2012年02月07日

4年生新教材「初雪のふる日」

本年度,国語の教科書が改定され,新教材がいくつかみられます。文学教材は,説明的文章とちがって,比較的,伝統的な作品が多いようです。4年生を除いて,1年生から6年生まで次のような伝統的作品が,教科書の最後に出てきます。「たぬきの糸車」「スーホの白い馬」「モチモチの木」「わらぐつの中の神様」「海の命」です。

これらの実践については,拙著「活動する国語」に報告しています。そこには,教材分析と単元構想,各時間の授業の実際とその考察,をそれぞれ掲載しています。このブログでも紹介していきますが,よろしかったら,ぜひ本を買っていただいて,読んでいただければと思います。

さて,4年生以外は,と書きましたが,4年生には新教材が登場します。それが「初雪のふる日」です。かなりの長文です。以前,説明的文章でも書きましたが,新教材となると,教材分析をして,授業を構想しなければなりません。今回,そのことについて考えてみました。

1 題名分析
 3月のこの時期に「初雪」というのも,やや季節がずれている感じがします。「ふる日」なので,この日の出来事だということは,理解できます。しかし,なぜこの日なのか,何が起こるのかということは,題名からでは判断できません。その意味からもなぞめいた題名であると言えます。このなぞめいた感じが,作品の内容や筋とつながっています。
 「初雪の」の「の」ですが,「初雪が」ではありません。この「の」と「が」の違いについても考えてみるとおもしろいと思います。この場合の「の」は,格助詞で主格を意味しています。ですから,意味からは「が」でも同じと言えます。しかし,あえて「の」となっているのです。ここに意味があります。いろいろ考えられるところですが,「が」だと自然現象の意味合いが強い,「ふる日」のことより「ふる」が強調される,「の」の方が柔らかい感じがする,「ふる」より「日」が強調される,などです。子どもたちに聞くと,もっといろいろ言いそうです。

2 出来事分け
 この出来事分けは,時,人,ことが変わるところで分けます。その前に,形式段落は,全部で44ありました。途中の歌も1段落として数えています。形式段落との関係でまとめてみたいと思います。

(1)女の子が石けりを始めてどんどんとんでいく
1段落から8段落まで
(2)雪うさぎに出会って,とぶのをやめられなくなる
9段落から20段落まで
(3)おばあちゃんのおまじないを唱えようとするがなかなかできない
21段落から29段落まで
(4)よもぎを拾っておまじないに成功する
30段落から39段落まで
(5)われにかえって助かり,バスで送り返してもらう
40段落から44段落まで

3 主題
 主題を考えるとき,作者の意図を探ることをしません。作者は,作品を書き上げた瞬間に,その作品から離れ,物語を語る人とは別になるからです。

 そして,主な題材を「主材」と呼び,その解釈を「主想」と呼び,それぞれについて考えます。「主材」は誰が読んでも共通です。しかし,「主想」は読む人が異なれば違います。それでは,解釈が異なってばらばらになってしまうのではないかと思われるかもしれません。

 ところが,同じ時代,同じ文化を共有している人が読む場合は,それほど大きく異ならないのです。これは,解釈が個人によってなされているというよりは,歴史的文化的に規定されると考える方がぴったり来ると思います。

 では,この教材の主材は何か「とぶこと」です。女の子は石けりをとびます。雪うさぎもとびます。とぶということで,初雪と吹雪,春という季節をとんでいるのです。そして,女の子のとびと雪うさぎのとびが同じだと,女の子はさらわれていきます。しかし,両者のとびが異なったときに,女の子は助かり,春がやってくるのです。

 このような主材をどのように解釈するかという問題です。上にも書いたように,この主想は読者によって異なってよいので,ここに書く解釈は,その1つであると言えます。私は,「自然に翻弄されない人のたくましさ」と考えました。雪や吹雪に屈することなく,春を呼び覚まそうとする。実際は,春が来ることを待ちわびるのですが,それは,耐え偲んで待っているのではなく,自ら呼び覚ますように季節を待つのです。

 この姿に,人のたくましさを感じます。また,このたくましさを支えているのが,祖母の知恵であることから,老人と子どものつながりを背景としています。つまり,人のたくましさは,個人だけで生まれてくるのではなく,先人の知恵や経験から,それらとのつながりから生じてくるのです。

 このことを踏まえながら,さらに教材分析は続きます。


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weabing_be at 17:03│Comments(0)TrackBack(0)国語科 | 指導技術

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