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 空は快晴、天気予報によると本日の最高気温は37℃という恐るべきものだったが、せっかくの晴天の休日に家に閉じこもっていることなどできない。
 こんな日は、涼し気な川の畔で冷酒をきゅっとか冷たい蕎麦をゾゾゾと啜るとか、エアコンに頼らぬ涼の採り方をしてみたい。しよう、奥多摩へ行くぞ。そうだ、久しぶりに北海道の音威子府蕎麦を食べさせてくれるあそこへ行こう! それに冷酒をキュだ! 目指すはJR青梅線・御嶽駅近辺。
 雑用があったため朝からとはいかず、11時と遅い出発になってしまったが自転車に跨る。

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 今日の旅の起点は、埼玉県新座市栗原のコンビニ、ローソン100。ほとんどの商品が100円というありがたいコンビニだ。ここで遅い朝ご飯を調達。この店舗は毎日11時におにぎりやパンの賞味期限切れ間近の物が半額になるので、この時間に寄れる時はお得だ。
 半額パンをかじりながら青梅街道を行く。

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 しかし、このうだるような暑さには参る。強い日差しを避けるため、歩道の並木の陰をゆっくりと行く。ここは小平霊園。
 それにしても暑い。
 過去数度の例では50分の行程で来られる所まで1時間25分もかかってしまった。暑くて体に熱が溜まりペース良くペダルを漕ぐことができないのだ、辛い。気温37℃ってのはエライことだよ。

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 そこに現れたコンビニ、セブンイレブン。砂漠にオアシス出現。中は涼しい~

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 ガリガリ君冷たくて美味しい~ ガリガリ君はメシアじゃ~ 灼熱砂漠のオアシスでメシアに出会う。これ以上の救いがあるだろうか。
 気力充実、再び暑さに立ち向かう気持ちが湧いてくる。
 額から流れ出た汗が頬を濡らす間もなく乾燥してしまう熱い空気の中を進んでいると、突然雲行きが怪しくなり、大粒の雨が降り始める。

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 熱を帯びた体を冷やすのにちょうど良い雨で済むなら良かったが、この写真を撮った直後には激しいスコールになる。慌ててカメラを鞄にしまい込む。腕に当たる雨粒が痛い。霰まじりなのかも。
 暑さも同様雨も敵だ。なかなかスピードが出せない。こんなに奥多摩が遠いと感じたのは初めてだ。

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 やっと青梅の街へと入る。古い映画看板を取り入れたレトロな街並みが売りだ。

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 ギャグマンガの神様、赤塚不二夫会館もある。この写真は2009年に訪れた時の物。その時の記事はこちら→『赤塚不二夫会館へ行ったよ』。

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 街を抜けると、だんだんと山が近づいてきた。雨は小降り、降ったり止んだり、涼しく走りやすくなってきた。灼熱のまたは土砂降りの上り坂にならなくて良かった。

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 風景も徐々に奥多摩っぽく。ポタリング気分が盛り上がってきた。

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 ポタリング気分が盛り上がって来たところなんだけど、澤乃井園に到着。
 ここは地元の酒造会社「澤乃井」が経営している食事処。

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 多摩川の畔で良いロケーションでしょ。

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 地酒を一杯。辛口にごり酒、500円くらいだったかな。自転車だから1杯だけで、残りはお土産ね。
 味噌こんにゃく(300円)がまたこの濁り酒に合うんだ。甘酒かき氷とか、もろみわさびとか他にも気になるメニューがある。

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 酒の仕込み水を頂戴します。酔い醒ましに最適の美味しい水。

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 しばし風景を楽しむ。
 すぐ目の前が散策コースになっている。河まで降りたかったが、先ほどの大雨で増水しており危険と他の客が店の人に止められていたのでやめておく。

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  さて、涼しい川の畔で冷酒をたしなむという最初の目的を達成して、ポタリングを再開。
 実は、第二の目的の北海道の音威子府蕎麦はほんの目の鼻の先にあるので、それではつまらない。まだ時間に余裕があるので、もう少し奥まで自転車を楽しんでから寄ることにする。

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 道路わきの沢水が勢いよく流れている。これも雨のお蔭だろう。首都圏の水瓶が底を尽きそうとニュースで言っていたが、この雨で一息付けるかも。(その後、16日連続の雨となり水不足は解消されたようだ。)

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 楽しい風景、楽しいポタリングが続く。
 しかし、そろそろ引き返さねばならない。もう5時に近くなった。奥多摩湖まで行ければなお良かったが、出発時刻が遅かったから仕方がない。奥多摩駅前からUターン。

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 白丸ダムとダムの水が注ぎこむ深い渓谷を見学してから音威子府蕎麦を食べに。

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 ここ「ぎん鈴」がそれ。宿であり食事処。
 ここには多摩川の碧と山の緑が目に楽しい眺望の良い風呂もあるのだが、この日は生憎と団体客の利用があり入ることができなかった。残念。

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 だが、目的の音威子府蕎麦にはありつけたぞ。
 音威子府蕎麦とは、北海道の音威子府地方で打たれている蕎麦で、蕎麦の甘皮を一緒に挽くために黒い蕎麦になる。もしかすると食糧事情の悪い時に少しでも量を増やすために考えられた苦肉の策だったのかもしれないが、これが美味い。日本一美味い蕎麦とも言われる。
 ここの宿のご子息が北海道でこの蕎麦に巡り合い、ぎん鈴で扱えるように是非にと音威子府地元の畠山製麺に頼んだことから、この奥多摩で音威子府蕎麦が食べられるようになったそうだよ(女将さんの話を要約)。
 確かに香りもコシも強く、他の蕎麦とは別物。好みによるだろうが、音威子府蕎麦を一番に押す人が多いのが分かる。お値段1080円。

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 宿の落ち着いた雰囲気と眺望がさらに蕎麦を美味く食べさせる。
 音威子府の近く出身の知人が前からここの蕎麦を食べたがっていたのでお土産に買った(2人前1080円)。

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 帰りは下り道、そして青梅街道は空いていたからスイスイと走ることができ、往路の半分にすらならない2時間ほどで我が家に到着。味噌こんにゃくと音威子府蕎麦でお腹は十分、用意した携行食は出番が無かった。
 今回の往復約100キロのポタリングは、日照りに灼かれ豪雨に打たれ苦しいこともあったたけど、終わってみれば楽しく美味しい旅だった。