トモエリバー(巴川製紙)という印刷用紙があります。特徴は、超軽量でウス紙のわりに腰が強く、裏抜けが少ないことが売りになっています。もともとは、マニュアル・約款・カタログのどの製品を軽くコンパクトにする目的に使われていましたが、手帳にも適しているんじゃないかと、「トモエリバー手帳用」という筆記性にもすぐれたものも開発されました。
この紙に目を付けたのが、糸井重里さんの「ほぼにち手帳」です。その開発の中で、トモエリバーの優れた筆記対応に着目し、「ほぼにち手帳」は「トモエリバー手帳用」を本文用紙として使用し続けています。
その「ほぼにち手帳」は、どうも海外でも人気が高くなってきているらしく、それに伴って「トモエリバー手帳用」の人気と認知度も高まっているみたいです。欧米は、日本と異なり万年筆愛好家の割合が高く、この紙がそれにとても適していて、この薄さで裏抜けも少ないことがはまったようです。
さて、弊社では3年ほど前から、ロサンゼルスにある日本製ステイショナリー専門の輸入販売会社から直接注文を受け、トモエリバーを使ったノートをワンストップサービスで製造・輸出させていただいています。
このノートのスペックは、A5判/糸カガリ綴じ/本文480頁/表紙素材はアートベラムという含浸加工した布クロス。480頁もあるのに厚さは表紙を含めても15㍉しかありません。普通の紙を使用した同じ厚みのノートの1.5倍くらいの使用可能面積になるのでしょうか。
この仕事の、きっかけは経営者の方がIdaさんという日系三世で、トモエリバーを使ったオリジナルノートを作る方策を探っていたところ、弊社のウェブサイトを見ていただき、オールメイドインジャパンで製造したいとコンタクトしてくれたことでした。頻繁なメールのやり取りと来日した際の直接の打ち合わせを経て、このノート製造がスタートしました。
Idaさんは細部にこだわりを持っていらっしゃるかたで、その中でも特に「製本の開きのよさ」に関して、「Lay-Flat」になる様な造りを希望されました。このため、最終的に、本体をボンドで固めてから、並製スタイルの表紙を昔ながらのやり方で背を焼付てくるんでから、表紙と見返しに刷毛でノリ差ししてプレスするという仕上方になりました。下の写真がのり差しの様子です。
そんな経緯で始まったトモエリバーノートですが
(おっと正式な商品名がまだでしたね、「seven seas writer」といいます)、
私の当初の予想にいい意味で反しまして、売れ行き好調で
既に8,000部位海をこえてアメリカに渡っています。
今年もすでに3回発注が掛かり、この写真は先日作業した時のものです。
なぜ思った以上にこの高価な(26$で販売されています)ノートが売れているのか?
Idaさん曰く。日本だけではなく、アメリカにもたくさん「文具オタク」がいるそうです。
この場合のオタクは決して悪い意味ではなく、「こだわる人」「愛好家」といった人の事です。
この紙とこの万年筆のインクの相性・裏移り・滲み具合・ペン先の滑り具合などなど
細部にこだわり、良い品物は金額じゃない!というこだわりの人がたくさんいるそうです。
そういう人たちの間で、「ほぼ日手帳」の知名度は高く、
それに使われている「トモエリバー手帳用紙」の知名度と信頼度が高いというのも頷けます。
いずれにしても、トモエリバーが海外では手に入らない状況であるとしても、
人件費の高い(?)我が国に、高い輸送コストを覚悟のうえで発注してくれることを考えますと、
メイドインジャパンの紙を含めた品質が信頼されていることに感謝しますのと同時に
高い品質の維持を肝に命じています。
▲写真は、ノートを開いた様子です。180度以上、真裏にしても大丈夫です。
コメント
コメント一覧 (2)
Senen Seas WRITERのご購入につきまして、
メールでご案内させていただければと思います。
お手数ですが、こちら▼までメールをいただけますでしょうか。
info@watanabeseihon.com
あらなみさまだと分かれば大丈夫ですので、空メールでもかまいません。
よろしくお願いいたします。