエが海賊にさらわれ、ダフニスが絶望していた

ところに森の神が現われて海賊をやっつけ、メデタシといったストーリーですね。

小澤はこの時は一番切れ味があって(ちょうどボストン響の音楽監督に就任)この演奏も精密にスケールの大きい演奏をしていてかっこよいです。

録音はまずまずでもう少し奥行きが欲しい気がしますがそれほど不満はありません。

ボストン響も世界トップクラスのオーケストラただけに上手いですね。

≪推薦盤≫

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