みなさん初めまして。講師の西村と申します。
早稲田大学先進理工学部の四年で、船津先生と同じ研究室に配属されています。今までは船津先生が属する班の直の後輩でしたが、4月からの大学院生生活は、新しい班でプラズマ物性のシミュレーションをしていこうと考えています。
さて、私が最初に紹介する「一冊」はこちらです!
村上春樹は全く新しいスタイルの文学を生み、一世を風靡した作家さんです。
昨年映画化された「ノルウェイの森」や、「1Q84」などで有名ですね。
私は彼の作品が大好きなのですが、その中でも特に素敵な小説がこれなんです。
村上春樹作品に共通して言える事なのですが、登場人物が必ず心に響くセリフを残します。
「ねえ、僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ。そのあいだには陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。」
(本文より抜粋)
何て達観した大学生なんでしょうか(笑)
しかしこれには震えました。これが絶妙なシーンで絶妙な出され方をします。
是非このコラムをお読みの貴方自身で見付けてください。
私が最も伝えたかったのは、本を読むという行為が幸せと満足感を伴うという事です。
村上春樹の作品は、ストーリー自体は盛り上がりもなく、映像化してもあまり価値が出ないでしょう。
しかし大いに想像力を掻き立ててくれるのです。
それは自分が能動的になっているからだと思います。
自分で手を動かしてページをめくり、自分で眼球を動かして文字を追う。
ここが映像を見る事との大きな違いでしょう。
(勿論、集中してのめり込んだ映画やドラマなどは例外ですが…)
これは勉強やスポーツにも通じるのではないでしょうか。
テレビを見ながら寝っ転がってお菓子を食べれば、その一瞬は幸せですがすぐに冷めます。
一方自分で鉛筆を握り、自分で資料を読み、自分で走り、自分でバットを振ると、面倒な作業をした分だけ質の高い幸福を得られます。
みなさんも是非、一見ダルい事を率先してやりながら生きていきましょう!!
早稲田大学理工学部4年 西村