261deaff.jpg 今は使われてはいないが、江戸時代に「ご恩送り」という言葉があった。「ご恩返し」は今も昔も使われ、贈り物を送ったり返したり、受けた恩を相手に返すので一対一で完結してしまう。ご恩送りは、誰かから親切を受けたら、これを親切を受けた誰かに返すのではなくて、他の人に渡していく。直接恩を受けた人に返せないのであれば、別の人に送ろうということ。偏狭な義理人情を解放してくれる作法のひとつだ。
 江戸に100万人いるとする。一日一辺くらい親切を受けることがあれば、一瞬のうちに江戸の町に100万の恩が波する。それを互いに回す。その恩を第三者に順送りすることで周りを住みやすいものにすることができる。江戸の智慧のなんと素的なことか!

 感謝