ワタナベのぼやき

北海道蘭越町在住。北海道の片隅で、芝居作りをしています。芝居に関わる話からどうでもいい話まで、いろいろぼやいています。

●お知らせ● 蘭越演劇ワークショップvol.2 発表会やります。

 蘭越近辺限定で行っている演劇ワークショップ。すでに二回目です。
 今回は、前回とは少しだけ趣向を変えた内容です。もし良かったら、ぜひ見に来てくださいね。


蘭越演劇ワークショップvol.2発表会
「しゅうまつのよてい」
フライヤー

作・演出 渡辺たけし
日時 2009年12月13日 18時30分
場所 木工房カフェ「yunocafe」(北海道磯谷郡蘭越町字湯里131 湯ノ里デスク内)
料金 無料 カンパ歓迎
出演 清水金弥 もりゆき 美田有理 西村美紀 中村圭太 渡辺たけし
音楽 瀧口博貴
宣伝美術 岡本千絵
協力 kiichi103

ゲスト 黒松内アコスティックバンド「サルスベリ」
 

蘭越演劇ワークショップ11.23  折り返し

けいこ

 稽古も折り返し地点に入る。本番までの回数を計算してみたら、これしかない!と、びっくりな感じだ。
 今回は、芝居を創り上げる前に、役柄についてのリサーチに時間をかけてみた。その分、芝居をくみ上げる時間が少ない。しかし、今回はそのスタイルでつくりあげようと決めての行程。意図して、いつもと作り方をかえてみたわけだ。
 実は、結構不安だ。いつもと違うことをするときは、勇気が要る。でも、役者を信じてやってみようと決めたのだ。だから、不安がっても仕方ない。でも、やっぱり不安だ。クヂグチ。
 今回の稽古は、とにかく動いて読んでみた。そろそろセリフを身体に落とす作業を本格的に始める。前回は、役柄の人間達が日常でどんな生活をしているのかをインプロで繰り返した。なかなか面白かった。今回の稽古では、その経験が役者の身体に作用しているように見える。

 残り15時間、できる限りのことをしてみよう。

WATER33−39が蘭越公演無事終了!

清水君の劇団「WATER33−39」が蘭越公演を行いました。
寒い中、35人ものお客様がいらっしゃいました。
疑聞村は鮨詰め状態で、いつ床が抜けるかと、どきどきしていました。
結局、大丈夫でしたけど。床は。

「WATER33-39」の皆さんの佇まいが好きだ。
大正時代の戯曲家「岸田國士」なんていまさら・・・
と思うかもしれませんが、なかなか面白い。
しかし、
「この芝居を僕は好きだが、地味すぎるから受けるのかなぁ」
という不安はありました。
でも。
見てくれた方々も皆さん、とても喜んでくれていました。
ホットしました。

jpg



水の戯れ2 
岸田國士〜WATER33−39と20世紀の戯曲

11月22日(日)
18時から
疑聞村(ギブソン)
場所は、蘭越町ラブちゃんホール向かい、かなや商店の二階 

作・岸田國士
演出・清水友陽

紙風船
高橋正樹/久々湊恵美
驟雨
赤坂嘉謙/高石有紀/中塚有里/畑山洋子

うちあげ

本当は、蘭越公演の写真を載せたかんったんだけど、撮り忘れてしまいました。
とりあえず、打ち上げの写真。
打ち上げも20人以上が入り乱れていました。

モチマキに行く

87c8de10.jpg
昔は誰からとなく口コミで情報が伝わってきた。
「どうやら、あの家のタテマエが明日あるらしい」
タテマエの風習は北海道だけなのだろうか。これは、新築の家の上棟式にあたる。タテマエの日には家主と家族が屋根の上から大量の小さな餅をまく。近所の人たちは、それを目の色変えて拾うのである。
子どもの頃は、頻繁に見かけた行事だったが、あまり最近はおめにかからない。
喜茂別町の友人が、珍しく「タテマエ」をすると連絡をくれた。懐かしくて、見に行く。
約束時間より少し遅れてモチマキが始まった。ききつけてきた100人近くの近所の人達が一斉に屋根からまかれた餅を取り合う。餅がまかれる度に大きな歓声が上がる。
人口2000人くらいのまちで100人となれば、ずいぶんな参加率である。個人的なお祭り状態だ。
10分くらいでモチマキが終わると、人々はぞろぞろと帰っていく。たくさん餅をビニール袋にぶらさげ満足げだ。
終わったあと、友人が家の中でやる飲み会に呼んでくれた。友人夫婦や子ども達も一仕事終わり、ほっとしたようすでお酒を飲んでいた。
しっかりものの奥さんが、教えてくれた。
「この人、家を建てなくてもいいから、タテマエだけはしたいと、言っていたの」
「ばか。建物なけりゃできないだろ」
旦那さんが言った。
威勢がよくて、人好きな旦那と、しっかりものの奥さん。上方落語にでてきそうな夫婦だ。僕ともずいぶん長い付き合いの人たちだ。
たくさんの人たちが幸せそうな面もちで帰っていく。昔はこうやって、人々はつながっていたんだなぁ。

ウクレレ、こわい。

 次の日曜日に、蘭越ウクレレサークルの発表会がある。2年前から参加しているサークルで、毎年数回人前に出る機会がある。今回は、町の芸能発表会だ。
 最近は仕事が忙しい分、家に帰るとストレス発散に特によく弾いている。しかし、サークルの発表会の楽譜は2週間前くらいにもらったばかり。なにかと忙しくて、練習にいけていなかったためである。
 数人でのアンサンブル演奏。なかなか合わず、困惑しているわけで。しかも、発表会と同じ日には「WATER 33-39」の蘭越公演もあり、準備などでてんてこまいだ。うまく、乗り切れるだろうかと考え始めると、ウクレレ、こわい。冗談抜き、本当にこわい。
 

壊れたカメラが、直る。

山下カメラ2

 友人が昔くれたカメラがある。「ツァイス・イコン」というドイツ製の蛇腹カメラで、調べてみたら1957年製らしい。僕よりもずいぶん年上だ。ブローニという、ちょっと幅の大きいフィルムを入れる。すると、正方形の写真がとれる。現在の35mmフイルムが流行る前に使われていた型なのだ。
「ジャンクだから、家に飾っておくぐらいしかないけどね」
 友人にそう言われたので、5年くらい部屋に飾っておいたのだが、別なニセコの知人が教えてくれた。
「札幌の山下カメラなら直せるかもしれないよ」
 いままで、いろんなお店に修理を依頼してみたのだが、すべてに断られた。なんせ、部品がない。そのメーカー自体扱っている店がない。そう都合良くなおしてくれる店があるとは、ちょっと信じられなかった。
 ある日、いつものように札幌で道に迷っていると、ばったり件の「山下カメラ」を見つける。お店にカメラを持っていき、
「あの・・・。こんなのでも直るのですか」とたずねたところ、
「あぁ、これ、なおりますね」と、簡単に少し高齢の店主の方が答えてくれた。
「では、では」と、修理をお願いしてみる。
 待つこと数ヶ月、忘れた頃に山下カメラさんから連絡が入る。
「お待たせしてしまってごめんなさいね。ピントがスカッとあわなくて、時間かかつてしまったんですよね」
 伺ってみると、修理過程を親切に写真に撮ってくださってあり、素人の僕にも熱心に説明してくれた。どうやら、レンズが根本的にいかれているらしい。しかし、最善はつくしてくれたようだ。固まって動かなかったピントもスムーズだし、シャッターもキチンと動く。写真が撮れるところまではリペアーしてくださったのだそうだ。
 修理専門店である山下カメラには、狭いスペースに仰々しい機械がたくさん並ぶ。
 山下カメラ

 店主のおじさんは、僕に対しても丁寧に修理器具の説明をしてくれた。
「普通のカメラ修理店って、皆さん、こんなにすごい設備なんですか」
 僕が、不思議そうにたずねると、店主のおじさんは答えた。
「いえいえ、普通の職人さんは、勘を頼りに修理をします」
「勘ですか」
「でも、やはり、正確に直そうと思ったら、機械が必要です」
 恥ずかしそうにおじさんは話してくれた。
 おそらく、こんな小さな店(ごめんなさい)で、これだけの設備投資をするのは大変なことだと思う。どんなものでも直せるということは、勘だけではない、それだけ裏打ちされた技術が必要なんだろうと、妙に納得してしまった。
 写真は、素人な僕だが、せっかく直していただいたので、大切に撮らせてもらおうと思う。たぶん、下手をすると日本中で、このカメラを直せるのはここだけかもしれないから。
 店主のおじさんが、カメラを修理するために集めた、米粒ほどの部品のコレクションをみせてくたれ。
「すごい。宝石箱みたいですね」
「もう手に入らない部品ばかりです。私には宝石みたいなもんですね」
 穏やかにニコニコ笑いながら、おじさんは子どもみたいに頭を掻いた。おじさんと一緒に笑いながら、「たくさん勉強して、良い写真をとらなきゃ」と真剣に思ってみたりした。

 山下カメラ3

蘭越演劇ワークショップ 11.9 5歳の思い出

稽古 演劇大学1

 前回、宿題を出した。「あなた(役柄)の5歳誕生日の話を作文してください。」その役になった気持ちで、5歳の誕生日を活写するというものだ。それぞれ、皆、個性的で面白いものを作ってくる。これを深めていくことで、イメージを堅牢にしていく。イメージの中で役柄が動き出したら、しめたものだ。はじめて芝居に取り組む人が多いせいか、役者達は楽しそうだ。
 
 しかし、経験不足で損をしているのは、人間同士の距離感の問題だ。背中合わせで近づいて読み合わせをしたり、自分の姿が他人に見られない場所に隠れての読み合わせなど、いろいろ趣向を変えてみる。
 人間の距離が身体に及ぼす影響は大きい。感覚が研ぎ澄まされれば、研ぎ澄まされるほど、影響は大きくなる。これは、やはりおもしろい事実だ。
 
 今、一緒にやっている仲間は、「うまくみせたい」と言う自意識や、「これくらいやれれば大丈夫」という自惚れが少ない。だから、いろいろなものに、素直に反応していける。しかし、この状態を保つことは難しい。保つためには、相当の忍耐力がいる。永くこの状態を保つてもらうためには、どうしたらいいのだろう。最近の悩みはその辺である。
 
  

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ろくでなしの父と飲む。

まだ8歳のころの話。
ある日の夕方、一つ下の弟と父にストーブのそばに呼ばれた。
「父さんは、好きな女の人ができた。悪いが、もうお前達とは暮らせない」
広げた夕刊を挟んで、父に言われる。
父はそのままどこかへ行き、母と僕ら兄弟は遠くの街に移り住んだ。
父は、賭事に強い人だった。金がないときは、「ちょっと待ってろ」と雀荘に駆け込み、あぶく銭を稼いで、家族で夕飯を食べに行った。スポーツ万能で、仕事もよくできる人らしく、いつも周りは友達で溢れてた。
捨てられた子どもとしては、女手ひとつで子ども三人を育ててくれた母に申し訳ないから、父とは間逆の人間になろうと心掛けてきた。それが母への親孝行と思ってた。
「最近、新聞を読む姿が、父さんに似てきたね」
 それなのに、母は、なぜだか目を細める。
だから、儀式的に父を憎むのは止めようと肩の荷を降ろしたのは、自分に子どもができたあとだった。
久々に仕事で父の住む帯広を訪れる。珍しく父と酒でも飲もうと、連絡をしてみる。
還暦を過ぎて大病を患った父は、ずいぶん小さくなっていた。しかし、現役の会社取締役なので、なんとなくハツラツとしている。
「この人のようにだけはならないように」というのが人生のテーマだったのに、この年になると気持ちも緩む。
父の行き着けのスナックにいくと、従業員の女の子達に「いらっしゃーい、パパ」と声をかけられている。息子の自分としては、複雑な気持ちだ。
父のゴルフ友達だというスナックのママは、ずいぶん美人だった。父がトイレに行っているうちに、ママと話が盛り上がる。
「実は、僕、この人の息子なんです」
そう話すとママはこう言った。
「そんな気がしてたよ」
人間の血は、思う以上に厄介なわけで。科学的に遺伝子は引き継がれるわけで。
結局、自分は自分でしかないということを思い知らされる。
父の運転するベンツに手を振りながら、そんなことを思っていたら、帯広の夜はふけた。

蘭越演劇ワークショップ 11.4 ストロング・スタイルで。

演劇大学2

 稽古が始まって三回目。初めて、半立ち稽古をしてみる。
 今日は、演劇大学in札幌2009のイベントもかねているため、わざわざ東京から、演出家・青井陽治さん、指輪ホテルの羊屋白玉さんが稽古見学に来てくれる。帯同で「演劇集合体マキニウム」のマキ君も久々、遊びに来てくれる。
 
 今回、僕が書いた台本は、前回とは少し様子が異なる。日常の言葉で現実をスケッチした形である。ちょっとした仕掛けは有るんだけど。
 普段使い慣れた言葉を自分の身体に落としていく作業に時間を割こうと思っている。初めて芝居を試みる人たちには、ちと難しいかもしれないが、きっと楽しんでくれるだろうと信じている。
 半立ちの他に、広く距離をとって台詞をしゃべる練習。人間の物理的な距離が、芝居の中の心の距離とは限らないという実験である。特に、説明をしたわけではないが、役者たちは敏感に反応してくれた。この人たちは、本当に感覚が鋭い。

 稽古終了後、青井さん、羊屋さん、マキ君とディスカッション。
 青井さんからは、役者の使う「内発語」と、演出の使う「結果語」の話をしていただく。最近の僕は、このあたりで立ち止まり考え込んでしまう。しかし、役者の「内発語」に迫れなかったとしても、魅力的な「結果語」を生み出すことで、役者に働きかける力が生まれるというアドバイスを頂く。ちょっと、僕にはまだまだ無理な話だが、これは、きっと突破口になるだろう。
 羊屋さんからは、舞台に上がる前の「リサーチ」に時間をかけたらどうだろうというサジェスチョンを頂く。それは、いままでもずっとやってみたかったことなのだが、芝居を仕上げる時間的な妨げになるのでは、と、なかなか踏みきれないでいた。
 しかし、こうやって、あたらしい方法の提案をいただいたので、これもなにかの縁だろうと、来週から思い切って挑戦してみようと思う。

 ここは、実験の場なんだ。だから、失敗は恐れずに、面白いとおもったことには、飛びついてみよう。演劇大学に携わって3年が経つ。いろいろな第一線で活躍する方々や、北海道の仲間から得る刺激は大きい。
 ここは、プロレスにおける「ストロング・スタイル」で行こうと決めている。つまり、自分勝手に作り続けるだけではなく、誰かにかけられた「技」には、敢えて「かかり」、それを「かえす」ことで、パフォーマンスを創り上げる。
 人に指図されるのが苦手な僕にとって、この変革は一大事だ。5年前なら考えられない。しかし、刺激を交わすのではなく、刺激に立ち向かうことが最近は楽しい。
 今回も、面白い体験でした。

 青井さんや羊屋さんが帰った後の、役者達の発言
「演出家の人って、占い師みたいだね」
 そうだよ。演出家は「占い師」で「医者」で「産婆」で・・・いろいろなんだ。
わたなべたけし
北海道後志蘭越町を中心にお芝居をつくっています。
今年も、演劇大学in札幌2009に参加しています。
また、ばたばたと、いろいろやっています。

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