8月20日(日)午後9時00分から放送されたNHKスペシャル『戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945−1946』が、23日(水)午前0時10分から再放送される。おススメします。

戦後ゼロ年(1945年8月15日からの1年間)に関する、未公開映像や機密資料をNHKは発掘。ヒト・モノ・カネをブラックホールのように飲み込み、都市・東京が再生されていく。「闇市」「東京租界」など歴史映像の中に、俳優・山田孝之さんをデジタル技術でタイムスリップさせ、東京の出発点を見せてくれるドキュメンタリー番組。

敗戦が一人ひとりの日本国民にとり、いかに悲惨で体や心に苦しみや痛みを与えられた体験であったことか。リアルな現実を追体験するにはこのような番組は千金の値がある。今後の日本の教育では敗戦のリアルな知識が、学校という場に限らず、多くの民衆にインプットされ、最悪の事態を想像する力が鍛えられ、アウトプットしての平和・反戦思想が定着していくに違いない。

参照: 流れのままに 「学ぶこと」(2012年08月24日)

戦争に負けるということ、そして占領されるということがどういうことかを、庶民の目線で知る必要を感じた。第2次朝鮮戦争よりは、第2次日中戦争の方が現実味を帯びていることに氣づきたい。人口は10倍、名目GDP2.5倍、そして購買力平価ベースでは4倍の開きがある隣国の中国。大日本帝国(の崩壊)が生み出した共産国である。この予期できる戦争が局地戦で済んで、すんなりと和平が導かれる保証はどこにもない。特に、合衆国が不参加・中立の立場で太平洋の向こう側から静観する姿勢を選択した場合は危ない。日本は中国に占領される可能背がある。だからこそ、不断の政治・経済・外交の努力を要する。日中国交正常化を実現し、中国への円借款の供与を決めた故大平正芳首相が1979 年12月7 日に中国政協礼堂で行った講演の一節を想い返し咀嚼したい。
国と国との関係において最も大切なものは、国民の心と心の間に結ばれた強固な信頼であります。この信頼を裏打ちするものは、何よりも相互の国民の間の理解でなければなりません。(中略)日中両国は、一衣帯水にして2000 年の歴史的、文化的なつながりがありますが、このことのみをもって、両国民が十分な努力なくして理解し得ると安易に考えることは、極めて危険なことではないかと思います。(中略)一時的なムードや情緒的な親近感、さらには経済上の利害、打算の上にのみ日中関係の諸局面を築き上げようとするならば、所詮砂上の楼閣に似たはかない脆弱なものになるでありましょう。

(追記)
天安門事件などの論文、中国からの閲覧遮断を英ケンブリッジ大が撤回
(ロイター / 2017年8月22日 9時34分)
[北京/ロンドン 21日 ロイター] - 英ケンブリッジ大学の出版事業を手掛けるケンブリッジ大学出版局(CUP)は21日、中国政府の要請により中国国内で閲覧ができないようにした天安門事件などの論文について、再度閲覧ができるようにした。
 CUPは先週、中国当局の要請を受け、天安門事件や文化大革命、チベット問題などに関する300の論文と書評への中国からのアクセスをブロックした。
 閲覧ができなくなった論文や書評は、CUPが1960年代から出版している学術誌「チャイナ・クォータリー」に掲載されている。この学術誌は、中国当局が神経をとがらせているトピックを多くカバーしている。
 CUPは、中国当局の要請に応じたことについて、今後も中国国内で他の学術資料にアクセスできるようにするためと説明。このCUPの動きについて、学術界からは学問の自由に対する侮辱だとの批判が噴出していた。
 中国国営のタブロイド、グローバル・タイムズは、「中国のやり方」が気に入らないなら中国から出て行くべきだと反論した。
 CUPと「チャイナ・クォータリー」の編集者ティム・プリングル氏は21日、問題となっていた資料をサイトに再度掲載するという決定を確認。プリングル氏は「質の高い出版物へのアクセスは、学術研究において非常に重要だ。そうしたアクセスを阻止することは、CUPのように世界的に評判が高い出版社の役目ではない」と語った。
 CUPは「閲覧できなくする措置は一時的なものだ」と説明し、「学問の自由は最も重要な原則で、CUPはそれを基礎としている」との声明を発表した。


閑話休題(それはさておき)


グラウンド・ゼロ(ground zero)という言葉は、広島と長崎への原爆投下爆心地(Hypocenter)や地上核実験での爆心地を指すものであった。しかしながら、合衆国同時多発テロ事件の報道の過程で、テロのターゲットとなったWTCの倒壊跡地が、広島の原爆爆心地の島病院付近を連想させるとして、「グラウンド・ゼロ」と合衆国のマスコミで呼ばれ定着。島外科病院
島外科病院の廃墟(手前)・右手に倒壊を免れた護国神社の鳥居が見える@1945年11月

『戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945−1946』でインタヴューに応えている合衆国における日本占領研究の第一人者のW・ダワー氏(1938年生)は、日米の視覚文化を扱ったオンラインサイト「MIT Visualizing Cultures」を宮川繁博士と共に制作した。ここにある「Ground Zero1945」は、一読・一見に値する。
ground zero 1945
なお、宮川繁博士は、MITの授業をインターネットで配信する「オープンコースウェア構想」の中心人物でもある。
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NHKにも受信料やオンデマンド料金を課金しないオープン番組構想を持って、世界に日本発の視覚文化を発信してもらいと思った。

大きな笑顔で邪氣を払って参りましょう。 感謝

(追記)
日米共同訓練が実戦想定へ
(NHK 08月22日 06時30分)
 道内で行われている日米共同訓練は22日から実戦を想定した訓練が始まり、アメリカ軍の輸送機オスプレイは沖縄県以外では初めてとなる夜間の離着陸訓練を行う計画で地元自治体は国に対し安全対策を徹底するよう求めています。
 今月10日から行われている陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の日米共同訓練は22日から5日間の日程で「総合訓練」が行われます。
 自衛隊によりますと訓練では司令部が立てた作戦をもとに隊員の輸送や目標地点の攻略などを実際に部隊が行動して確認するということです。
 このうちオスプレイは作戦の進展状況で千歳市などにまたがる北海道大演習場と上川の上富良野町などの上富良野演習場で夜間の離着陸訓練を行う計画です。
 自衛隊によりますとオスプレイは21日夜、アメリカ軍単独の訓練で道内を飛行しましたが、沖縄の基地負担の軽減を目指した去年の日米合意に基づいて行われる訓練で夜間の離着陸訓練が行われれば沖縄県以外では初めてとなります。
 オスプレイをめぐっては、今回の訓練では飛行ルートなどが公表されていないことから、道や演習場のある自治体は安全対策を徹底するよう国に求めています。

参考:沖縄の基地負担軽減について