2009年02月03日
生きてきた道
ここで、彼について少し触れておかないといけないかもしれない。
彼には、両親と兄がいる。
血は、繋がっていない。
物心がつくより前に、本当の両親は事故で亡くなっている。
養子としてその家に引き取られた彼は、
可愛がられて育ててはもらえなかった。
細かいことは書かないようにするけれど、とにかく「我が子のように」とはかけ離れた育てられ方をしたのは間違えない。
「よくぐれなかったね」と人にはよく言われる、と笑って話す彼を見てると、
ほんとにそう思う。
私だったらぐれるどころか下手すれば危険な反撃に出ていたかもしれない。
それでも『他人を育ててくれた』という恩を、彼はずっと忘れなかったから、
自分のいろんな気持ちを殺してでも素直に育ったのだと思う。
私の想像など足元にも及ばないほどに辛い事が沢山あった幼少〜青年時代だったのだと思うと、本当にアタマが下がる思いがする。
小さな子供だというのに、親のぬくもりを知らずに育つなんて。
抱きしめてもらえないなんて。
私は、少々厳しい母親と優しい父親に恵まれて我侭三昧に育ってきたからこそ、
親のぬくもりと愛情が当たり前と思って育ったからこそ、
当たり前のものを与えてもらえなかったことが他人事ながらすごく悲しい。
その厳しすぎる環境は、本人も知らぬうちに「子供の気持ち」を真綿を締めるように殺していったのだと私は思う。
私は精神科医でもなんでもないし、そういう勉強をしたわけではないけれど、
誰でも人間のベースの部分は幼少時代にある程度確立していくのだと思う。
大人になって丸くなったり、外交的になったり、逆に内に篭ってしまったり等いろいろ変わっていくとは思うけれど、
刷り込まれた基本の部分は、そう大きく変わるものではないと思う。
私から見る彼は、
とても純粋で物事に真面目。努力家。
でもその裏側には、いろんな無意識の感情が張り詰めた糸のように張り巡らされて隠してあるように思える。
『いいこでなくちゃいけないんだ』
そう育った彼は、今も水面下でその糸に絡め取られているような気がする。
その糸をぶった切るのが私の役割だ。と、思っている。
八方美人なんて仕事以外の日常でやったら精神衛生上悪いことこのうえない。
『僕は、僕だ』
そう大きな声で言えるようにしてあげたかった。
今まで彼の前にひかれていたレールを壊せるように、私が背中を押して工事用具を手渡したという感じかもしれない。
レールを壊すことなど容易いと、彼にわかって欲しかった。
そして、レールを壊したからといって、レール以外のものが一緒に壊れるわけではないということも。
人生なんて、自分で決めるもの。
そうでしょう?
彼には、両親と兄がいる。
血は、繋がっていない。
物心がつくより前に、本当の両親は事故で亡くなっている。
養子としてその家に引き取られた彼は、
可愛がられて育ててはもらえなかった。
細かいことは書かないようにするけれど、とにかく「我が子のように」とはかけ離れた育てられ方をしたのは間違えない。
「よくぐれなかったね」と人にはよく言われる、と笑って話す彼を見てると、
ほんとにそう思う。
私だったらぐれるどころか下手すれば危険な反撃に出ていたかもしれない。
それでも『他人を育ててくれた』という恩を、彼はずっと忘れなかったから、
自分のいろんな気持ちを殺してでも素直に育ったのだと思う。
私の想像など足元にも及ばないほどに辛い事が沢山あった幼少〜青年時代だったのだと思うと、本当にアタマが下がる思いがする。
小さな子供だというのに、親のぬくもりを知らずに育つなんて。
抱きしめてもらえないなんて。
私は、少々厳しい母親と優しい父親に恵まれて我侭三昧に育ってきたからこそ、
親のぬくもりと愛情が当たり前と思って育ったからこそ、
当たり前のものを与えてもらえなかったことが他人事ながらすごく悲しい。
その厳しすぎる環境は、本人も知らぬうちに「子供の気持ち」を真綿を締めるように殺していったのだと私は思う。
私は精神科医でもなんでもないし、そういう勉強をしたわけではないけれど、
誰でも人間のベースの部分は幼少時代にある程度確立していくのだと思う。
大人になって丸くなったり、外交的になったり、逆に内に篭ってしまったり等いろいろ変わっていくとは思うけれど、
刷り込まれた基本の部分は、そう大きく変わるものではないと思う。
私から見る彼は、
とても純粋で物事に真面目。努力家。
でもその裏側には、いろんな無意識の感情が張り詰めた糸のように張り巡らされて隠してあるように思える。
『いいこでなくちゃいけないんだ』
そう育った彼は、今も水面下でその糸に絡め取られているような気がする。
その糸をぶった切るのが私の役割だ。と、思っている。
八方美人なんて仕事以外の日常でやったら精神衛生上悪いことこのうえない。
『僕は、僕だ』
そう大きな声で言えるようにしてあげたかった。
今まで彼の前にひかれていたレールを壊せるように、私が背中を押して工事用具を手渡したという感じかもしれない。
レールを壊すことなど容易いと、彼にわかって欲しかった。
そして、レールを壊したからといって、レール以外のものが一緒に壊れるわけではないということも。
人生なんて、自分で決めるもの。
そうでしょう?