今日は、黒目川の終点から水源までを辿るちぃ冒険に出ることにした。
 花見で有名な目黒川じゃないからね、黒目川。
 黒目川は東京都東久留米市、埼玉県新座市、朝霞市を流れ新河岸川に合流する約17キロの長さの1級河川だ。

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 黒目川と新河岸川の合流点を示す新河岸川終点石標。ここから源流まで自転車で遡る。

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 流れは緩やか、水は少し淀んでいるが住む魚は少なくないらしい。この辺りで1メートルもあるソウギョが釣れたと釣りをしていたおじさんが言っていた。アユやウナギも釣れるそう。「この川で釣れる魚を食べる気にはならないけどな。でもここで釣れたウナギを買い取りに来る業者もいるんだ。」と教えてくれた。貴重な天然ウナギには違いないし、一定期間綺麗な水で飼育していれば臭みは取れるのだろう。

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 川の起点のすぐ脇にある多目的広場。不整地を削って平らにして芝生にしたそう。けっこうお金を使って川の周辺を整備しているんだね。勝手にボランティアで草取りをしているという奇特なおじさんが教えてくれた。

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 この木何の木♪ って歌いたくなるような木だ。夏の暑い日にはこの地を訪れる人々に心地よい日陰を提供してくれるんだろうな。

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 ああ、こんな不整地を走るのに高圧タイヤを履いたクロスバイクは辛いな。壊れてしまったマウンテンバイクが恋しい。

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 堤の上の舗装道路ならスイスイと楽に走れるのだが。

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 このくらい硬く締まった道ならば舗装していなくても問題なく走れる。

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 川の上を電車が通る。東武東上線だ。

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 アオサギが居た。大きいな、この辺りで見られる最大サイズの鳥類ではないだろうか。

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 カルガモもスイスイだ。3羽は親子で真ん中がお母さん、前後が子供のように見える。

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 小魚が群れる。サギやカモの格好の餌になっているのだろう。

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 水辺で子供たちは遊び。

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 大人はバーベキュー。

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 猫に遭遇。おばさんから餌をもらっていた。地域ネコっていう奴か。おばさんによるとボランティア団体が避妊手術を受けさせた猫だそう。避妊済みの印に左の耳に桜の花びら型の切込みが入れてある。

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 なおも遡って行くと…

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 黒目川に掛かる橋で一番大きいと思われる市場坂橋が見えてきた。
 私はこの橋をアギト橋と呼んでいる。仮面ライダーアギトのロケをここでやっていたから。

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 この市場坂橋のすぐ脇にあるのが妙音沢(みょうおんさわ)。平成の名水百選に選ばれているということだが、水質は飲料には適さないと案内板に書いてある。見た目ほどの清流ではないということか。遊歩道が整備されており散歩するのに具合が良い。
 ここの湧水も黒目川に流れ込んでいる。

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 お昼も回ったことだし、ここらで食事をとることにする。今回の携行食は、鞄からぶら下がっているこれ。

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 中身はアンパンマンカレーとチキンラーメンミニ。

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 こうしてカレーにラーメンを浸して柔らかくしてから食べる。
 昔、確か30年以上前にアルキメンデスっていうカップ麺があって、添付の餡をかけて麺を柔らかくすることでお湯の無い環境でも食べることができた。餡かけ焼きそばのようなものだ。携行食に適していると思うのだが、残念なことにとっくに製造中止になっている。製造中止の理由は多分美味しくなかったからだ。
 そのアルキメンデスのように食べられるものはないかと考えたのがアンパンカレー&チキンラーメンミニというわけ。
 残念ながら美味いとは言い難かった。第一に私はチキンラーメンの味が元々好きでないという事、第二にチキンラーメンには元々味が付いているところにカレーの味を足すので味が濃くなりすぎるということ。イマイチだったがアイデアとしては悪くなかった。その気になれば自転車をこぎながらぽりぽり食べることもできるからチキンラーメンミニは携行食に向いていると思う。もうちょっと研究してみたい。
 チキンラーメンミニ2袋とアンパンカレー1袋で合計215キロカロリーを補給して、黒目川遡上を再開する。

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 綺麗に整備された妙音沢から100メートルくらいしか離れていないというのに、ゴミの不法投棄があった。リフォームの時に出たゴミを捨てて行ったものらしい。心無いことをする輩がいるものだ。

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 コサギ、さっきのアオサギより大分小さい。半分くらい、つま先から頭まで60センチってところかな。

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 綺麗に整備された遊歩道。

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  ベンチは団体からのプレゼント。

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 アジサイの綺麗な季節になったね。

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 カワウ。群れると周辺の環境を悪化させるそうだが、1羽のみ。仲間とはぐれたか?



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 新座観音の看板に誘われ拝観。

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 立派な白衣観音に手を合わせる。

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 ここにもカルガモ親子。

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 水面で何かが盛んに跳ねている。小魚の群れのようだが、何度もトライしてやっとその姿を写真に撮ることができた。ボラの稚魚? 海に棲むボラが川にまで入り込むことは知っていたが、海から遠く離れた埼玉県まで海の魚が群れとなって遡ってくるということか。

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 遠い上に日陰にいたので鮮明な姿を映すことができなかったがカワセミだ。飛び跳ねるボラは格好の獲物になりそう。自分から居場所を教えているようなものだもんね。

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 下流と比べると流れの透明度はずっと高い。

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 釣れるのかな。

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 水面が見えないけど、ここで落合川が黒目川に合流している。ここいらが東京都と埼玉県の境界でもある。

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 落合川との合流点より上流はぐっと川幅が狭く水量が減っている。落合川は黒目川にとって重要な水源ということだね。

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 ここにもカワセミ。先ほどの個体と比べると小さい。独り立ちしてからそう経っていないのかも。

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 ダイブを繰り返すんだけど、なかなか魚を捕えることができない。漁の名人への道のりは遠いようだ。

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 またコサギ。さっきのより大きい。

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 川幅がずいぶん狭くなったなあ。

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 橋の下には鯉の群れ。大きいのは80センチを超えていそうだ。鯉がここに集まっているのは、川幅が狭く浅くなっているところで、ここだけある程度の水量があるからだと思う。

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 この先、ますます水量が減って。

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 ついに流れは消えてしまった。

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 場所は都大橋。

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 黒目川の湧水点との表示。

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 覗き込んでみたけど、水の湧いているところは見えず。

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 おっとぉ、ここでアクシデント! 愛用のサンダル「ワランダル」の鼻緒が切れてしまう。
 通りがかりの人に近くに靴を売っているところが無いか尋ね、「クルネ」というショッピングセンターを教えてもらう。この地、東久留米と客が来るねを掛けた名前なのかねえ。そこには靴屋のABCマートが入っていたのだが、ビーチサンダルがなんと2500円。ありえねぇ~! もう片っぽ裸足で自転車こぐっ! と決意を固めたところ、通路を挟んた向かい側が100均ショップ。無事に100円でビーチサンダルを買うことができた。あ~良かった。ビーチサンダルを履いて湧水点まで戻る。

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 水は枯れているけど、流れの跡はあるんだよね。もう少し上流まで追ってみようと思う。
 ところが、流れの跡すら100メートル進むか進まないうちに住宅街の中で途切れてしまう。川はどこへ行ったのだ?
 川を見失った辺りで畑仕事をしていたおばあさんに訪ねると、「この辺りで暗渠になっていて道路をくぐって氷川神社の脇に繋がっている。」と教えてくれたので、道路を越えて氷川神社へ。

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 神社の脇には確かに水路はあったが水は無し。
 近くで散歩休憩中のおじいさんに尋ねると、2カ月も水が流れていないという。さっきの湧水点より上流は水無川なのだろうか? と思いながら先に進む。

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 こぎれいな橋が架かっているがやはり水は無し。

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 「しんやま親水広場」でやっと水に再会できた。

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 しかしその細い流れも長くは続かず。

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 再び枯れてしまう。

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 それでも流れの跡を追って緑地に入って行く。

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 緑地を抜けると、そこは小平霊園。霊園内にある「さいかち窪」というところが黒目川の源流ということはウィキペディアで調べていた。管理事務所でさいかち窪がどこか尋ねる。

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 この地図にある草地・雑木林の中に描かれている線がさいかち窪だという。
 水があるか尋ねると、季節によってあったり無かったりということ。それどころか去年一昨年と続けてたまたま水が湧いたものの、何年かに1度水を湛えるかどうか位のことらしい。

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 そこへ行ってみると、なるほどすっかり枯れているが水辺らしい痕跡がある。しかし源流とまでは言い難い。事実上の源流は都大橋の湧水点だったようだ。

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 こんな緑深い場所が霊園の中にあるんだね。水を湛えているところを見たいものだ。

 さて、ペダルをこいだから小腹が空いてきた。帰り道にどこで食べるかは決まっていた。ビーチサンダルを買う時に通りかかったラーメン屋。

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 その名も「チャーシュー専門店 チャーシュー力」。プロレスラーの長州力をもじった駄洒落だね。ラーメンと駄洒落の好きな私を引き付けるなあ。

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 予想通り店内はプロレス一色。壁から天井からプロレス関係のポスターがいっぱい貼り付けてある。
メニューも長州力の得意技にちなんだ「さそり固めこってりラーメン」とかプロレス風。

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 みそラーメンを食べる。値段は700円だったかな。
 チャーシュー専門店を名乗るだけあって、チャーシューは柔らかく味わいがある。
 中太縮れ麺は私の好みに合う。濃厚な味噌味のスープは麺と共に口に運ぶと美味しいが、スープだけを飲むと塩っぱ過ぎる。まあ、どっちつかずより潔い決断かもね。
 満足して帰路に就く。

 黒目川は、全長17キロ足らずの小さな川だったけど、魚がいて、それを糧にする鳥たちが集まって来る意外にも自然豊かな川だった。海のないこの地域の貴重な水辺として流域の人々に愛されている川なんだろうなと思う。楽しい自転車散歩だった。