台北の朝、僕は恋をする [DVD]
第60回ベルリン国際映画祭
フォーラム部門 最優秀アジア映画賞受賞
台北に住むカイ(ジャック・ヤオ)の恋人がパリに留学してしまう。
カイは彼女に会いたい一心で、昼は両親の経営する中華店で働き、夜は本屋で「立ち読み」改め「座り読み」でフランス語を独学する。
本屋の店員スージー(アンバー・クォ)は、毎日座り読みにやってくるカイのことが気になり、話しかける。
ある日、パリの恋人から、突然の別れの電話。
彼女に未練があるカイは、不動産会社のボスからパリに行く資金を借りることになる。
が、資金を借りる代わりに、怪しげな小包を運ぶことに・・・
まずは、始まりの映像の美しさに見とれてしまう。
これは、台湾独特の雰囲気からくるのだろうか。
フランス語でのカイのセリフがあるが、映像の美しさと重なり、フランス映画と錯覚しそうになる。
ある一夜の物語である。
夜の本屋、中華店、繁華街、地下鉄・・・、すべてのシーンが夜であるにも関わらず、とにかく元気で美しい。
スリリングでロマンティックな一夜。
一夜にして、カイとスージーの運命は一転する。
こういう純粋な作品を観ると、素直に本屋に行きたくなるし、水餃子が食べたくなる。
自分の中にもまだピュアな部分が残っていたのだと、気付かされる作品である。