格安DVD販売をめぐり、喜劇王チャップリンの映画「独裁者」など9作品の著作権の保護期間が継続しているかどうかが争われた訴訟の上告審判決。

本件では、この著作権の存続期間を判断するにあたって、これらの映画の著作者が誰か(映画製作会社なのか、それとも、チャップリン自身なのか)が争点となりました。

特に、3作品については、その映像で、著作権がそれぞれA社、B社、C社に帰属することが表示されており、さらに、アメリカ合衆国著作権局に、それぞれの著作者をA社、B社、C社とする著作権登録もされているという事情がありました。

しかし、最高裁は、映画の著作物の著作者については、その全体的形成に創作的に寄与した者がだれであるかを基準として判断すべきであって、映画の著作物であるという理由だけで、その著作者が映画製作者のみであると解することは相当でないと述べたうえで、本件各映画は、チャップリンが全体的形成に創作的に関与したのであるから、チャップリンがその著作者であると判断しました。

そして、チャップリンが著作者であれば、その著作権はまだ消滅していないとして、上告を棄却しました。

団体を著作者とする旨の登録がされていることや、映画の映像上団体が著作権者である旨が表示されていることは、この結論を左右しないとも述べています。

この判決によれば、著作権が消滅しているかどうかを判断する際、その映画の全体的形成に創作的に寄与した者がだれであるかについて、実質的判断が要求されることになりますので、第三者としては、なかなか判断しづらくなりますね。

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