2006年12月27日

小説さよなら涙くん第5話

最近なんだか大人になった気がする。
なんだかよくわからないが、将来のことを考えはじめた頃からかもしれない。


こんな晴れた午後は外へ出たくなるじゃないか。そんな外にはAMラジオが似合う。あの音質が晴れ間にできた陰みたいで気持ちがいい。そしてそれが日曜日だとしたらもっといい。



あれから二、三日経って田崎とはよくメールするようになった。なんだかいざメールするとなると何を書いていいか分からなくて、相手に迷惑じゃないかとか考えて、なんか神経使って疲れてしまう。でも、田崎の知らなかったことも色々分かった。
出身中学が一緒だったこと。家が真反対だということ。趣味は音楽だということ。晴れた日はAMラジオを聴くこと。


少しでも彼女に近づくことはいいことだ。でも、なんで田崎は俺にメールしてくれるのだろう。相当暇な人なんかな。


二日後、部活のない日に川下と山本で集まろうとした。だが、山本だけ来ない。

「どうしたんだろやまもっちゃん?ちゃんと連絡したんだけど」


二人は気になって、結局山本の家に行った。


「ピンポーン、あ、どうも川下です。ケイスケ(山本の下の名前)いますか?」
出迎えたのは山本の母。(松居一代似)


「あら川下くん。ケイスケなら二階にいるわよ。でもなんか元気ないみたいで死んだ魚みたいよ」


二人はあ、そうなんですかーと言い、二階へ進んだ。「おい山本!入るよー」というと、いつもの声で返事が返ってきた。
入ってみると、山本は明らかに寝起きだった。

「どうしたんだよ山本?なんで寝起き?」と川下がはやしたてた。


「いやまあ…なんか昨日彼女と別れた」


「マジで!?」
二人は偶然声をそろえて言った。


「そんで…明け方まで話し合ってあんま寝てない」


「そうなんか…てかなんでそんな唐突に別れたんだよ?」


「なんか彼女今度引っ越すらしい。遠距離なんて自分にはできそうにないって。自分勝手な感じだよなぁ」

山本は少し笑いつつそう言った。


ふたりはどう接していいかわからず、沈黙的な時間が流れつつあった。


「じゃあ、今日は帰ったほうがいいか?」



とりあえず寝たいとか言うので、二人は山本宅をあとにした。


「おれさ、あんな状況彼女できたことないからわかんないよ。どうしたらいいかわからなかった」川下は言った。


「おれだってわからないよ。なんか未知の世界に行った感じだな。」


「山本はああいうの感情に出さないヤツだからな。実際はかなりキてるんじゃねえかなぁ。」



これからどうする?といってすることもないから二人は別れた。もうAMラジオは六時をさす頃。


恋ってなんだろ。愛ってなんだろ。一度愛した人は時間がすぎればいずれは愛せなくなる。あのときの淡し気持ちはどこかへ行ってしまうなんてウソみたいだ。一生、いや生を過ぎても二人の間に愛がある関係の二人はなんて凄いんだろう。この世界はなんて不思議なんだろう。I LOVE YOUの意味を忘れたなんてよく言ったもんだ。


いずれはワタシはあなたを愛さなくなるし、あなたもワタシを愛さなくなるだろう



自宅に帰ってしばらくすると、メール着信が来た。また田崎かなぁなんて思ってみれば、アドレス聴かれたっきりで一度も送っていない田中からだ。




「ねぇ、いま暇?すぐ駅に来てくれない?」


water12 at 22:05│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 孔   2006年12月28日 01:06
ラッドのアルバム聞いているよ。面白いね

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