2017年05月

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 ろうそくでカップ麺を食べるのに十分なお湯を沸かすことができるのか挑戦してみた。
 なぜろうそくでお湯を沸かす必要があるのかと言えば、世界を股にかけるバックパッカーに自分がなったと妄想した場合、幾度となく飛行機に乗る必要が出てくるだろう。その時、危険物であるためストーブやランプに使う燃料を荷物の中に入れることができない。油類はもちろん炭もだ。つまりバックパッカーは飛行機に乗るたびに燃料を放棄し、次の土地で購入しなければならないことになる。多分そうやって旅をしているのだろうと想像するが、これは不便なことだ。
 しかし、ろうそくなら飛行機に持ち込みOKだ。ろうそくはもちろん照明として使うわけだが、調理にも使えるならばバックパッカー用のストーブとして重宝するに違いないと考えたのだ。
 それにサバイバルテクニックとしても有効かもしれない。冒険者にとって身につけるておくべき必須のスキルになるかもしれないのだ!
 以前、元ボーイスカウトと2人でキャンプに行ったときのこと。「今回はストーブを持って行かないで薪を拾って調理しようよ」との提案を受けたのでその通りにした。ところが前日の雨のために辺りに落ちている木々の枝は濡れており使い物にならない。仕方なく火の着きやすい細い細い柴や枯れた葦のような物を必死に拾い集めて燃料とし、レア気味のバーベキューにありつくまでに確か2時間も掛かったという経験があった。この時、キャンドルランタンのろうそくを調理用に転用することができていたらあんな苦労をせずに済んだ。そんな経験もろうそくで調理できないものだろうかという発想に結びついている。
 どの程度の火力があれば良いのか考えた時に、カップ麺を食べるのに必要なお湯を沸かすことができることを必要最低限の能力と設定した。
 というわけで、ろうそくでお湯を沸かしてカップ麺を作ることができるのか、実験だ。
 サバイバルテクニックの開発も兼ねてなので、身近なものでろうそくストーブを作ろうと思い、その素材としてビールの空き缶を選んだ。

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 ハサミで加工した即席のろうそくストーブに写真のようにろうそくをセットして、水を入れた空き缶をを上に乗せて点火、過熱する。
 失敗。ろうそくが燃え尽きても缶の中の水は沸騰するまでに至らなかった。
 しかしまだあきらめるのは早い。

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 燃焼効率を改善するために空気取り入れ口を拡げ、より背の高いろうそくを燃やせる2号ストーブを作る。

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 今度は実験成功。空き缶の中の水はぐつぐつと煮えたぎり、沸かしたお湯を注いでカップ麺を作ることができた。ろうそくでお湯を沸かしカップ麺を食べることは可能なのだ。
 しかし、サバイバル術としては利用可能でもバックパッカーのための実用性としては十分とは言えない。時間が掛かりすぎるのである。1杯のカップ麺を食べるために30分近く待つのは辛かろう。
 ろうそくの炎はお湯を沸かすには弱い。観察したところ、お湯を沸かすために必要十分な火力を発揮するのは、ろうそくが溶けて液化し、ろうそくの原料であるパラフィンが沸騰・気化しはじめてからなのだ。

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 では、どうするか? 気化を早めてやれば良い。というわけで2階建てのろうそくストーブ3号の登場。下の段のろうそくの熱で上の段のろうそくを素早く液化・気化させようというのである。
 その結果16分でお湯を沸かすことができた。しかし早まったとは言え実用的とまでは言えない。ろうそくストーブの実用化は無理なのか…
 ところが実験から大きなヒントを得ることができた。

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 ろうそくストーブからお湯の入った空き缶を取り外すと、突然激しく燃焼し出したのだ。想像もしなかった大火力。
 そうか、酸素の供給が十分ではなかったんだ!
 そこで空き缶を使う発想から離れ、鍋を使ってみることにした、これなら被災時にも身近なところにありそうだし、バックパッカーだって持ち歩ける。

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 1枚のティッシュペーパーに包んだ10数本のチビろうそくをストーブとして使う鍋に入れ点火。
 あっという間に大きな炎となる。これをろうそくの炎と呼んで良いのか若干の疑問が残るが。

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 これは大成功、4分で400ccの水を沸騰させることができた。もちろんカップ麺が楽勝で食べられる。それどころかカップ麺用のお湯を沸かし終えてもその勢いはとどまらず、この火勢なら本格中華を作ることも可能。カップ麺どころかパラパラチャーハンが作れそうな大火力だ。カップ麺用のお湯を沸かすだけならチビろうそく5~6本で十分な火力が得られるのではあるまいか。
 というわけでバックパッカーにもサバイバルにもろうそくストーブ(鍋だけど)は有効だということが実証できた。私自身、アウトドア活動などで今後使う場面は訪れないかもしれないんだけど。
 もし、自分もやってみようという物好きな人がいたら(いないと思うけど)火事と火傷には十分に気を付けてね。

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 先月、北海道の実家で弟夫婦が用意してくれたジンギスカン鍋は美味かったな~ 思い出したら食べたくなったな~ とジンギスカン鍋を食べたい欲求が私の中で膨らんだ、ある朝。
 ジンギスカン鍋を食べるための選択肢は3つある。 
①近所の肉のハナマサであまり美味しくなさそうな冷凍羊肉を買って来て自宅で調理する。
②電車で池袋まで行き、ジンギスカン専門店の門をくぐる。
③自転車で、ジンギスカンが名物という正丸峠の峠の茶屋まで行く。
 の3択だ。
 先日、変速機の故障で修理に出していたマウンテンバイクが戻ってきて走りたいという欲求もあったせいで、つい③を選択してしまった。
 マップによると距離はおよそ55キロ、今から出発してもなんとかなるんじゃないの。
 朝9時30分過ぎに出発。
 起点は新座市を流れる黒目川。鴨たちがのんびりと泳いでいたよ。
 正丸峠までは主に国道299号線で行くのだが、その299までの道をグーグルマップに頼ってしまった。歩行者モードに合わせたところ、最短ルートなのだろうが住宅地をちょこちょこ曲がる道を案内され、惑わされ、幹線道路に出るまでに30分は時間をロスしてしまった。カーナビと違い進行方向・道に画面を合わせてくれず方位に従ってぐるぐる画面を回転させて表示するので非常にわかりにくい。グーグルマップというよりグルグルマップ、使えん。
 幹線道路とは言っても狭い道が続き、車道を走れば車に邪魔にされ、歩道を走れば歩行者に迷惑を掛ける。自転車は実に肩身の狭い思いをしながら走らなければならない道が続く。おまけに意地悪な車が、右側の幅員に余裕があるにも関わらず、わざと路肩の白線を踏み越えて幅寄せしてくる。こうした危険行為をするドライバーってなかなかいなくならないものだよね。

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 入間市辺りにくると道幅が広くなって、ストレスなく走れるようになった。巡航速度で35キロ以上は出ていたね、ぐんぐん進む。

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 農村地帯には見えないんだけど、酪農な香りが漂ってきた、と思ったら道路脇に牛舎が。こんなところに、と驚く。牧草地は離れた所にあるみたいだね。

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 さらにどんどん走って行くと、出発地から30キロほどで滝不動尊に出会う。
 お不動さまと観音さまに道中の安全を祈願してさらに進む。

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 正丸峠が近づくにつれ自然が豊かになってきた。ここは横手渓谷。

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 道路脇の花々も美しい。

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 おお? こんなところに薪ストーブが並んでいる。
 浅見鉄工という会社だった。薪ストーブの製造では有名な会社らしい。私もキャンプ用・防災用に小さいのを1つ欲しいなと思っていたので興味を引かれる。お話を聞いたら「もっと小さいものでも希望通りに作れるよ。」とのこと。いいね! いつかは浅見鉄工の薪ストーブユーザーになりたい。

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 もうちょっと進んだところに御岳山神社があった。時間が無いのでここから手を合わせる。

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 そろそろ燃料切れ。川のせせらぎを見ながら携行食を食べることにする。

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 鞄にぶら下げたおにぎりケースに入っているのは賞味期限70日の長期保存パン。しかもお値段75円とお手頃。ポタリングの時だけじゃなく、バドミントンの練習に行くときなどにも持ち歩いている。小腹が空いたときに便利。
 軽く腹ごしらえしたところで、もいっちょがんばるぞ~!

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 ついに国道299号から枝分かれして、正丸峠へと向かう峠道に入った。
 キツイ、ツライ!

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 スタート時にあれほど当てにならないと思ったグーグルマップに励まされる。一生懸命ペダルをこぎ、目的地までの距離表示が少なくなっていくのがとっても励みになる。

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 景色は良いがペダルをこいでいる間は楽しむ余裕はない。キツイとツライの繰り返しだもん。
 小休止してチョコを口に。

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 あと1キロ! ゼイゼイ…

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 苦しみぬいた末、やっとこさ正丸峠・標高636 mに到達! やった~!
 それにしても体力の衰えを感じる。
 交通事故の後遺症のせいもあるが、老化もある、トレーニング不足もある。十何年か前にもっとキツイ峠を越えて200キロ以上を走破した時よりも疲れた気がする。いつまでも事故の後遺症のせいにしていないで鍛えなおさなきゃ! って心底思ったよ。

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 天皇陛下もいらしゃっている名勝だったんだね。

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 とにかく目の前にはジンギスカンを食べさせてくれる奥村茶屋が。

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 下界を眺めながら食べるジンギスカンは最高~! がんばってここまで来て良かった!

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 お腹一杯になって休憩を十分にとったところで帰路に就く。
 登りでは苦しんだこの峠道だが、帰路は楽ちん。一陣の風になって木々の間を駆け抜けるようだ。気持ちいい。
 帰宅したのは夜8時過ぎ。楽しく苦しく美味しいサイクリングだった。

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 マウンテンバイクでご近所を走行中に、後ろの方でカリリ、ガリリという音が聞こえたかと思うとペダルが空回りしだした。
 停車して音の出た辺りを見ると、後部変速機のハンガーが宙ぶらりんになっている。根元からぽっきり折れていた。
 これって普通に走行していて折れるものなのか!?
 以前に悪意ある者に(おそらく酔っ払い)蹴倒されでもしたかひん曲げられて、それが元で折れたことはあったが、今回はそんな衝撃が加わった形跡はないのだが…
 修理代が痛いなぁ…

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 「串焼き 鳥徳」は「復興屋台村 気仙沼横丁」の中にあった。
 気仙沼を訪れた時にはぜひ寄りたいと思っていた屋台村。
 当地に到着した時には既に夜9時を回っていたので、翌日のランチに改めて訪問するつもりが、屋台村の数件の店舗にあかりが灯っていた。
 インターネットの情報では、屋台村は11時~15時の営業となっていたので、明日の仕込みをしている最中なのかなと思ってみたが、近づくと暖簾が出ており、中に客が居る。
 「やっているみたいだね、入ってみようか。」と後ろから付いてきた奥さんを振り返る。
 「財布に1万円しか入ってないけど…」。とガソリンを満タンにした代わりにエンプティに近づきつつある財布を気にしつつ暖簾をくぐる。
 「いらっしゃい。」店主の声。
 先に飲んでいたお客が私ら2人のために1つずれて席を作ってくれた。明るく懐こい人で、「どごからきだ」(そこまで訛ってなかったかもしれなかったが)と話しかけてきた。
 この人はトガさん。この店の常連客で、店主のエビさんとは自転車仲間だと言う。
 そう、店に入った時から気になっていたんだよ。店の壁にいくつも貼ってある新聞の切り抜きや写真には自転車レースの雰囲気のヘルメット、ウェアに身を包んだ店主エビさんのお写真。写真の中でエビさんとともに映っているのは、今隣にいるトガさんだ。
 語ると2人は情熱的な自転車乗りだった。国内自転車レースの最高峰の1つに数えられるツールド沖縄にも参戦しているレーサーだというから驚いた。
 だって震災で大変な被害を受けた人たちがだよ、苦しい想いに耐えながら生活の再建に向けて道を切り開くのに一所懸命になっているのだろうと勝手に思い込んでいたのに、人生を凄く前向きに楽しんでいる。
 「後ろ向きな話はしないよ、人生常に前を向いて行かなくちゃ。」とエビさん。
 「おめも自転車好きなのが?」とトガちゃん。
 「今回の旅も埼玉から宮城まで自転車一人旅の予定だったんですよ、奥さんがどうしても連れてけって言うから仕方なく車の旅になったんです。」と言うと大受け。
 「それはまさに俺がやりてぇと思ってることだな、そんな距離走ったごとあるのか?」とトガさん。
 「郡山までは。」と言うとまた大受け。
 「よし、そん時の話しでみろ、俺も国道4号で東京からここまで走ってみよと思ってるんだ、そん時の参考になるべ。」
 と自転車の話で盛り上がって夜が更けていく。趣味が近く齢も近いせいか話が弾む。
 そして、地酒の登場。
 飲んで応援とばかりに地元・気仙沼産の銘酒を戴く。

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 「水鳥記」、フルーティーな飲みやすく美味い酒だ。
 コップからこぼれた酒が更に下で受ける升からも零れ落ちそうになって表面張力でぎりぎり零れずにおるような絶妙なエビさんの継ぎ方。一口めは口をコップに寄せて吸うかストローを使うしかない。

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 2杯目「別格」、まろやかだがコクのあるしっかりした美味しい酒だ。

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 3杯目「蒼天伝」、香りよくさらっとした味わいの飲みやすく美味しい酒だ。

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 4杯目「船尾灯」、えーとえーと…(酔っぱらっていたためにこの辺りの記憶が怪しい)とにかく美味しい酒だ!

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 本当に楽しい一夜だった。気仙沼に来て良かった!
 自転車で旅をしていたらどこかでばったりお2人に再会なんてこともあるかもね。
 もう一度会いたい、気仙沼で出会った人と酒に乾杯!

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