古い本の奥付部分に印紙の様なものが貼ってあるのを見た事がありますか?

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これは『検印』というものです。

これは著者の印税計算の元になるもので、よく見ると一つ一つ印鑑が押されています。
押印するのは基本的に著作者なのですが、何万冊などという部数の場合家族総出、その家のお手伝いさんやら出版社の人まで駆り出しての大変な作業だった様です。


そんな訳ですから、預かる製本会社も検印の扱いにはことさら神経を使います。
まず数。
発行部数が3000部なら印紙も3000とぴったり合っていなければならないので、必ず数えてたとえ1枚でも多ければ出版社に返します。

無くしては一大事なので、保管は慎重に。

異なる本に貼らない様に。



私も子供の頃に見ていた記憶があるのですが、
この「検印貼り」はこれまた職人技でした。

検印は切手の様にシートになって印刷されているので、これをまず1枚ずつに裁断します。
(以下、印紙の代わりに切手、板の代わりにカッティングボードで再現)

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まず、板の端に糊をハケでチョン、チョンと。

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次に検印を繰り出して

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 糊の付いた板に置いていきます。
これがものすごく速い!
ああ、動画が残っていれば…

こうして奥付の指定位置にまたまた素早く貼り込んでいきます。

検印は昭和30年代には殆ど廃止になり、その後
奥付には「検印廃止」と印刷されるようになりましたが、それも無くなりました。

弊社では割と最近まで1社だけ検印を使っている出版社の得意先がありましたが、かなり珍しいです。