2007年01月09日

オモイデガエリ

昨晩、「はじめてのおつかい」をTVで見ながら、自分の小さい頃の事を話したりした。



蘇る記憶。
忘れていた出来事の数々。


幼稚園の頃、先生にはいつも「ばんびちゃんはおとなしいね。今度先生ともっとお話してちょうだい?」と言われていたのを覚えている。

周りの子供たちが無邪気に「先生、先生、聞いて聞いて」とはしゃいでいるのを遠くに見てた記憶。

そうやってはしゃぐ子供達の中に、どうやって入っていったらいいのかよくわからなかった。
でも、外で遊ぶのは大好きだったので、黙々と鉄棒でスカート回りでグルグルと回り続けていたりした。


「何をやらせてもとても丁寧に、集中して誰よりも早く作業をします。もう少し積極性があるともっといいのですが」

親宛ての幼稚園の連絡帳に、ある日そう書いてあった。
園児だった私は、教えてもらっていないのにその意味を理解していた。
積極性って、すすんで自分から「はい!」とか「先生!」とか言うことでしょ?

「ばんびちゃんはいつも早いね。よく出来てるわよ」と先生はいつも笑顔で褒めてくれた。
特別急いで作業してる訳じゃなかったけど、褒められるのは嬉しかった。



幼稚園から帰ると、母にねだって買ってもらった小学生向けの本をノートに毎日写していた。
受験生ごっこ。
TVで見る試験勉強の姿が私には何故か憧れだった。

早く幼稚園を卒園して、小学校に行きたい。
そして中学生になって、高校生になって、大学生というものになって、働くようになって。
早くもっともっと大人になっていろんな事を知りたい、と園児だった私は大人びたことをいつも考えていた。

でも、そんな大人びた事を子供が口にしてはいけないような気がして、大人の前ではそんなことは言わなかった。
だって、大人は『子供らしい子供』が好きだから。

「大きくなったら何になりたい?」
と誰かに聞かれる度に、なんて答えたらいいだろうと考えた。
日本の国を動かせるくらいの人になりたい(政治家という言葉は知らなかった)といいたかったけど、それはやはり子供らしくないので
「お花屋さん」とか思ってもいないことを適当に答えていた。
そう答えると大人は皆、「いいわねぇ」なんて笑顔をくれた。



小学校に上がる前、教科書を入学前に受け取った。
嬉しくて何度も何度も読んだ。
私はすんなり全部読むことが出来た。

教わっていない漢字も読めた。
毎朝、読めなくても朝刊を見るようにと母に言われていたからかもしれない。

幼稚園児が新聞を読んでも意味がわからないことが大半だったけど、意味がわからなくても次第に文章としてはスラスラ読めるようになっていった。
いろんな言葉はほとんど新聞から学んだのかもしれない。


母は私に大きな期待をしていた。
なぜなら。
幼稚園で毎年1回ある知能テスト。

年少の時、私のIQは200だった。
年長になっても180はあった。
間違いかもしれない、と一人だけ再テストをさせられたのを覚えている。
結果はどうやら一緒だったようだ。

その件で母親が先生に呼ばれたのを覚えている。
隣に座らされて一緒に私もいた。

「たまにこういう子がいるんですよ。飛びぬけて高いIQの子が。2〜3年に1人くらい。」

そう先生が言った。

「でも大抵大人に近づくにつれ、平均値に収まるんですけどね。でも、これからいろんなものに接して学ばせていけば・・・」

難しい話になったのでこの先の話は記憶にない。
大人になると普通になるんだっていうことだけが自分の記憶に残った。

それから母は、「大きくなったら○○高校に行って、国立の大学生になるのよ」と私に言うようになった。
暗示をかけるかのように。

母の言う高校がどんなところなのか、国立とはどういうものなのかわからなかった私は、「うん」とは言わなかったと思う。



小学校に上がって、テストで100点以外を取ったら母に怒られた。
80点など取ろうものなら、烈火のごとく怒られた。
なんで怒られるのかわからなかった。

幼稚園時代はおとなしかったけれど、次第に積極性も身につけた。
学級委員に進んで立候補したり、
そのくせクラスの全員の女子を引き連れて授業をボイコットしてみたり。(あとで先生に懇々と説教されたけど)
いじめにあってる同級生を助けたら一緒に無視されるようになったので、いじめてる側の女子に宣戦布告したりもした。
おとなしい女の子にどんどん声をかけて仲良くした。
みんなが笑顔が良かった。

そのうち、いろんなことがバカバカしく感じてきた。
100点がなんだ。
成績表がなんだ。
習っていたピアノの先生も、好きな曲を弾かせてくれない。
公文の先生も、先へ先へとすすませることばかり考えてて面白くない。
英語の塾だって、あんな日本人のオバちゃんに習っても仕方ない。


その頃から音楽に夢中になっていった。
深夜のラジオに夢中になった。
小説にも夢中になった。
小学校5年生の頃だった。

いろんなことが知りたい。
それは勉強じゃなくて。
世の中のいろんな、自分の大好きな世界がもっと知りたい。

そしていつか、自分が大好きな世界で仕事をしたい。
そしていつか、思い描いた自分になりたい。
もっともっと、いろんなことが知りたい!


ピアノも、公文も、英語も、親の反対を押し切って全部辞めた。
学校の勉強なんてほどほど出来てればいいじゃない。
学校なんか早く卒業して、もっと楽しい未来に早く行きたいんだ!
大人になって、もっと自由にいろんなことがしたい!



思いおこせば起こすほど、私は先のことばかり考えていた気がする。
だからきっと、学生時代の記憶がほとんど残っていないんだと思う。
毎日毎日夢ばかり見ていたから、現実の世界をきちんと見ていなかったんだと。


あの頃夢に見たような未来を、現実に見たような見ないような。
夢のシッポを掴みかけて、手を離してしまったり。


先生の予想通り、あっという間に平凡なIQに落ち着いた私は、
それはそれなりに幸せな毎日です。

大人は、楽しいです。

仕事は楽しくないけれど、
早起きも辛いけど、
別に地位もお金もないけど、

でもまた子供に戻りたいとは思いません。

今でも私はやっぱり夢ばかり見てるあの頃と変わってないのかもしれません。
でも、一つ違うのは
今はきちんと夢と現実を両方見られるようになったということです。


大人は、楽しいです。

wave0604 at 13:38│Comments(0)TrackBack(0)なんだかなぁの日常 

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