2006年12月28日

小説さよなら涙くん第6 話

俺はなんだろうあやしい気がぷんぷんするぜと思いながら自転車で駅へむかった。
田中とは中学の時によく話していた。綾瀬はるかにうっすら似てて、クラスでもなんだか好かれた存在だった。でも高校に入ると間違った高校デビューをし、噂じゃ尻軽なヤツらしい。そして高校に入っての田中とはあまりコミュニケーションをとっていない。



さあ駅に着いた。駅のベンチには若い若干高校生の女性がこちらに向かってなにか言っている。
「遅いって涙ー!」


「で、どうした?」


田中はなにか悩みながら言った。

「い、いや…なんか帰り道が怖いからついてきてもらおうと思って…ね!」


帰っていいかな?の言葉を飲み込んで、俺は「じゃあ早くしてちょうだい」と自転車を押して進んだ。


「あ!待って冷たーい涙くん冷たーい」と田中はうしろをついていった。


なんでこんな人と歩かなきゃいけないんだろう。スカートは果てしなく短く、化粧はバリバリだ。人ってこんな変わるもんなんだーと関心しつつ早く自宅へ帰りたい気持ちを抑えた。


「そーいやさ、涙はもう彼女できたでしょ?」


田中の質問に俺はベタにぎくっ、ときた。


「いや、いないよ」


「やだー童貞くん!?はやく彼女作っちゃいなよー」

「そんな簡単にいうなよ…」


田崎はクスッと笑い、また前を見た。
冬場の暗闇の道は寒さがキツいこと。




田中の家に着いた。田中はありがと。と礼を言った。

「じゃあ」
と俺の言う声の前に俺は考えた。


ま さ か 家 に 寄 っ て けと?


ないない。そんなことないもしこんな時間異性の部屋へ入ったらやることはひとつしかあらへんがな。そりゃない。







「じゃ家上がって」


















パンパカ




俺は「は?」と頭がまっしろになってその一言しか言えなかった。田中は冷静に「いや、中入って」と言って、玄関の扉を開けた。



「あ、はあ」と入るしかできないノリだった。
おじゃましまーす、と言い、中へ入った。

家のなかはいたって普通だが、誰かいる様子がない。俺は、なんだか血の引いていく感じと動悸がした。
「誰かいないの?」と田中に言った。
「今日はダレもいないの。」とサラリといたって普通に言った。















部屋へ入る。予想どおり小物その他で埋め尽くされてしまったゴチャゴチャな部屋だ。きっと名字は倖田になりたいんだろう。

「お酒何がいい?」


「えっ!酒飲むの?」


「あたりまえじゃん!ほら、グッといってみ」


と、ビールを飲まされた。なんかもうだめ、てな感じが似合う、そんな気分になった。もう帰らせてくれ。なんて言えなくなってきた自分が怖くなった。



午後10時。ビールは何杯飲んだろうか。その薄れる意識はあの一言で一気に醒めた。





「もう我慢できなくなっちゃった。いいでしょ涙?」


water12 at 23:08│Comments(0)TrackBack(0)

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