アイルランド系アメリカ人の児童文学作家・ロフティング(Hugh John Lofting, 1886〜1947年)は、土木技師をしていたが、1916年に英国軍人として第一次世界大戦に出征、負傷した。その際、動けなくなった軍用馬の射殺処分に多数遭遇した。これに心を痛め、息子に送る手紙に書いていた物語をアメリカ人として合衆国で発表した。これが「ドリトル先生」シリーズであった。

ドリトル先生の性格は、一度決心すると、どのような困難が降りかかろうとも、けして諦めない。希望を持って行動し、ついに目標を達成してしまう冒険家の博物学者。相手の言葉に理がある時は、たとえ無学な子供であろうと、貧困者であろうとも尊重する。一方、相手が間違っているならば、国王であろうと勇氣を持って進言する。

先生の本名はジョン・ドリトル。原語の英語では、Doctor John Dolittle(ジョン・ドゥーリトル博士)。しかし、日本語版権を持った岩波書店の担当者は、姓のDolittleを「働きが少ない」と誤訳し、“やぶ先生”と捉えてしまった。そして、翻訳者の井伏鱒二氏に相談し、英語読みの「ドリトル」に変えた。

Dolittle先生は、生活のために仕事をしないことを誇りに思っているところが素的だ。旅行と思索と博物学などに時間を活用しているのは、まさしくジェントリーで、Do Little(無為自然)の名にふさわしい生活スタイルで憧れてしまう。

閑話休題(ソレハサテオキ)。

「急がなくては」と、思う氣持ちがついつい芽生えてしまう。

しかし、これは充実した人生を送っている証拠でも、時間が足りないことの結果でもない。どちらかといえば、この氣持ちは不安から生まれている。

「時間を浪費している」という漠然とした不安から。

すべきことをしていないとき、他のことをする時間がないと思い込む。
そして、自分は世界一忙しい人間だと錯覚してしまう。

Do Littleを「無為自然」と理解する所以。

さあ、今日も笑顔で参りましょう。

感謝
canterbury11