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 毎週月曜日にはジュニア・バドミントンクラブでの子供たちへの指導があるのだが、今週は体育館が使えずお休み。そして火曜、水曜とやるべき仕事がない(それ自体は本来困ったことなのだが)、絶好のチャンスだ!
 梅雨が来る前に~♪(ここはカナダからの手紙ふうにお読みください。)
 ららら旅の彼方~♪(鉄腕アトムふうに。)
 夜勤明けの眠気をどこかへすっ飛ばすと急きょ支度を整え(と言ってもそこそこ時間が掛かってしまったが)、夜7時に自転車に跨った。
 旅のテーマは「国道254川越街道を行けるところまで行く旅!」だ。埼玉県の端っこ、東京・練馬区の境界にある終点の松本まで行くと200キロを超える。行きつけるかどうか分からないが、上手くすれば長野県中信地方の名物料理・山賊焼きが食べられるぞ!
 交通事故に遭い頸を痛めてから8年、生活や仕事、スポーツに大いに支障をきたし、だいぶ良くなってきたとはいえ今も不自由や痛みがあるが、一昨年は江の島まで50キロ、去年は奥多摩往復120キロと自転車の走行距離を伸ばしてきた。そこを踏まえての今回の200キロチャレンジだ。
 ほぼ日没にスタートしてからペダルを漕ぎっぱなしで4時間、寄居町に着いた。思ったより距離が伸びていない。急に決めた旅なので地図を詳細に検討していなかったせいでグーグルマップにお任せしたのが悪かった。歩行者モードに設定していたら国道を外れていきなり住宅街を走らされてタイムロスになった。こいつは面倒だなと思い自動車モードに設定しなおす。それだと自転車は走行不可な自動車専用道路に案内される可能性があるのだが、その時はルートを選択しなおそう。
 4時間走ったので2時間休憩を取ることにする。普通に考えれば休憩時間長すぎだが、仕事をしているときでも4時間働いたら最低1時間できれば2時間横にならないと首の痛みと疲れが取れない体になってしまったので仕方がないのだ。(涙)

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 軽食を取り、田んぼの脇でポンチョに包まり仮眠を取る。騒がしいカエルの声の中だったが気が付くと30分くらいは本当に寝ていた。携帯電話のアラームで目を覚ます。
 さて再スタート。夜道を走る。
 国道って言ってもこの辺りまで来ると街灯がまばらで路面は非常に暗い、真っ暗と言っても良い。自転車のハンドルに付けた小さなライトだけでは時速30キロ台の速度を出すのは危険だ、20キロ台に速度を落とさざるを得ない。もうっとしっかりしたライトを用意すべきだったなあ。そう言えばかつて静岡県大井川まで走った時はライトをいくつもつけて路面を明るく照らして走ったなあ、いきなり出発を決めたからだけど今回は色々と用意を怠った。

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 道が暗いこともあるけど、対向車のライトで逆光となり路面が全く見えなくなるし目もくらむ。自動車のドライバーって車同士ではマナーとして対向車が来たらハイビームをロービームに切り替えるのに、相手が自転車だとロービームにしてくれない。車は対等だからマナーを守るが自転車は格下なのでの存在だからマナーを守る必要が無いという見下しがあるのかもしれない。この記事を読まれた皆さん、自転車にもハイビームはお控えください。かなり迷惑で危険もあるのです。
 走り続け、タブレット上のグーグルマップで確認すると群馬県下仁田まであと28キロとなっていた。ところがそこでトラブル発生。
 グーグルマップの指示で走るといつの間にか国道254をはずれ山の中へ。距離だけを取れば恐らく最短ルートなのだろう。だが、便利な道なら国道254を行く車の何割かはこのルートへ流れるはずだ。なのに1台の車も走ってはいない、アスファルトで舗装されてはいるものの街灯はゼロの真っ暗闇、そしてグーグルマップに高度は表示されていないが、どうやら標高数百メートルの峠を越えさせようとしているらしかった(後日調べたら標高400メートル程度らしいので昼間のチャレンジなら辛くも楽しいヒルクライミングだったかもしれない)。すぐに気づいて止めておけば良い物を40分も漕いでから、危険を感じてルートが国道254から分岐した地点まで戻ることにした。時間と体力と気力を大幅に無駄にした。つくづくグーグルマップは取り扱い注意が必要だなあ。ちゃんと時間をかけて経由地を細かく固定して設定するか、ルート紙の地図を別に用意して現在位置の情報だけグーグルマップを参照するとかにした方が良さそうだ。

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 結局2度目の4時間走行でやっと下仁田に辿り着いたのは夜も明けた午前4時、下仁田の空に朝日が昇る。そしてその時には私の頸とその周辺にかなりの痛みと痺れが来ていた。休憩しても痛みが取れない。
 ああ、ここいらが限界なのかと悟る。走行時間8時間、距離にして約130キロ。昨年よりさして走行可能時間・距離が伸びていない。
 予めリタイアに備えて、下仁田から帰る方法は出発前に調べてあった。東京までの都市間バスが出ている。半日くらい観光を楽しめれば良かったのだが、頸の痛みがそれを許さなかった。走行距離を200まで伸ばすのはまたいつの日にかまでお預けだ。
 今回の旅の終着となった下仁田はネギしかないところかと思っていたけど、妙義山に代表される特徴的な山々や関東最大級を謳う鍾乳洞や世界遺産にもなっている風穴で有名なところだった。それらを巡ってみたかったけど残念無念断念。

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 ただ、見える範囲だけをもってしても下仁田は風光明媚な所だったよ。美しい渓谷に水墨画から切り出したような山の風景。そして見渡す限りの下仁田ネギ畑。
 バス乗り場のある道の駅で時間を潰し、バスに乗車し東京を目指す。バスの中でビールを飲んでちょっと寝たら、もう練馬の降車場に着いていた。夜通し限界まで走ったのが2100円の運賃と1時間半ほどの時間と等価なのか~ いや自転車で走ったのはプライスレスなのだ! と信じたい。結果論から言えば、どうせ8時間しか走れないと分かっていたら日の出ている時間に走りたかった。夜走っても風景を楽しめないもんな。
 今回の旅は挫折、途中リタイアだったが成果もあった。それはバス輪行のメリットに気づいたこと。今まで電車を使った輪行は何度かしたことがあるんだけど、フルサイズの自転車を電車に持ち込むのはけっこう他の乗客にとっては邪魔という理由からいつも比較的スペースを取らない折りたたみ自転車を使っていた。今回も帰り道の輪行のことを考えて折りたたみ自転車に乗ってきた。
 それが都市間バスだと大きな荷物も貨物室に積めるので、フルサイズの自転車でも気兼ねなく輪行できる。それならより高性能で同じ時間でより遠くまで行けるロードレーサーでの輪行が可能になるってもんだ、ロードレーサー持ってないけど。自転車旅の新しい可能性が拡がるね。

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 後は、下仁田に至るまでの国道254は道々に24時間営業のコンビニがあるので食料の携行は基本的に不要だということが分かった。カップ麺もおにぎりも水も手に入るしトイレにも困らない。自転車旅は軽い方が良い、コンビニは自転車旅の強い味方だ。
 そうそう群馬県には東京界隈ではお目にかかれないセーブオンが多数展開していたよ。

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 今回は太陽電池パネルが役に立った。タブレットでグーグルマップを動かすと電池の消耗が激しく携帯した容量8000mAのモバイルバッテリーは一夜で空になった。日が出てからは太陽電池パネルでモバイルバッテリーへの充電が可能になり、晴天だったため1時間に1000mA程度の充電ができていた感じだ。充電するコンセントの無い環境ではとてもありがたい。次回の自転車旅にも持って行こう。

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 旅のお土産はぐんまちゃんドロップス。
 次はどんな旅をしようかな。