昨日午後(日本時間では同日夜)に、安倍首相はロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリン(大統領府)で会談。元島民による北方四島へのビザなし訪問について、墓参などで空路利用を開始することで合意した。この6月中に択捉・国後両島に向けて実施する。めでたし、めでたし。加えて、「ロシアには福島原発1号機の処理で日本を援助する用意があり、汚染された土壌の浄化、放射性廃棄物の処理のための最新鋭技術を提供する。」とプーチン大統領に言わしめた安倍総理と事務方の外交能力と努力を称賛したい。ロシアから提供される「汚染された土壌浄化・放射性廃棄物処理技術」は、現代日本の最優先の防衛問題解決の糸口となるに違いない。しかしながら、ロシアによる北方領土の実効支配が強化されている現実を忘れてはいけない。
日露首脳会談:どのように領土問題は日露外交の脇へ追いやられたのか?
(スプートニック日本 2017年04月27日 07:15(アップデート 2017年04月27日 18:19) )
今日27日、安倍首相がモスクワを公式訪問し、日露首脳会談が行われる。プーチン大統領が昨年12月に日本を訪問してから4か月半が経過し、この間に専門家や世論の日露関係に対する期待は大きく変化した。
 今年2月、メドベージェフ首相は、クリル諸島の「名無し」の5つの無人島にソ連の将軍や政治家の名前をつけた。これに日本は反対し、ロシアに抗議の意を表した。ロシア高等経済学院・国際政治経済学部のアンドレイ・フェシュン准教授は「こういったやり取りは最早、形式的なもの」と話す。このことは安倍首相のロシア訪問に影響を与えなかった。フェシュン氏の見解では、今回の安倍首相の訪露の目的は、日露の経済協力の進展を確認するだけではなく、近い未来の韓国・中国外交の方向性を決める材料を見つけることだ。
 フェシュン氏「日本にとって、米国が潜在的に北朝鮮を攻撃するかもしれないということは、経済的に非常に大きな利益があります。これによって日本のライバルである韓国の力は弱まりますし、中国も弱体化するかもしれません。北朝鮮からの難民は中国に逃れると思われるからです。この状況下で、安倍首相がプーチン大統領から聞きたい情報は何でしょうか?それは、北朝鮮が経済制裁されている中で、ロシアがどの程度北朝鮮を援助するつもりなのかということです。安倍首相は、北朝鮮が日本に及ぼす脅威についても話し合うつもりでしょう。クリルの共同経済活動というテーマは、日本にとってはまだかなりあやふやなものです。中小企業や観光業界は、すでにクリルで活動する準備ができていますが、日本は新しい法的基盤の整備の必要性を主張しています。全体的に、クリルのテーマは脇へ追いやられ、近い未来に解決の見込めないシンボル的なものになったと思います」
 日本の政治団体「一水会」の木村三浩代表は、今回の首脳会談でシリア問題について言及があるかどうか注目したいと話す。今月4日、シリアで空爆があり、米国はアサド政権が化学兵器を使用したとして、7日に巡航ミサイルでシリア軍の空軍施設を攻撃した。これで米露関係はいっそう冷え込んだが、安倍首相は「化学兵器の使用を許さない米国の決意を支持」すると表明した。
 木村氏「米国はシリアが化学兵器を全面廃棄していないとみなしていますが、この疑惑に対しては、調査団を派遣して事の真偽を確かめるべきです。米国は過去に過ちを犯しています。イラク戦争開戦前に『イラクが大量破壊兵器を隠し持っている』と訴え、攻撃を正当化しましたが、後になってそれは誤りだったとわかりました。ですから今回はシリアの化学兵器の有無について、日本が第三者として客観的に確認することをロシアに提案すればよい。ロシアとしても日本の中立性が必要でしょう」
 ロシアの著名な日本専門家の一人、モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は、今回の首脳会談を昨年12月よりも楽観視しているという。
 ストレリツォフ氏「対露関係に対して、安倍首相は世論に一喜一憂せず、独自のポジションをとっています。彼には実現したいプランがあり、そのレールに沿って、一歩一歩進んでいくと思います。安倍首相が2021年まで自民党総裁、総理大臣でい続ける可能性も生まれ、停滞している問題を解決する可能性が高まってきています。そして来年プーチン大統領が再選すれば、新しい日露関係のレールを、落ち着いて敷いていくことが可能になるでしょう
 昨年12月は、「ロシアが領土問題に関して何らかの譲歩をするのではないか」という根拠のない情報が日本のメディアを席巻し、報道が過熱していたが、今回日本にそのような幻想は見られない。日露の二国間関係・領土問題よりも急を要する協議テーマが増えすぎてしまい、むしろ何に期待をするべきなのか、限定できなくなっているのだ。

21:03 両首脳は依然変わらず、「君」呼びで話し合っている
安倍総理&プーチン大統領

閑話休題(ソレハサテオキ)


合衆国の方ばかり観ていると、ロシアが合衆国を超えている分野があることに気づかない。今朝は、今年2月と昨年11月に「ロシアNow」に掲載されたロシア宇宙開発の実情を知ることで、現代ロシアの国際的な実力について開眼したい。
宇宙教育に力を入れるロシア
(2017年2月6日 エレーナ・プロシナ、ロシアNOW)
未来の職業の多くが宇宙産業と関連している。世界に先駆けて人間を宇宙に送り込んだ国・ロシアには宇宙研究の専門家を養成する大学が複数ある。
 ロシア一の知名度を誇るロモノーソフ記念モスクワ国立大学も「宇宙」を専攻できる最高学府の列に加わった。1月25日、宇宙関連の諸重要部門の専門家を養成するべく、「宇宙研究学部」が設置されたのだ。
 同大のヴィクトル・サドーヴニチイ学長が督学評議会で述べたところによれば、「宇宙医学、生物学、飛行および無重力空間における行動に向けた飛行士の訓練、諸々の未解明の宇宙現象の研究、情報技術、そしてもちろん、新たな機器の開発」こうした部門の専門家が養成される。

宇宙を専攻できる大学一覧
 ロシアではモスクワ国立大学以外にも宇宙飛行学の専門家を大規模に養成する大学が複数ある。各校は「ロシア航空宇宙大学コンソーシアム」を形成している。
・モスクワ航空大学(国立研究大学)
・サマラ国立航空宇宙大学
・M.F.レシェトニョフ記念シベリア国立航空宇宙大学
・サンクトペテルブルク国立航空宇宙機器製造大学
・D.F.ウスチノフ記念バルト国立技術大学「ヴォエンメフ」
ほかに、宇宙研究の専門家を養成している大学に、次の各校がある。
・ロシア民族友好大学
・モスクワ物理技術大学(国立大学)・N.E.バウマン記念モスクワ国立技術大学

宇宙関連の職業、どう選ぶ?
 ユーリー・ガガーリンは20万人の候補者の中から宇宙飛行士に選ばれた。そうして1961年4月12日、世界史上初めて宇宙飛行を成し遂げたのだ。以来、多くのことが変ったが、宇宙で働くチャンスは、ほぼすべての人に与えられている。ところで、「宇宙で働く」と言っても、宇宙飛行だけがその全てではない。宇宙産業で必要とされる職業は他にも色々ある。
 「宇宙、それは、数多の技能や知識が適用される分野だ。能力や才能を注ぎ込み、また発展させることができる、巨大なシステムなのだ。強大かつ“コスミックな”バックグラウンドを持ち、宇宙部門のプロジェクト企業および製造会社との間に大規模な協力体制を有している大学を選べば、卒業を待たずに、一年次から、宇宙漬けになれる」。モスクワ航空大学広報課長のイリーナ・ストロジェワ氏がロシアNOWに対して語った。
 宇宙という分野を広い意味で取るなら、上位の工学系大学ならいずれを進学先に選んでも間違いはない。バウマン記念モスクワ国立技術大学でもモスクワ航空大学でも。大事なのは、宇宙を仕事にするための基礎的教育を受けることなのだ。
 企業側では、実際に機器の設計・製造に携わる専門家が必要とされている。「たとえば設計、開発、計算、技術といった専門分野だ。こうした専門職への需要は永続的なものだ。工学の世界では、プロフェッショナルが常に必要なのだ。最終製品が複雑であればあるほど、専門家の質に対する要求も高くなる」とストロジェワ氏。

宇宙産業の未来
 宇宙産業におけるトレンドは既に明らかになりつつある。たとえば、民間商業宇宙飛行の発展。これが新たな職業の出現を促している。
 「進歩的なエンジニアは、もう、単に製品を製造し、生産技術の効率性を高めることができるだけでは足りなくなっている。彼は同時に市場の将来を見通せる企業家であり、製品のライフサイクルを統括するシステムエンジニアであり、生産プロセスの組織者であり、自らの開発品をベースにサービスの価格を見積もる投資家でなければならない」とストロジェワ氏。
 未来の職業を集めた、いわば「新・職業名鑑」には、他に「宇宙ツーリズムのマネージャー」といったものが挙げられる。つまり、近宇宙空間の訪問プログラムを策定する専門家だ。他に、地球近傍の輸送網を整備し、輸送回廊の策定や地球における打ち上げ・発射の同期(シンクロナイゼーション)を担う、宇宙の「道路整備士」も挙げられる。
 「いずれにせよ未来は宇宙にある。この分野を進学先に選ぶのは抜群の判断だといえる」とストロジェワ氏は締めくくった。


ロボットのフョードル君が宇宙へ
(2016年11月9日 アラム・テルガザリャン, ロシアNOWへの特別寄稿)
新しい人型ロボットが、2021年にも宇宙に行く可能性がある。

ロシア_ロボット_宇宙開発
 ロシアで開発された新しい宇宙ロボットは、宇宙飛行士とペアになる。軍事・宇宙プロジェクトの実現を担当するドミトリー・ロゴージン副首相は先月末、このように話した。
 設計者の予定では、多機能人型ロボット「フョードル(FEDOR)」は、2021年に国際宇宙ステーション(ISS)での任務を始める。フョードルとは、最終実験的実証対象物研究(Final Experimental Demonstration Object Research)の頭文字を集めた名前であり、また一般的なロシア名でもある自分で解決を行え、宇宙だけでなく、緊急時には地球で活動することもできる。

人を超越しているところも
 「宇宙飛行士は、宇宙船、船外宇宙空間、他の惑星での活動で、ロボットに頼ることができる。人と同じ条件で活動できるロボットがチーフになる。ロボットの可能性は人間の可能性に相当し、一部の特徴では人間を上回る」と、ロシア国立ロボット工学技術・基礎要素開発センターのセルゲイ・フルス・センター長はロシアNOWに話す。
 人型ロボットに特別なツール、装置、輸送機はいらないと、フルス・センター長。危険な状況において人間の代わりに活動し、困難かつ繰り返しの作業を引き受け、人間の力と知能をより複雑な課題のために残すのが、人型ロボットの課題である。
 フルス・センター長によれば、このロボットをつくるアイデアは2年半で実現したという。プロジェクトを支援したのは「ロシア連邦有望研究基金」、実現したのは科学生産合同体「アンドロイド技術」。フョードルをつくる過程で、14の新技術が開発された。この技術は逆センサー接続を使った複合制御の基礎となっている。
 フョードルは、人間の生命と健康に危険な領域で、人間の代わりに活動することができる。人間のために設計されたインフラでも活動可能だという。

人よりも慎重に
 軌道上ではすでに、フョードルの類似体が活動している。それはロシア製の「SAR-400」と「SAR-401」、アメリカ製の「ロボノート」と「ロボノート2」、ドイツ製の「アイラ」、中国製の「小天」。「アメリカ航空宇宙局(NASA)」は、火星への長期遠征に向けたロボット「ヴァルキリー」を開発した。このロボットは、火星でコロニー建造に携わる。
 フョードルは救助者、爆発物技術者、潜水士、溶接工の機能を果たすことができる。これは「アンドロイド技術」が開発した人型ロボットの5種目である。最初の4種のロボットは、ロシア連邦非常事態省の発注を受けて開発された。ロシアのロケット・宇宙企業「エネルギヤ」は、フョードルの最初の宇宙飛行の目的と課題を用意する実験所をつくっていると、フルス・センター長。
 宇宙飛行士とロボットの長期飛行での協力は近年、ISSの研究に欠かせないものとなっている。世界の開発者の主な課題は、ロボットを安全問題に対してもっと敏感にすること。人間よりも慎重なロボットが必要だと、開発者は話す。この課題が達成されると、周囲の物体を傷つけることなく、自由に空間を移動し、宇宙船の限られたスペースの中で活動することを人型ロボットに教えることができるようになる。

参照:「ISSに水や食料、実験道具などの物資を届ける補給機も、欧米や日本が打ち上げたのが5〜8機なのに対し、ロシアは62機と群を抜く。ただ日本の「こうのとり」は現役では唯一すべて成功している補給機。2015年には米ロの補給機が相次いで失敗するなか成功し、日本の宇宙開発技術の評価を高めた。

2015年8月1日、ロシア空軍と独立兵科のロシア航空宇宙防衛軍は統合され、ロシア連邦軍の大気圏内及び宇宙を作戦空間とする「ロシア航空宇宙軍(ВКС)」に再編成された。人員約14.5万人、航空機約2,500機、内武装機(回転翼機を除く、爆撃機・戦闘機・戦闘攻撃機・攻撃機・武装偵察機)約1,100機を保有している。


大きな春笑みのよき週末・連休を   感謝